孫たち

http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20170514/1494724037に対して、


白クマ 2017/05/15 22:40

そういや西郷の「盟友」、大久保利通の孫の一人で大久保利春というひとがロッキード事件の丸紅ルートで訴追されたことがあったような。
http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20170514/1494724037#c1494855621

そうですね。でも、大久保利春氏については(私の検索の仕方が拙いのかどうか知りませんが)ネット上にはあまり情報がないような感じがします。Wikipediaでも、祖父の利通の項へと転送されてしまいますし。やはり利通の孫である歴史学者大久保利謙*1という人がいましたが、1995年に95歳で他界しています*2
さて、ロッキード事件が発覚した数年前、たしか1970年、昭和でいえば45年だったと思いますが、新聞で岩倉具視*3の孫が詐欺事件絡みで逮捕されたというのを読んだという記憶があります。当時小学生でしたけれど、500円札*4の孫か! と思いました。それから数か月後に、全く別の案件で、徳川慶喜*5の孫が逮捕されたという記事を読んだという記憶があります。ただ、その後、私も馬齢を重ねてはいますが、このネタをほかの誰かが言及しているのを読んだり・聞いたりしたことがないので、時々思い出しては、記憶違い或いは記憶の捏造なんじゃないかと思い悩んでいるということはあります。
さて、与謝野鉄幹与謝野晶子の孫;

財務相与謝野馨さん死去 政界屈指の財政再建論者

2017年5月24日17時01分

 政界屈指の財政再建論者として知られ、官房長官財務相などを歴任した与謝野馨・元自民党衆院議員*6が死去した。78歳だった。

 1938年、東京都生まれ。歌人与謝野鉄幹・晶子は祖父母。63年に東大法学部卒業後、日本原子力発電に入社。中曽根康弘元首相の秘書を経て、76年に衆院旧東京1区で初当選。当選10回。通商産業相や自民党政調会長のほか、第1次安倍政権で官房長官、麻生政権で財務相を務めた。

 自民党が野党転落後の2010年に離党。「たちあがれ日本」の結成を経て、11年には民主党の菅政権で経済財政相に就任。消費増税社会保障の一体改革のとりまとめに動いた。退任後は下咽頭(いんとう)がんを患った影響で声が出にくくなり、療養に専念するために12年に引退。自民党にも復党を申請し、17年4月30日付で認められた。

 13年春の叙勲では、旭日大綬章を受章した。
http://www.asahi.com/articles/ASG9V5137G9VUTFK00J.html

大道寺の死

NHKの報道;


連続企業爆破事件 大道寺将司死刑囚が拘置所で病死

5月24日 14時00分


昭和49年から翌年にかけて三菱重工の本社などが相次いで爆破された事件で、殺人などの罪に問われた大道寺将司死刑囚が24日午前、多発性骨髄腫のため東京拘置所で死亡しました。

昭和49年から翌年にかけて三菱重工間組の本社などが相次いで爆破された事件では、最も被害が大きかった三菱重工ビルの事件で8人が死亡し165人が重軽傷を負いました。

一連の事件で東アジア反日武装戦線の大道寺将司死刑囚(68)は殺人などの罪に問われ、昭和62年に最高裁判所で死刑が確定しました。大道寺死刑囚は「爆弾に人が死ぬほどの威力があるとは思わなかった」として再審=裁判のやり直しを求めましたが、平成20年に最高裁判所が認めない判断を示したため、改めて東京地方裁判所に再審を求めていました。

法務省によりますと、大道寺死刑囚は7年前に多発性骨髄腫と診断され治療を受けていましたが24日午前、収容されていた東京拘置所で死亡したということです。これにより全国の拘置所にいる死刑囚は127人となりました。
連続企業爆破事件とは
連続企業爆破事件は、昭和49年から50年にかけて過激派の「東アジア反日武装戦線」が起こしたものです。三菱重工三井物産、それに間組など海外に進出していた企業が標的にされ12件の爆弾事件が相次ぎました。

このうち昭和49年8月の三菱重工ビル爆破事件は、白昼、東京・丸の内のオフィス街で起き、昼休み中のサラリーマンら8人が死亡、165人が重軽傷を負いました。

合わせて8人が起訴され、大道寺将司死刑囚と益永利明、旧姓・片岡利明死刑囚が死刑判決を受け、確定しました。しかし8人のうち3人は、日本赤軍が海外で大使館占拠事件やハイジャック事件を起こした際に超法規的措置によって釈放されました。その後、1人は逮捕され有罪が確定しましたが、残り2人は現在も国際手配されています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170524/k10010993351000.html

大道寺将司さん*1自身に言及したことはなかったのだった。
東アジア反日武装戦線*2の爆弾テロは、石油ショック後のスタグフレーション新左翼における内ゲバ戦争ともに、1970年代の日本を陰鬱なものにしたといえる*3。さて、大道寺さんには若き日の華々しくも禍々しい爆弾テロだけでなく、その後の、獄中におけるかなり長い余生があったわけで、その間も、再審闘争以外に、(例えば『死刑確定中』のような)思索があり、また俳人としての文学活動もあったわけで、そうしたことを伝えない報道はやはりおかしいともいえる*4。また、大道寺さんを初めとする「東アジア反日武装戦線」については、松下竜一『狼煙を見よ 東アジア反日武装戦線”狼”部隊』をマークしておく。
死刑確定中

死刑確定中

Manchester Arena explosion

ハフポスト日本版編集部「アリアナ・グランデのコンサート会場での自爆テロ、関連する23歳の男を逮捕 犠牲者には8歳の女の子も」http://www.huffingtonpost.jp/2017/05/23/story_n_16763888.html
Kevin Rawlinson “Police report fatalities after explosion at Manchester Arena” https://www.theguardian.com/uk-news/2017/may/22/manchester-arena-police-explosion-ariana-grande-concert-england
“Manchester Arena blast: 19 dead and more than 50 hurt” http://www.bbc.com/news/uk-england-manchester-40007886


英国のマンチェスターで開かれていたアリアナ・グランデのコンサートの終了直後に爆発が起こり、最終的には22名が死亡、59名が負傷。コンサート会場におけるテロということで、どうしても2015年11月の巴里におけるテロを思い出してしまう*1


Ian Cobain, Frances Perraudin, Steven Morris and Nazia Parveen “Salman Ramadan Abedi named by police as Manchester Arena attacker” https://www.theguardian.com/uk-news/2017/may/23/manchester-arena-attacker-named-salman-abedi-suicide-attack-ariana-grande


警察当局は爆破事件の容疑者として、マンチェスター生まれでリビア系のSalman Ramadan Abediを逮捕した。(先日の倫敦ウェストミンスターの暴走事件のKhalid Masood *2と同様に)治安当局によって「周辺的な」人物として認識されてはいたが、特別の監視の対象とはなっていなかったという。また、マンチェスターリビア系コミュニティにおいては素行のよい青年として知られていたという。また、今回もISISが(勝手に)犯行声明を出しているが、Salman Ramadan AbediとISISが直接繋がっている可能性はかなり低いとされている。
また、


“Manchester attack: UK terror threat level raised to critical” http://www.bbc.com/news/uk-40023488

「自動ドア」と「蛇口」

「「自動ドアが反応しない人」の理由 影が薄い人…じゃなかった!」http://withnews.jp/article/f0170316000qqf2170206000qqF0G00110701qq000014797A
rong zhang*1「トイレの蛇口が反応しない…あの敗北感を前に、我々ができることは?」http://withnews.jp/article/f0170524000qqf2170328000qqF1W02310701qq000015245A


取り敢えず。

他人事?

朝日新聞』の記事;


「たかが二段、三段ごときが」 暴言男性を全柔連が処分

2017年5月23日18時30分

 全日本柔道連盟は23日、顔見知りの柔道選手らに暴言を吐いたとして、愛知県柔道連盟副会長の男性(66)を1年間の指導者資格停止と会員登録停止の懲戒処分にした、と発表した。

 全柔連によると、副会長は今年2〜3月、試合に出場した知人の女性選手に「八百長をしただろう」などと強い口調で言い、審判を務めた女性にも「お前なんかに審判ができるのか」と大声で言い立てた。また、別の女性選手には約3年間にわたり、「たかが二段、三段のごときが八段の俺に文句を言う」などと発言。他にも、複数の柔道関係者に対する暴言が発覚した。

 全柔連の調査に副会長は「そこまでひどいことは言っていない」と一部を否定したが、複数の人が言動を見聞きしていたことから処分を決めた。
http://www.asahi.com/articles/ASK5R5V36K5RUTQP022.html

記事のタイトルだけ見ると、「暴言」の主体は部外者、差別的な言動をしたサッカーのサポーターが出入り禁止処分を受けるということが屡々あるけれど*1、そういうものなのかと思ってしまった。しかし、記事の本文を読めば、「暴言」のため「処分」の対象となったのは身内の者というか、柔道連盟の幹部ではないか。
全柔連といえば、2013年に当時女子柔道日本代表ティーム監督だった園田隆二が選手たちに対するパワー・ハラスメントを当の選手たちによって告発されるということが起きた*2。その際に行われた緊急調査によると、

「家畜」「ブタ」「ブス」柔道女子への暴言、ここまで…


 柔道女子日本代表での暴力指導を告発した15選手への聞き取り調査をした日本オリンピック委員会(JOC)の「緊急調査対策プロジェクト」がまとめた報告書の一部内容が16日、明らかになった。監督、コーチ陣による選手への「不当行為」として、平手打ちなどの暴力や「家畜と一緒だ」などの暴言が認定された。また、この日は15選手の代理人を務める辻口信良弁護士が大阪市内で会見し、選手の最後の声明を発表した。

 「叩かれないと動けないなら家畜と一緒だ」「消えろ」「能なし」「ブタ」「ブス」。報告書は園田隆二前監督らによる侮辱的発言を認めた。

 調査はロンドン五輪代表を含む15選手から計20時間以上、7人の指導者からは計17時間以上の聞き取りで事実関係を調べた。園田前監督による一部選手への平手打ちなどの行為を確認。練習では棒やむち状のものを持ち、選手を威嚇するような行動があったという。負傷した選手の状態を考慮せず、試合出場や合宿参加を強要したとも指摘した。

 JOCは14日の加盟団体審査委員会で報告書を受け取り、青木剛委員長が「監督やコーチの言動、全柔連全体として女子選手に与えていた不当行為が確認された」と認定している。既に同委員会でまとめられた処分案は、19日のJOC理事会で最終的に協議される。

http://www.sponichi.co.jp/sports/news/2013/03/17/kiji/K20130317005410530.html


許されない…前コーチは寝技練習で口ふさぎ 虫の死骸近づけた


 柔道女子日本代表での暴力指導を告発した15選手への聞き取り調査をした日本オリンピック委員会(JOC)の「緊急調査対策プロジェクト」がまとめた報告書の一部内容が16日、明らかになった。監督、コーチ陣による選手への「不当行為」として、平手打ちなどの暴力や暴言が認定された。

 徳野和彦前コーチは寝技の練習で口をふさいだり、選手が嫌う虫の死骸を近づけたりする行為があったとしている。理由はどうあれ、指導の域をはみ出した行為があったのは間違いない。

 報告書はJOCから全柔連に対して改善勧告するように13項目にわたって提言した。対話による信頼関係の醸成、コーチ資格制度の確立や定期的な講習制度の導入、大会や合宿に医師を同行させるよう求めた。報告はJOCにも相談窓口の設置など10項目の改善を要求。問題が起きた際に競技団体が日本スポーツ仲裁機構での仲裁に応じる態勢づくりを促した。

http://www.sponichi.co.jp/sports/news/2013/03/17/kiji/K20130317005414890.html
Cited in http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20130317/1363531879

まあ、組織文化というものはたかだか数年の間には大きく変われないよということだろうか。

Martial law on Mindanao

“Philippines President Duterte declares martial law on Mindanao island” http://www.bbc.com/news/world-asia-40022529


5月23日、フィリピンのミンダナオ島*1のマラウィ(Marawi)という都市で比律賓軍部隊と(ISISに関連するとされる)イスラーム武装組織の間で武力衝突が発生した。武装組織は病院と刑務所を占拠し、カトリック教会などの建物に火を放っているという。現在露西亜に滞在中のRodrigo Duterte大統領はミンダナオ島に60日間の戒厳令を施行することを宣言した。
追加;


“Mindanao martial law could last a year, warns Philippine president” http://www.bbc.com/news/world-asia-40024120


60日間じゃ済まないよという話。 Duterteはミンダナオ生まれだった。

ポスト割り込み

承前*1

週刊現代元編集長「俺も週刊ポストの中吊り盗み見てたよ」」https://www.news-postseven.com/archives/20170521_557532.html


週刊新潮』と『週刊文春』の争いに「対岸の火事では済まされない」ということで『週刊ポスト』が介入。


ところが、業界のベテランはこの騒ぎに冷ややかだ。本誌と同日発売のライバル誌、週刊現代の元編集長・元木昌彦氏は、あっさりとこう言ってのける。

「俺だって、編集長時代はポストの中吊りを盗み見していたよ(笑い)。印刷所の人間を飲ませ食わせして、ポストの特ダネを事前に聞き出して慌てて追いかけたこともあった。発売日にポストの編集長から『ひどいじゃないですか』と電話がくるけれど、“お互いに企業努力”ということで話は済んだんです。

 この業界では、汚いと言われようが情報を取ったほうが勝ち。新潮が怒るのもわからなくはないけど、ほかに追っかけるニュースがあるだろうと。ちなみに新潮から今回の件でコメントを求められたのでそう話したら、ボツになったけどね(笑い)」

 なお、本誌が現代、文春、新潮の広告を盗み見たことは一切ない。そのことは、はっきり記しておく。

違憲判決

承前*1

Benjamin Haas “Taiwan's top court rules in favour of same-sex marriage” https://www.theguardian.com/world/2017/may/24/taiwans-top-court-rules-in-favour-of-same-sex-marriage
Nicola Smith “Taiwan's same-sex marriage ruling could cement its place as Asia's liberal beacon” https://www.theguardian.com/world/2017/may/22/taiwans-same-sex-marriage-court-ruling-asias-liberal-beacon
虎嗅網「台湾同性婚姻合法化、湾湾是如何成為亜洲第一「弯」的」http://news.ifeng.com/a/20170524/51156189_0.shtml


5月24日、台湾の司法院大法官は、婚姻を男女間に限定した現行の民法は意見であり無効であるという判決を下した。「婚姻平権」を規定した民法改正案はまだ可決されていないが、この判決によって、台湾は同性婚姻が憲法によって保護されるべき権利であることを司法当局が宣言した亜細亜で最初の国となった。
ところで、台湾では昨年の10月に台湾人パートナーとの婚姻を拒否された仏蘭西人が自殺するという事件が起こっていたのだった;


Nicola Smith “Professor's death could see Taiwan become first Asian country to allow same-sex marriage” https://www.theguardian.com/world/2016/oct/28/professors-death-could-see-taiwan-become-first-asian-country-to-allow-same-sex-marriage

See also


“Taiwan's same-sex parents: 'We're like any other family'” http://www.bbc.com/news/world-asia-40009412