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 はじめに

2008/11/06(木)

オバマ次期米国大統領のもとで米国はどのような政策をとるだろう

 あまりに大きなテーマなのでおよそ私など適任ではないが、適任ではない人でも自由に発言できるのがネットの良さ。ということで簡単に書いてみたい。

 オバマ氏は次期米国大統領として選挙期間中から世界各国の人々の支持を集めていた。cf.世界はオバマ氏支持49%、マケイン氏圧倒…BBC調査 : 米大統領選 : 特集 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)BBCが9月10日に発表した調査結果に関するもの)、【米大統領選】日本人の支持率66% オバマ氏、世界の支持集中 - MSN産経ニュース(米国の世論調査機関ギャラップ社が10月21日に発表した調査結果に関するもの)

 しかし議会により一定の統制を受ける民主主義国である以上、大統領が変わったからといって極端に政策が変わりうるものではないだろう。いかに米国大統領が(たとえば日本の首相などと違い)権限が強大だとはいえ、他国との関係・経緯から外交政策にはある程度の一貫性が要求されるし、外交に限らずとりうる政策の幅というのは自ずと限定される。現状から何かを悪化させるのは簡単だが改善させることができる範囲は限られている。

 熱狂的な支持の広がりの報道に触れていると、そのことを米国国民や世界の人々は十分に認識していないかもしれないと感じる。オバマ次期米国大統領は民主党の候補者であり、民主党は伝統的に保護主義的立場をとる。保護主義というのはくだいていえば関税を上げるなどして(米国)国内産業を保護しようとするもので、食料自給率の低さ(参考:農林水産省/日本の食料自給率)からもわかるように世界の自由な貿易が確保されることに国の存立基盤をおく日本としては、あまり受けいれがたい立場といえる。

 くわえて日本はクリントン政権時代にジャパン・パッシング(ジャパン・バッシング=日本叩きを越えた、日本軽視・無視)といわれるほどの扱いを受けており、オバマ次期米国大統領は(「ブッシュ・マケイン経済」というものと異なるものとして)「クリントンオバマ経済」というものをアピールしている*1ほどだから、今後の米国との関係は厳しいものになることを覚悟しておく必要があるのではないだろうか。

 もっともジェラルド・カーティスコロンビア大学政治学教授が既に2004年の時点、つまり前回の米国大統領選の時点で

しかし、クリントン政権のジャパン・パッシング(飛ばし)は行き過ぎと民主党内にも反省があった。ブッシュの対日アプローチの青写真「アーミテージ・リポート」は実は共和、民主両党の人たちを含むグループによって書かれた。民主党ホワイトハウスを勝ち取ったとしても、このリポートが対日政策の基本として採用される可能性は大いにある。

RIETI - 変わらない米外交政策

 とRIETI - 変わらない米外交政策で述べているように、民主党政権であるオバマ政権になったからといってそれほど外交・経済政策上の対日姿勢は変わらないかもしれない。

政権が代わっても国益は変わらないので、外交の基本は大きくブレない、と歴史は示しており、これからもそうだろうと思うという記述も含め上記のカーティス教授の文章には頷くところが多かった。

 大規模な近代国家は機構として機能しているのだから、大統領という個人の資質や手腕に過度の期待を置くべきではない。そういう意味で現状はやや危険な気がする。集団的な熱狂と個人崇拝の弊害は多くの国が失敗の経験として学んでいる。自国のことではないならなおさら一応の距離を置いて見守るべきだろう。

 だが、現時点でオバマ次期米国大統領が世界各国の人々の支持を集めているということ自体が、たとえイメージに対する漠然とした支持にすぎなくても、米国にとっては今後の広義の外交上の大きな利点になるだろう。

 このオバマ次期米国大統領への支持が、米国をターゲットとして敵視するやみくもな反グローバリズムやテロリズム、各国内の排外主義的な動きを弱める助けになればと思う。

 日本人としてはさしあたりYes you can - finalventの日記に示されているような、オバマ次期米国大統領の(米国人にはありがちな)日本との関係に関する歴史認識に留意しつつ、対日姿勢を見守っていきたい。

 もっとも、少なくとも中期的には、米国と協調しないという選択肢は日本にないのだろうけれど。

*1:これはニューズウィーク日本版に掲載されていたのを読んだのだったと思うが確認していないので、その程度の信憑性だと思ってほしい