豆腐乳?

朝日新聞』の記事;


JR関西線の異臭、原因は「臭豆腐」? ごみ箱から発見

2016年2月8日23時02分


 JR関西線弥富駅(愛知県弥富市)に停車中の列車内で7日あった異臭騒ぎで、同駅のごみ箱から、中国や台湾の発酵食品「臭豆腐」が見つかったことが捜査関係者などへの取材でわかった。県警は臭豆腐が異臭の原因の可能性があるとみて鑑定を進めている。

 7日午後1時すぎ。同駅に停車中、乗客から「車内がアンモニア臭い」と報告があり、20人の乗客全員が降りた。午後10時ごろ、駅係員が下り線ホームのごみ箱からの異臭に気づき、警察に通報。中から臭豆腐が見つかったという。

 この騒ぎで名古屋―桑名駅間の上下線で約1時間45分、運転を見合わせた。
http://www.asahi.com/articles/ASJ2876GGJ28OIPE036.html

「かなり臭豆腐」というタイトルの「臭豆腐」とは全然関係ないエントリーをでっち上げたことがあるのだった*1。驚いたのは、駅の「ホームのごみ箱からの異臭」ではなく、日本にも「臭豆腐」ってあるんだね! ということだ。中国では「臭豆腐*2というのは、基本的には屋台みたいな店で油で揚げたのを買って、唐辛子系の激辛のタレをつけて食べるものだ*3。勿論、スーパーでも普通の豆腐のようにヴィニールの容器にパッキングされて売っている。それは、やはり油で揚げたり、そのまま火鍋に投入したりする。そういう「臭豆腐」が日本のスーパーでも売っているのか。但し、俺だけの話かも知れないのだが、「臭豆腐」を臭いと思ったことは殆どない。くさやは勿論のこと、キムチとか沢庵の方が「臭豆腐」よりも臭い筈だよ。「臭豆腐」で電車が止まるんだったら、キムチや沢庵は日本では日常的にあるので、電車は動いている暇がないじゃん。だから、もしかしたら、弥富駅のゴミ箱で見つかったのは、俺もそうだけど「臭豆腐」とよく混同される豆腐乳(腐乳)*4のことなのかなと思ったのだ。豆腐乳は保存食品で、壜詰めで売られているのが普通なので、中国大陸や台湾から輸入されているということはあり得る。というか、実際、横浜中華街で見たことがある。これは「臭豆腐」とは違って、〈豆腐の塩辛〉と思うと、イメージしやすいのではないかと思う。熱いご飯やお粥の上にかけらを乗っけて食べるのが一般的では?

「電波停止」など

毎日新聞』の記事;


衆院予算委
高市総務相「電波停止を命じる可能性」言及

毎日新聞2016年2月9日 11時12分(最終更新 2月9日 12時01分)



 高市早苗総務相は9日午前の衆院予算委員会で、放送事業者が政治的公平性を欠く放送を繰り返し、行政指導でも改善されないと判断した場合、電波法76条に基づいて電波停止を命じる可能性に言及した。民主党玉木雄一郎氏の質問に「放送法を所管する立場から必要な対応は行うべきだ」と答弁した。


 放送法4条は放送事業者に「政治的に公平であること」などを求めている。これを踏まえ、玉木氏は「憲法9条改正に反対する内容を相当の時間にわたって放送した場合、電波停止になる可能性があるか」などとただした。高市氏は「1回の番組で電波停止はありえない」としたうえで、「私が総務相のときに電波を停止することはないが、将来にわたって罰則規定を一切適用しないことまでは担保できない」と述べた。

 高市氏は8日の衆院予算委でも民主党奥野総一郎氏に「行政指導してもまったく改善されず、繰り返される場合に、何の対応もしないと約束するわけにはいかない」などと同様の答弁をしている。

 これに先立ち、高市氏は9日午前の記者会見で、放送法に基づく業務停止命令や電波法による電波停止命令について「法律に規定されている」と表明。命令を出すのは「法律に違反した放送をしたことが明らかで、同一の事業者が同様の事態を繰り返し、再発防止措置が十分でないなど、非常に極端な場合だ」という見解を示した。

 菅義偉官房長官は9日午前の会見で「(高市氏は)当たり前のことを答弁したに過ぎない」と述べた。【野原大輔、青木純】
http://mainichi.jp/articles/20160209/k00/00e/010/170000c

玉木雄一郎氏が質問における例として〈憲法9条改正に賛成する内容〉というのを使っていたら、高市早苗*1はどう答えたんだろうね。それはともかくとして、この高市発言が自称イクメン議員の不倫騒動*2とは比較にならないほど重要な政治的意味を持つということはいうまでもない。
ところで、

高市早苗という女は、その経歴から「極右的な主張は安倍晋三らに迎合したものであって、本心から出ているものではないのではないか」との見方をする人もいるが、とんでもない。高市は筋金入りの極右政治家だ。新進党を見切って自民党入りした時、さっさと清和会に入ったことは、高市が根っからの極右であることを示している。(後略)
http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20160210/1455059296
そういう人もいるんだね。私は高市が政治家になる前から、こいつは右だと思っていた。
さて、金子謙介君の「不倫」騒動だけど、『日刊スポーツ』の記事のタイトルだけ記しておく;


「育休の宮崎謙介議員「臨ゲス不倫」妻出産前自宅密会」http://www.nikkansports.com/general/news/1602758.html


因みに、この記事で、その相手とされる女性の実名を知ったのだが。山田君、『日刊スポーツ』に座蒲団1枚あげなさい! 

最近例の謎の書物擬き=『亜書』を巡る『週刊新潮』の記事を読んで*3を読んで、新潮社は文学書の出版社なのだという自覚と矜持を持ってほしいと感じたのだった。それで、さっき読んだ、ベッキー事件*4を巡る「ようやく解明された「ベッキー」の「LINE」だだ漏れの真相」という記事*5、内容は既にほかのメディアに抜かれてしまったことで、その意味では新しさはないのだけど、そんなことよりも、記事の中の俵万智三島由紀夫桂米朝というカラフルな引用の印象が強かった。さすが新潮社!

ファゴットかバスーンか問題など

TBSの報道;


音大に侵入し楽器窃盗、「東大教授」名乗り転売


関東の音楽大学などに侵入し、管弦楽器の窃盗を繰り返していたとみられる無職の男が、警視庁に逮捕されました。男は、「東京大学の教授」を名乗って、盗んだ楽器を転売していたということです。

 長い管を2つ折りにした特徴的な形の管楽器「ファゴット」。このファゴットを盗んだとして、東京・新宿区の無職・西田晶彦容疑者(58)が警視庁に逮捕されました。西田容疑者は、去年9月、小平市にある武蔵野美術大学管弦楽サークルの楽器庫に侵入し、ファゴットや楽譜など合わせて15点(40万円相当)を盗んだ疑いが持たれています。

 西田容疑者は、盗んだファゴットを品川区にある中古楽器売店に持ち込み、転売していました。その際、「東京大学の教授」を名乗っていたということです。

 「売りに来たときに『東大の教授だ』と言ってきた。それっぽい格好、シャツ、スラックス、ネームプレート」(楽器が売られた店の店員)

 西田容疑者が使っていた名刺。肩書きは「東京大学大学院の工学博士、教授」で、専攻は「航空宇宙工学」と書かれています。こうした名刺で信用させようとしたのでしょうか。店員の男性は、念のため、持ち込まれたファゴットが盗品でないか確かめたといいます。

 「持ってきた物の状態とか、突っ込んで聞いても答えられる。すごいプロなのかなと」(楽器が売られた店の店員)

 その後、盗まれたファゴットがインターネット上で販売されているのを被害に遭った女子学生が発見。警察に相談し、西田容疑者の関与が浮上したということです。

 今回被害にあったファゴットとはどのような楽器なのでしょうか。

 「安いものでも5、60万円、高いものだと500万や600万。ファゴット自体が中古の流通が少ない分、中古でも金額がつくケースが非常に高い」(クロサワウインド 杉森能之副店長)

 取り調べに対し、西田容疑者は、「自分も楽器をやっていた」「お金が欲しくてやった」と容疑を認めているということです。

 警視庁は、西田容疑者がおととし夏ごろから、関東の音楽大学美術大学でギターやクラリネットなど管弦楽器の窃盗をおよそ15件繰り返していたとみて、詳しく調べています。(10日16:37)
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2699938.html

タイトルは「音大に侵入し楽器窃盗」となっているけど、今回逮捕された直接の容疑は「武蔵野美術大学管弦楽サークルの楽器庫に侵入し、ファゴットや楽譜など合わせて15点(40万円相当)を盗んだ疑い」なのだ。つまり、「音大」じゃなくて美大じゃないか。「音大に侵入し」云々というのは余罪の方。だから、このタイトルはちょっとまずいでしょ。
本件は詐欺事件ではないけど、やはり多くの詐欺事件と同じように、フィクショナルな自己の呈示としての演技を含んでいる。そのための最も手っ取り早い仕掛けは制服だろう。制服(らしきもの)を着ることによって、軍人、警察官、高校生、駅員etc.としての自己を呈示し、あわよくばカモにそう信じさせることができる。厳密には制服ではないけれど、北野康行aka有栖川識仁*1の場合も、〈大礼服〉というのが大きな働きをしたわけでしょ。この西田晶彦という男が呈示しようとしたのは「東大教授」、「航空宇宙工学」の教授としての自己である。信じてしまった「中古楽器売店」の「店員」は「それっぽい格好、シャツ、スラックス、ネームプレート」と言っている。この「店員」は「東大教授」だという西田の自己申告を、「それっぽい格好」という身なりを根拠にして信じてしまったことになる。なかなか面白い問題。世間には、これを着たら「東大教授」! というか、「東大教授」はこれを着ている筈! というファッションのイメージというかステレオタイプが存在しているわけだ。ランダムにサンプリングされた一般人にそのイメージを答えてもらって、リアルな「東大教授」の自己認識とのギャップを明らかにすること。また、一般人によって構築された「東大教授」イメージに基づいて、やはりランダムにサンプリングされた一般人に「東大教授」に扮してもらい、どのくらい相手を騙せるのか(相手に信じてもらえるのか)を調べる。さらに、このような世間のステレオタイプに基づく一般人によるフェイク「東大教授」の自己呈示とリアルな「東大教授」の自己呈示では、どちらが信じられやすいのかを比較する、等々。
さて、この「店員」は「持ってきた物の状態とか、突っ込んで聞いても答えられる。すごいプロなのかなと」と言っている。楽器屋の「店員」なので素人ではなく、これは楽器についての「プロ」が「すごいプロ」と言っているわけですよね。これは、「東大教授」とか、「航空宇宙工学」の教授とかとは関係なく、西田の楽器についての知識が「プロ」並みだという印象を持ったということなのか。音響工学ならともかく、「航空宇宙工学」と楽器についての知識はあまり関係ないような気がする。
あと、上の記事からはよくわからないのは、西田は「関東の音楽大学美術大学でギターやクラリネットなど管弦楽器の窃盗をおよそ15件繰り返していた」わけだけど、これらは全て(今回のように)換金していたのかどうか。また、その場合、「転売」先は今回と同じ「中古楽器売店」だったのか。それとも別の店だったのか。前者の場合だったら、「店員」は相互行為のセッションを重ねるとともに、西田への信頼が強化されたり逆にゆらいだりするという経験を経ていることになる。また、後者の場合、西田はやはり今回と同様に「東大教授」としての自己を呈示したのか、それとも別の自己を呈示していたのかという疑問が発生する。

ところで、盗まれた「ファゴット」。「バスーン」と呼ばれるのとどちらが多いのだろうか。因みに、Wikipediaの項のタイトルは「ファゴット*2ファゴットは伊太利語や独逸語、バスーンは英語や仏蘭西語。やはりクラシックの世界は独逸語、次いでは伊太利語が強いので、やはり「ファゴット」が一般的なのだろうか。「日本ファゴットバスーン)協会」という団体もある*3。また、ファゴットは日本ではヤマハが作っているのだが、そのヤマハのサイトでは、URLはbassoon、本文は「ファゴット」になっている*4

「馬鹿」かどうかは知らないけれど

承前*1

『RBB TODAY』の記事;


清原容疑者「永久追放」発言の杉村太蔵に、上西小百合議員「所詮馬鹿は馬鹿」
2016年2月8日(月) 20時00分


 “浪速のエリカ様”こと上西小百合衆議院議員が、覚せい剤取締法違反で逮捕された元プロ野球選手の清原和博容疑者について「なぜプロ野球機構が永久追放だと言わないのか」との意見を述べた元衆議院議員でタレントの杉村太蔵を「所詮馬鹿は馬鹿なのか」と切り捨てた。

 杉村は7日放送のTBS系「サンデー・ジャポン」にゲスト出演。清原容疑者が今後、更生できるかについて出演者たちが意見を交わす中で、杉村は「今の段階でね、清原容疑者に対して更生の話は、完全に時期尚早ですよ。私はね、なぜプロ野球機構が永久追放だと言わないのかって。普通の企業なら一発解雇で、『2度と会社の前に来るな』ですよ」と主張。MCを務める爆笑問題太田光は「更生するなって言うの?」と反論し、テリー伊藤も「永久追放したら、清原の行き場所、どうすんだよ」と非難した。

 上西議員は杉村の発言を受け、同日Twitterで「杉村太蔵氏が、清原(容疑者って言っていいのかどうかわからないので呼び捨てですが)の事を永久追放って言った。世間に出て少しはまともになったかなと思ったけど、所詮馬鹿は馬鹿なのか。タレントになるってこういう事なのかな」とバッサリ。「永久追放なんて簡単に言える人は、軽すぎる馬鹿だ。いろんな事があるんだ」と切り捨てた。
《花》
http://www.rbbtoday.com/article/2016/02/08/139483.html

上西小百合*2のいうように、杉村太蔵*3が「軽すぎる馬鹿」だということはあるのかも知れない。しかし、その一方で、杉村は「軽すぎる馬鹿」だからこそ、少なからぬ人たちに愛されているということもあるのではないだろうか。それはさて措いて、杉村の「永久追放」論だけど、それに賛成/反対以前に、その前提がおかしいだろうと思った。離婚した配偶者と離婚することはできない。フィル・コリンズみたいに復縁することはできるだろうけど*4。清原はあくまでも「元プロ野球選手」なのであって、監督やコーチでもなく、どこかの球団の職員でもない。「プロ野球機構」とは無関係の人なのだ。既に無関係な人を「永久追放」できるのか。まあ、既に辞めてしまった小保方晴子理研が何を言っても、彼女にとっては関係ねぇよというのと同じなのでは?

また、


泉谷しげる覚せい剤が合法だった少年時代「フツーに声かけて来た」
2016年2月9日(火) 18時13分

 シンガーソングライターの泉谷しげるが、覚せい剤が合法だった少年時代の体験を明かした。

 泉谷は9日にブログを更新し、「たしか〜1962年頃まで映画界は撮影現場にてヒロポン覚醒剤)を配ってたとか!」「取り締まりか本格化したのは64年に『東京オリンピック』が開催されるので先進国になるためにも、地域の『暗部一掃』キャンペーンだったンではと云われてンだよ。しかし、突貫工事に近い競技上建設スケジュールにて労働者の多くに覚醒剤が配給されてたってンだからな〜!」(原文ママ)と当時を振り返った。

 そして自身が14歳だった頃、「まわりの大人はワルな雰囲気を持ってる者おおく街の盛り場で『兄ちゃん1本打っとくか?元気になるよ』とフツーに声かけて来たもんさ」と、勧められることもしばしばだったという。「だが中学生のオイラは、成長ざかりで寝るのが大好きな頃さ。何日も眠らないで働く労働力なンぞいらないし、ナニより注射が大キライだったからね〜嫌いが身を助けたかも!(笑)」と、薬物に手を出さずに済んだ“幸運”を明かした。
《花》
http://www.rbbtoday.com/article/2016/02/09/139519.html

覚醒剤が禁止されたのは1951年のことなので、さすがに泉谷*5の少年時代に「覚せい剤が合法だった」わけはない。ただ、権力や世論がどれほど弾圧に本腰を入れていたのかということに問題をずらせば、泉谷の言っていることも、まあそうだったかも知れないね、ということになる。ただ、オリンピック施設の建設労働者に「覚醒剤が配給されてた」というのは一瞬信じてしまいそうになるけど、やはり具体的な証拠が必要だろう。オリンピックを目前にした「地域の『暗部一掃』キャンペーン」は幾度か桜井哲夫氏の『思想としての60年代』を参照しつつ、最近言及した*6。シャブというのは1940年代には、24時間戦えますか、とか、ファイト一発! という感覚で使われていたわけで、「安くて強い」焼酎が「労働者の酒」であるように、労働者のクスリであったわけだ。だから、建設労働者へのシャブ「配給」というのは、それが事実かどうかはともかくとして、少なくともそういう噂(都市伝説)があっただろうということは充分に理解できるのだ。まあ、最近深夜バスが山道から転がるという事故が起きたわけだが*7、深夜バスの運転手にシャブを支給しろという議論はないね。まあ、そう言ってみたい人はいるのかも知れないけれど、そう言った途端に炎上するのを知っているので言わないということなのだろう。また、今や覚醒剤の闇価格は上昇し、労働者の手が届きにくくなったので、福岡の人みたいに、死に至るまでカフェインを飲み続けるという人も出てきたのだろう*8
思想としての60年代 (ちくま学芸文庫)

思想としての60年代 (ちくま学芸文庫)

というわけで、というかどういうわけか、遅くとも1960年代後半以降、シャブは若者のドラッグとはあまり見做されていなかったように思う。権力や世間の側でも、若者の使用を警戒していたのは、睡眠薬とかトルエンのようなダウナー系や大麻のような幻覚系だったのではないかと思う。

マッカーサー元帥の肝煎りで

Rupert Wingfield-Hayes “Japan and the whale” http://www.bbc.com/news/world-asia-35397749


諾威もアイスランド捕鯨国なのに、何故日本だけこんなにバッシングを受けるのか。これってレイシズムじゃないかと、血中ウヨ濃度が上昇したことがあった。しかし、問題は日本がわざわざ南氷洋に出かけているということにあったわけだ。


A number of coastal communities in Japan have indeed hunted whales for centuries, and continue to do so. Taiji in Wakayama prefecture is well known, many would say infamous, for its annual dolphin hunts. There are other places, in Chiba Prefecture and in Ishinomaki in northern Japan, that also do coastal whaling.

So, yes, coastal whaling is part of Japanese culture, like Norway and Iceland and the Inuit of northern Canada. But only Japan continues to sail a fleet of ships half way across the globe to hunt whales in the Antarctic and maintains a large factory ship that can process hundreds of whales at sea.

Nothing about these Antarctic whaling expeditions is historic. Japan's first whaling voyage to the Antarctic took place in the mid-1930s but the really huge hunts didn't get going until after World War Two.

Japan lay in ruins, its population starving. With the encouragement of General Douglas MacArthur, Japan converted two huge US Navy tankers into factory ships and set sail for the Southern Ocean.

From the late 1940s to the mid-1960s whale meat was the single biggest source of meat in Japan. At its peak in 1964 Japan killed more than 24,000 whales in one year, most of them enormous fin whales and sperm whales.

Today Japan can afford to import meat from Australia and America. There is no deep-sea commercial whaling in Japan. The fleet that is now hunting in Antarctic waters is paid for by Japanese taxpayers to carry out what the Japanese government describes as "scientific research".

日本の南氷洋での捕鯨が本格的に開始されたのは、第二次大戦後、ダグラス・マッカーサーの肝煎りで米海軍の軍用タンカーが捕鯨船に改造されたことによる。その背景は当時の圧倒的な食糧難であった。統計上、1960年代半ばまで、日本で「肉」といえば、牛でも豚でもなく、「鯨」だったわけだ。

Junko Sakuma used to work for Greenpeace in Japan. For the last 10 years she has been researching Japan's whaling industry.

"There is no benefit to Japan from whaling...but nobody knows how to quit," she tells me at Tokyo's famously chaotic Tsukiji fish market, the biggest in the world renowned for its pre-dawn tuna auctions.

Of the thousands of fish wholesalers in Tsukiji only two still deal in whale meat.

At one stand we find a few large hunks of minke whale meat, deep red and oozing blood. At the next there are two long slabs of lighter-coloured fin whale meat, an endangered species its trading banned by CITES.

Business is bad, complains the stall owner. Last year Japan caught no whales in the Antarctic, so there is less minke whale meat available, he says.

If there is a whale meat shortage, the price should be soaring. But according to Junko it is not.

"The fact is, most Japanese people do not eat whale meat," she says. "Consumption has been falling for years," and adds that "even as the amount of whale meat decreases, the price doesn't go up".

According to Junko's research, the average consumption of whale meat by Japanese people in 2015 was just 30g (one ounce) per person.

鯨肉の供給は減少しているのに、価格は上昇していない。それは鯨肉への需要そのものが縮小しているから。
Rupert Wingfield-Hayes氏を歌舞伎町の鯨料理屋に誘った北九州生まれのEtsuo Katoという友人の話;

"When I was a child I ate this every day," he says. "Meat meant whale meat. I didn't know what beef was, or pork. Steak was whale steak, bacon meant whale bacon."

But if Japan stopped whale hunting you would be sad?

He looks at me smiling and gently shaking his head.

"I don't need whale hunting" he says. "Once you have eaten beef there is no need to eat whale meat."

The other customers in the restaurant are all middle-aged salary men. Eating a bit of whale meat is nostalgic, remembering school meals 50 years ago.

捕鯨」については、http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080118/1200626709 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20081001/1222896363 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20090920/1253472136 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20100205/1265339402 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20100311/1268326745 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20100509/1273377569 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20100518/1274141582 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20100606/1275795070 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20100722/1279732727 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20111229/1325149058 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20151211/1449850066も参照のこと。

何故「聖書」を読んだか(吉本隆明)

宗教論争

宗教論争

吉本隆明、小川国夫「新共同訳聖書を読む」*1(『宗教論争』*2、pp. 155-191)から。
吉本の発言;


僕が聖書を読み始めたのは別に曰く因縁があってとか、特に意図的にとかいうことはないんです。やっぱり一番最初には、戦争が終わった直後の、世相の混乱も、思想の混乱も、文学の混乱も全部反映する形で、自分自身もどうしていいかわからないみたいなところがあった時に、最初にぶつかったんじゃないかなと思うんです。強いて文学のところでそういうきっかけを僕らに与えた文学者を想定すれば、太宰治という人だと思います。今でも太宰治の『駆け込み訴へ』なんていう聖書を主題にした作品はとてもいいものだと思います。太宰治の聖書の読み方は、また一種独特だから、正確かどうかとかということになってくれば、いろんなことが言えるわけでしょうけども、あの人が僕らに聖書のある読み方をそういう混乱期に示唆してくれたと思ってます。仏教の本も結構読んだりしたんですが、同時に、教会に行って牧師さんのお説教を聞くということもあって、戦争が終わってから、まず四、五年のあいだにきっと、一番一生懸命に――丁寧にという意味じゃなくて――生きる死ぬとか、どうしたらいいかわからないとかいう、そういう意味で読んだんだと思うんです。それで、自分なりの聖書というものを論じてみたいというふうに、だんだんなっていったように思ってます。(pp.171-172)

或る種の国進民退

最近国立である新潟大学の財政危機の報道を読んだばかりなのだけど*1
毎日新聞』の記事;


@大学 地方私大、相次ぎ公立化 定員割れで経営難 地元自治体が「救済」

毎日新聞2016年2月9日 東京朝刊


 若者の流出を食い止めようと、定員割れで経営難に陥った地方の私立大学を、地元の自治体が公立大学法人化する動きが各地で起きている。私大より学費は下がり、志願者は大幅に増えるという。しかし「大学間の公正な競争を妨げる」と懸念する声もある。今年4月から公立大学法人をスタートさせる2自治体の例から、自治体と大学のあり方を考える。

 ●国の交付金で学費半減

 山口県山陽小野田市の「山口東京理科大」は工学部の単科大学。地元自治体の協力で学校法人東京理科大(東京)が1987年に設立した短大が前身だ。95年に4年制大学となった。近年は定員割れが慢性化し、累積赤字は約90億円に上っていた。

 市成長戦略室によると、2014年7月に理科大側が「市の公立大学法人にできないか。駄目な場合は廃校も視野に入れている」と申し入れてきた。公立大学法人になると国から学生数に応じた交付金を受けられる。市の試算では、一番厳しく見積もっても公立化後の9年間は赤字にならないとの結果が出た。

 県内には国立の山口大に工学部があることもあり、市は単科大学のままでは公立化する必要性が弱いと判断し、県内初の薬学部新設を打ち出した。白井博文市長は「公立大学法人への選択こそ『地方創生』に役立つ。学費が半減し、県内唯一の薬学部が誕生すれば、進路の選択肢を増やし、市の産業力強化や定住促進につながる」(昨年1月の市民向けメッセージ)と強調。直後の昨年の入試(15年度入学者選抜)は受験生が定員200人の7倍を超えたという。市の担当者は「今年(16年度入学者選抜)は市長が高校を回り、テレビCMでもPRし、昨年以上の志願者が集まっている。卒業生の6割に県内に就職してもらうことを目指す」と話す。


 ●若者人口確保するため

 京都府福知山市成美大学も今年4月から公立化され、「福知山公立大学」に改称する。

 成美大は学校法人成美学園が2000年に設置した京都創成大学が前身。福知山市も設置時から27億円を負担して支援し、経営情報学部のみの単独学部で運営してきた。

 開学当時は定員195人に106人が入学したが、近年は入学者が50人を下回るように。赤字決算が続き、複数の重大な問題があるとして、文部科学省の認証機関「大学基準協会」から「不適合」の判定を受けていた。学園や市民団体などの要望を受け、市が有識者会議を設置。その報告書は市内での4年制大学の存在意義を認めて公立化も一つの選択肢と判断したが、「抜本的な改革をしなければ公立化しても成功しないのではないか」との懸念も示した。

 公立化を決めた市は、市民説明会で「大学は若者人口を確保する最も効果的な装置で、地方公立大学だからこそ学生が集まる」と理解を呼び掛けた。

 新大学は「1学部、定員50人」を踏襲し、4月から学部名を「地域経営学部」に改称する。市大学政策課の担当者は「一年でも早く定員を200人に増やしたい」と話す。今年の入試では推薦入試の志願者が約6倍になるなど、定員を上回る志願者が集まっているという。


 ●補助金の国公立偏在に批判も

 文科省によると、これまでに計5私大が公立法人化された。このほか、新潟産業大(新潟県柏崎市)、長野大(長野県上田市)、旭川大(北海道旭川市)、諏訪東京理科大(長野県茅野市)などが自治体に公立化を要望している。

 こうした動きに批判的な声もある。約410大学が加盟する「日本私立大学協会」の小出秀文常務理事は「公立化して志願者が増えるのは学費が安くなるから。安易に公立大学を増やせば、努力している周辺の私立大の経営を圧迫する。国の補助が国公立大に偏っている現状や、公立大の存在意義を問う時にきている」と指摘する。【高木香奈】


私立から公立大学法人になった大学

大学名    所在地       開学年  公立化年

高知工科   高知県香美市など  1997 2009

静岡文化芸術 浜松市       2000 2010

名桜     沖縄県名護市    1994 2010

公立鳥取環境 鳥取市       2001 2012

長岡造形   新潟県長岡市    1994 2014

山口東京理科 山口県山陽小野田市 1995 2016(予定)

福知山公立  京都府福知山市   2000 2016(予定)
http://mainichi.jp/articles/20160209/ddm/013/100/015000c

山口県東京理科大学があるということ自体知らなかったのだ。
これは中国風に表現すると、或る種の国進民退ということになるのだろうか。中国には制度としての地方自治(体)というのが存在しないので、どうしてもこういう表現になる。民営化はそのものが悪で公営化はそのものが善だと考えるというような(全く存在しないわけではない)馬鹿なサヨクにとってはめでたい話ということになるのだろう。
「安易に公立大学を増やせば、努力している周辺の私立大の経営を圧迫する」、つまり民業圧迫だという批判は傾聴に値する。しかし、既に「公立化」された大学、「公立化を要望している」大学の中には、その開学の経緯において、大学法人側はそんなに乗り気でなかったのに、町おこし! というノリで、地元自治体の方が強引に(というと言葉が悪いが)大学法人側を説得して開学に至ったというところもあるのではないだろうか(あくまでも推測だが)。だったら、それはあるべき姿に戻ったにすぎないといえなくもない。
思い出したのだが、昔よくつるんでいたのに、東京理科大学に落ちたけど経済的な都合で浪人ができず仕方なく日大に入ったという奴がいて、そいつの前では、リカダイというのはNGワードだったのだ。この人形の名前は? 香山リカだい! も含めて。

*1:永田篤史「新潟大、財政難で教員人事凍結 原則2年間、補充もなし」(http://www.asahi.com/articles/ASJ235JH5J23UOHB014.html) Cited in http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20160204/1454592588