「アフリカ」ではない

朝日新聞』の記事;


岐阜市で豚コレラ発生、殺処分 国内で26年ぶり
板倉吉延2018年9月9日07時50分


 岐阜県は9日、岐阜市内の養豚場で豚コレラウイルス陽性の豚が確認されたと発表した。県は午前6時すぎから家畜伝染病防疫対策本部を開いて対応を協議。対象の養豚場の豚は殺処分される。

 県によると、3日に岐阜市畜産課から県の中央家畜保健衛生所に、死亡豚1頭の病性鑑定依頼があり、病性鑑定と精密検査をしたところ、豚コレラの疑いが生じた。国の農研機構動物衛生研究部門(茨城県つくば市)に精密検査を依頼し、9日午前6時ごろ、陽性が判明した。

 養豚場は岐阜市内にあり、8日までに約80頭が死んだ。現在は繁殖豚79頭、肥育豚531頭を飼育。豚コレラの疑いのため、8日午前0時から豚の移動を自粛しているという。

 県は今後、24時間以内に養豚場の豚の殺処分をし、発生所の消毒、周辺養豚場での移動制限などを実施する。

 豚コレラは豚やイノシシに感染する病気で、国内の発生は1992年の熊本県が最後。人に感染することはないという。(板倉吉延)

     ◇

 農林水産省は9日、岐阜市の養豚農場において、家畜伝染病である豚コレラの発生を確認したと発表した。豚コレラは豚やイノシシの病気でも人に感染することはない。また、感染豚の肉が市場に出回ることはないという。発生した養豚場では豚の移動を自粛している。午前8時から、「農林水産省コレラ防疫対策本部」を開催する。

     ◇

 農林水産省は9日、岐阜市で発生した豚コレラについて、発生した養豚場の周囲にはほかの養豚場がないことから、感染拡大はなく、「封じ込めは可能」との見方を示した。
https://www.asahi.com/articles/ASL991QJLL99OHGB001.html

また、『岐阜新聞』の記事;

岐阜市の養豚場で「豚コレラ」 610頭殺処分へ
2018年09月09日 23:22


 岐阜県は9日、岐阜市の養豚場で豚が相次いで死に、農林水産省が精密検査をした結果、家畜伝染病「豚(とん)コレラ」のウイルスが検出されたと発表した。県は飼育する残りの610頭全ての殺処分を開始。埋却や消毒も含めて防疫措置は3日ほどかかる見通し。人に感染することはない。

 国内で豚コレラが確認されたのは1992年、熊本県で発生して以来26年ぶり。県や農水省は感染ルートを調べている。農水省は豚肉の輸出を停止した。

 県によると、今月3日に豚1頭が急死したとして、同養豚場が岐阜市を通じて県に検査を依頼。県は解剖し「豚コレラに似た剖検(ぼうけん)」を確認したため、3日と5日に検査を実施、いずれも感染は確認できなかった。しかし7日の検査で陽性反応があり、8日に豚コレラの疑いが判明。国に精密検査を依頼し、9日に感染を確認した。

 県によると、同養豚場は4〜8日にかけて計約80頭の飼育豚が死んだにもかかわらず、県や担当の獣医師に報告していなかった。この間、5日まで、豚の出荷を続けていた。豚の頭数を管理する台帳も作成しておらず、県は豚コレラで死んだ疑いのある豚が何頭いるのか正確な数を把握できていない。およそ80頭の死骸は豚舎に放置されており、殺処分した豚と一緒に埋却する。

  9日朝、県職員らが同養豚場に入り、防疫対策に着手。10日午前6時までに養豚場の豚全てを殺処分、12日午前6時までに敷地内への埋却や消毒を行う。

 県は同養豚場から半径3〜10キロ圏内にある養豚場3カ所(計1012頭)を搬出制限区域とし、区域外への豚の搬出を禁止。また10キロ圏内に現場を含む6カ所の車両消毒ポイントを設置した。

 農水省は専門家でつくる原因究明の調査チームを県に派遣。また野中厚政務官が古田肇知事と面談し、現場の状況を聞き取った。

 豚コレラはアジアを中心に広く発生しているが、今回確認されたウイルスは今年中国で初めて発生して感染が拡大している「アフリカ豚コレラ」とは異なるという。

 【豚コレラ】豚やイノシシが感染するウイルス性伝染病。感染力が強く、致死率が高い。感染すると発熱や食欲減退、歩行困難などの症状が現れる。感染した豚やイノシシの接触、唾液や排せつ物などに汚染された物を通じた接触により感染が拡大する。人には感染せず、感染した豚の肉を食べても人体に影響はない。県などによると、国内では1888(明治21)年に北海道で初めて発生、昭和30〜40年代にかけて全国的に拡大したが1969(昭和44)年に生ワクチンが開発されてから激減。92年に熊本県で確認されたのが最後で、国は2007年に「清浄化」を宣言した。岐阜県内では82年5月に関市で発生して以降、確認されていなかった。

https://www.gifu-np.co.jp/news/20180909/20180909-72538.html

See also


農林水産省消費・安全局動物衛生課「豚コレラについて」http://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/csf/
岐阜県農政部畜産課「豚コレラについて」https://www.pref.gifu.lg.jp/sangyo/chikusan/kachiku-eisei/11437/tonkoreranistuite.html



東欧→露西亜→中国という感じで東漸している「アフリカ豚コレラ*1とは別物であるわけだ。「アフリカ豚コレラ」については、


木村正人*2「中国で3万8千頭の豚が殺処分「死の病」アフリカ豚コレラが中国と欧州で拡大 清浄国の日本も警戒」https://news.yahoo.co.jp/byline/kimuramasato/20180904-00095681/


それから、9月14日付の記事;


野生のイノシシ死骸から豚コレラ 岐阜市
2018年09月14日 10:53


 岐阜市の養豚場から家畜伝染病「豚(とん)コレラ」に感染した豚が見つかった問題で、県は14日、同養豚場から半径10キロ圏内の同市内で見つかった野生のイノシシの死骸から、豚コレラウイルスの陽性反応が出た、と明らかにした。農林水産省に検体を搬送し、より詳しい遺伝子検査を行う。県は発見場所から半径10キロ圏内を新たな調査区域に追加。全市町村や県猟友会と協力し、イノシシについて情報提供を求めていく。

 県によると、13日午前に住民からイノシシ1頭が道路脇の水路で死んでいると岐阜市に通報があり、市が県に連絡。県中央家畜保健衛生所が遺伝子検査をしたところ、14日早朝に陽性反応が確認された。死んだイノシシは体長約1メートルの成体のメス。

 県は県内全市町村や県猟友会に対し、死んだり捕獲されたりした野生イノシシの情報提供を依頼。豚コレラが発生した岐阜市の養豚場、同養豚場からふんなどが搬入された同市内の堆肥センターに加え、死んだ野生イノシシの発見場所から半径10キロ圏内も調査区域に追加し、県の環境パトロールを強化する。

 今後、調査区域内で捕獲または死んだ野生イノシシはすべて検査。区域内の豚・イノシシ飼養農場9カ所はこれまで同様、飼養豚に異常がないか調べ、必要に応じて検査を行う。飼養農場から県へ1日2回の定期報告や緊急報告も行う。

 県は14日午前9時から、第4回家畜伝染病防疫対策本部員会議を開催。本部長の古田肇知事は「新たな展開になった。野生イノシシは動く検体。隣県との連携もあり得る。緊張感を持って取り組んでほしい」と指示した。

 県によると、通常、イノシシの移動範囲は2、3キロで、県内には大まかな推計値で2万頭以上が生息しているとされる。
https://www.gifu-np.co.jp/news/20180914/20180914-73969.html

See also


板倉吉延、室田賢「豚コレラ、野生のイノシシから陽性反応 岐阜」https://www.asahi.com/articles/ASL9G34MGL9GOHGB003.html


今年5月の千葉県旭市の事例は「陰性」;


千葉の養豚場、豚コレラ「陰性」 農水省が精密検査
2018年5月24日07時53分


 千葉県内の養豚場で豚が死んだり下痢をしたりしているのが見つかり、千葉県の検査で家畜伝染病の「豚コレラ」の疑いがあるとされたが、農林水産省は24日、精密検査の結果、豚コレラは「陰性」だったと発表した。

 農水省によると、この養豚場では死ぬ豚が増えている状況でもないという。同省は引き続き死因を調べる。

 豚コレラは、豚やイノシシが感染する病気で致死率が高い。ヒトに感染することはない。国内では1992年に熊本県で発生したのが最後で、その後、確認されていない。
https://www.asahi.com/articles/ASL5S2DVNL5SUTIL001.html