衡山坊(2015年4月)

2015年4月25日。

徐家匯公園*1

衡山路・天平路の交差点*2

スターバックス@衡山坊。


衡山坊*3


顔石林*4「不説再見是因為我們会重逢」@衡山坊。

5th. Space@衡山坊。


衡山坊。

「南馬宿村」?

「「南馬宿村HP」の「村八分」解説が怖い 架空自治体なのに本気にする人が出た理由」http://www.j-cast.com/2016/09/27279115.html
Kikka*1「自称・秋田県南馬宿村役場が「村八分になってしまったら」というページを公開? 県は「存在しない村」と否定」http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1609/27/news091.html


「南馬宿村」公式サイト*2問題。架空の村なのに実在の村(の公式サイト)だと信じ込んでしまった人が少なからずいたという。まあ、本物の自治体の公式サイトが.comというドメインになっていることは、普通に考えるとないよね。
〈田舎〉に対する差別遊び。内閉的な社会への諷刺或いは嘲り、ということになるだろう。多くの人が怖がったという「村八分」だけれど、これは現実のムラ社会でかつて行われていた(かも知れない)/今も行われている(かも知れない)「村八分」を反映したものというよりは、もっと多くの人にとって身近な、学校の学級とか職場の小集団といった近代的/現代的な閉鎖的集団において起こりうるイジメとかハラスメントといった現象を、ムラ社会に投影しているわけだ。国内オリエンタリズム問題。だから、秋田県の人が怒るのも無理はない。多分、偶々「秋田県」だったのであって、本当は(田舎っぽかったら)何県でもよかったのでは? 全く根拠のない推測に過ぎないけれど、作った人は、学校や職場でいじめられたルサンティマンはあるかも知れないけれど、実際のムラ社会には興味がないのではないか。行政村と自然村の区別にも無頓着であり、日本のムラ社会が大まかに東北型と西南型に分けられるということ(Cf. 福武直『日本の農村』)も知らない、或いはあまり気にしないのだろう。東北型は垂直的、西南型は水平的。東北型では、地主‐小作関係、本家‐分家関係といったヒエラルキーが明確であり、「村八分」のようにムラ人が勝手に逸脱者に制裁を加える余地はない。制裁を発動するのは、地主とか本家といった上位者であって、下の者ではない。対等なイエが張り合いつつ共存する西南型の方が「村八分」などは起こりやすいといえるかも知れない。また、今気づいたのだが、いじめが問題になる集団というのは東北型よりも西南型のムラ社会に近いところがある。水平的な集団はいじめと親和性があり、(東北型のような)垂直的な集団はパワハラ*3と親和性があるといえるのでは? 話を戻せば、もっと悍ましいこと、或いはもっと素晴らしいこともある筈なのだが、まあそういうことは興味ないのだろう。

日本の農村 第2版 (UP選書 82)

日本の農村 第2版 (UP選書 82)

ところで、かなり以前に(比喩的な意味ではない)「村八分」を採り上げたことがあったのだった*4。集落の3分の1の世帯が「村八分」に処せられているという事件。これは危機に陥った共同体の自己免疫反応という感じ。

既に裁判の段階

承前*1

栗田良文という男の犯罪が発覚してからひと月あまり経った後に、相模原はさらに悲惨な犯罪(テロ)によって全世界的にその名を知られてしまったのだった。栗田良文の名前は植松聖のために翳んでしまったともいえるのだが、既に初公判の段階に至っていたということになる。
朝日新聞』の記事;


酔い止めと偽り睡眠剤「18のころから何百回もやった」

古田寛也

2016年9月29日18時37分



 酒に酔って駅で寝ていた女性に「酔い止め」とうそをついて睡眠導入剤を飲ませ、相模原市中央区の自宅に監禁してわいせつな行為をしたとして、わいせつ略取などの罪に問われた無職、栗田良文被告(33)の初公判が29日、横浜地裁であった。栗田被告は「わいせつ目的ではなく、女性の髪を触りたかった」と起訴内容を一部否認した。

 弁護側は冒頭陳述で、栗田被告が女性に睡眠導入剤を飲ませて自宅に連れ帰る行為を何度も繰り返していたことを認めた。5歳の頃から女性の髪に強い執着を持ち、高校卒業後は土日になると酒に酔いつぶれた女性を探していたと説明。睡眠導入剤を使わず、髪を触るだけの場合も含めて「何百回もやった」と述べ、「犯行は性依存症などの病気の影響だ」として精神鑑定をするよう地裁に求めた。

 検察側は冒頭陳述で、栗田被告が6月4日午前9時過ぎ、東京都品川区のJR大崎駅のホームで、酒に酔った女性(28)に対し、わいせつ目的で「酔い止めだ」とうそを言って睡眠導入剤を飲ませたと主張。意識を失った女性を電車とタクシーで自宅まで連れ帰って監禁し、わいせつな行為をする様子をデジタルカメラで撮影した、と訴えた。(古田寛也)
http://www.asahi.com/articles/ASJ9Y5FP1J9YULOB01J.html

栗田良文の事件のことを知ったとき、正直言って、訳が分からなかった。こいつ、何がしたかったのか。もしかして、純粋拉致? でも、「弁護側」「冒頭陳述」はこのもやもやをかなりクリアにしているといっていいだろう。要するに、毛髪に対するフェティシズム。毛髪をフェティッシュにするという人は珍しくない。というか、異性愛にせよ同性愛にせよ、性愛において、パートナーの毛髪を愛撫の対象にするというのは決して異常とはいえない。ごく最近でも、以下のような事件が起きている;

電車内で女性の髪を切った疑い 男子高校生を逮捕

2016年6月20日13時36分


 電車内で女性の髪の毛をはさみで切ったとして、神奈川県警は20日、横浜市旭区の私立高校2年の少年(17)を暴行の疑いで現行犯逮捕し、発表した。「性的欲求を満たすためにやった」と容疑を認めているという。

 緑署によると、少年は20日午前7時45分ごろ、横浜市のJR横浜線中山駅鴨居駅間を走行中の電車内で、東京都町田市の女性会社員(25)の髪をはさみで切った疑いがある。少年と女性に面識はなく、女性が被害に気づいたという。

http://www.asahi.com/articles/ASJ6N4DQVJ6NULOB00D.html (Cited in http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20160621/1466514890

また、エドマンド・リーチなどがいうように、多くの文化において毛髪は性的エネルギー(精神分析風の言葉遣いをすればリピドー)の象徴とされている(Cf. 『文化とコミュニケーション』etc.)。だからこそ、日本文化においても、AKBの峯岸みなみの場合のように、〈丸坊主〉になるというのがお詫びのパフォーマンスとして機能するわけだ*2。また、毛髪のシンボリズムについては、本田和子先生の「「振り分け髪」の抄」(in『少女浮遊』、pp.59-88)*3をマークしておく。話を戻すと、「弁護側」のいう「女性の髪」へのフェティシズムというのは納得できるものではあるが、それと「性依存症」とは話が別だろうと思う。「依存症」は個人の責任能力を奪うものではない。検察側は事件を大胆に〈世俗化〉したといえる。検察側の主張に従えば、栗田良文はただのというか、ごくノーマルな、つまらないレイピストだということになる。こう主張するということは、「わいせつな行為をする様子をデジタルカメラで撮影した」画像を、検察側は物証として握っているということなのだろう。
文化とコミュニケーション―構造人類学入門 (文化人類学叢書)

文化とコミュニケーション―構造人類学入門 (文化人類学叢書)

少女浮遊

少女浮遊

やっぱり茶色!(食事中の閲覧は注意)

嘔吐などは自己責任!
朝日新聞』の記事;


バキュームカーの臭いをチョコの香りに 4社が共同開発

2016年9月29日18時43分

 紡績大手シキボウ(大阪市)や山本香料(同)など4社は29日、便を回収する衛生車(バキュームカー)から出る不快な臭いをチョコレートのような甘い香りに変える技術を共同開発したと発表した。

 シキボウと山本香料は2011年、悪臭を活用していい香りに変える香料の技術「デオマジック」を開発。おむつやペット用商品などの消臭剤に使われてきたが、ニーズのあった衛生車でも真空ポンプを動かす潤滑油に配合できるようにした。

 潤滑油は、共同開発にも関わった衛生車製造の東邦車輛(横浜市)が10月から販売し、1缶(20リットル)3万5千円の予定。小・中型衛生車で回収作業が約5回できる量だという。全国で回収作業をする事業者に売り込み、16年度は売上高約3億円をめざす。シキボウの担当者は「下水道など、ほかにも悪臭で困っている人は多い。今後も環境改善に貢献したい」と話す。
http://www.asahi.com/articles/ASJ9Y4TPJJ9YULFA01C.html

ほかにも応用対象は沢山あるわけだが、どうして「チョコレート」の香りなのだろうか。どちらも茶色だからだろうか。だったら、カレーの香りにしてみれば? と言ってみる。まあ日本人は日本語によって救われているともいえるよ。「衛生車」と「バキュームカー」。中国語だと、ずばり「糞車」だよ*1。それから、英語ではhoney wagonという言い方がある。蜜車。

脇田晴子

日本史学者の脇田晴子先生*1死去。
神戸新聞』の記事;


脇田晴子さん死去 文化勲章、西宮市出身

神戸新聞NEXT 9月28日(水)21時21分配信



 日本中世史の研究者として初の文化勲章を受けた滋賀県立大名誉教授の脇田晴子(わきた・はるこ)さんが27日午前11時11分、心不全のため神戸市の病院で死去した。82歳。西宮市出身。葬儀・告別式は近親者で行い、後日しのぶ会を催す。喪主は近世史研究者で大阪大名誉教授の夫修(おさむ)氏。

 1934(昭和9)年、20代続いた西宮の商家に生まれた。神戸大文学部を卒業後、京都大大学院博士課程で中世の商業史や都市史、女性史を研究。3児を育てながら橘女子大(現京都橘大)や大阪外国語大(現大阪大)の教授などを歴任し、石川県立歴史博物館館長も務めた。

 女性史研究では、女性が中世の活発な経済活動を家業の中心となって支え、京都・祇園祭につながる神事にも深く関わっていたことを指摘。従来の説とは違う新たな社会像を示した。後進のための女性史学賞の創設にも貢献した。

 幼いころから能楽に親しみ、芸能史も研究。アマチュア能楽師として舞台にも立った。2005年に文化功労者、10年に文化勲章。著書は「中世京都と祇園祭」など多数。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160928-00000013-kobenext-l28

脇田先生も、私(たち)に多くの課題図書を遺していかれたといえる。

『保守主義とは何か』など

木曜日、久し振りに日本で本を買う。

宇野重規保守主義とは何か 反フランス革命から現代日本まで』中公新書、2016

Maxine Hong Kingston『チャイナ・メン』(藤本和子訳)新潮文庫、2016
チャイナ・メン (新潮文庫)

チャイナ・メン (新潮文庫)

藤井直敬『つながる脳』新潮文庫、2016
つながる脳 (新潮文庫)

つながる脳 (新潮文庫)

村田沙耶香『しろいろの街の、その骨の体温の』朝日文庫、2015Milan Kundera『小説の技法』(西永良成訳)岩波文庫、2016
小説の技法 (岩波文庫)

小説の技法 (岩波文庫)

村田沙耶香『ギンイロノウタ』新潮文庫、2014
ギンイロノウタ (新潮文庫)

ギンイロノウタ (新潮文庫)

坂元ひろ子『中国近代の思想文化史』岩波新書、2016
中国近代の思想文化史 (岩波新書)

中国近代の思想文化史 (岩波新書)

東駿海鮮酒家(2015年6月)

2015年6月21日。
東駿海鮮酒家*1




線魚。










淮海西路*2