「裁判員になり司法に風穴を」朝日新聞1月21日「声」欄から 北九州市Tさん

 裁判員制度なんて面倒くさい。法律もよく分からない一般市民が、なぜ裁判に参加しなくてはならないのか。その考えは一つの理不尽な判決で覆された。
 一昨年の夏に福岡市の元職員が起こした飲酒運転による追突事故に対する判決である。この事故で、幼い3人もの命が奪われた。追突後、加害者は逃走し、友人に身代わりを頼んだり、大量の水を飲んでアルコール濃度を薄めたりしていた。
 これほどの重罪を犯していながら、「危険運転致死傷罪」は適用されず、福岡地裁の判決は懲役7年6ケ月だった。あきれた。憤った。飲酒運転撲滅に対する思い、亡くなった子供たちの命の重さ、親の無念を考えると、世論は納得しないのではないか。
 裁判員制度は、一般市民の感覚からかけ離れた判決を少しでもなくそうというのが、導入の主な理由だと思う。ならば、可能な限りこの制度を利用し、法曹界に少しでも一般市民の感覚を与え、風穴を開けたいと考える。

「裁判員になりました 疑惑と真実の間で」原作・毛利甚八 作画・幡地英明 監修・発行・日本弁護士連合会 2007年

 2009年、裁判員制度スタート!裁判に、あなたの良識が必要とされています。
 市民が裁判に参加するのは、無実の市民を罰することを防止するために重要なのだそうです。こわいのは「冤罪」さまざまな経験や知識をもった市民が、その良識にてらして「疑問の余地はない」と確信してはじめて、有罪とする。
*「無罪の推定」
 刑事裁判で有罪が確定するまでは「罪を犯していない人」として扱わねばならない。これは世界人権宣言や国際人権規約に定められている刑事裁判の原則であり、憲法によっても保障されている。
*「合理的な疑問を残さない程度の証明」
 裁判で「人を裁く」のではない。検察官が「合理的な疑問を残さない程度」の証拠を提出したかどうかである。

++どうして「悪い人」の弁護をするのでしょうか?
 弁護人は刑事裁判において、疑いをかけられた被告人の弁護をします。
 捜査の対象となったり、刑事裁判を受けることになったり、あるいは、すでに犯人であるかのような報道がなされたりしても、本当にその人が犯罪を行なった「悪い人」であるとはかぎりません。
 弁護人の最も重要な使命は「冤罪」の防止です。(中略)
 あなたや、あなたの大切な人にいわれのない疑いが向けられたとき弁護人は、最後の一人になっても、ベストをつくします。

「心に届く話法 訓練  裁判官・検察・弁護士」朝日新聞1月13日

 「米国の専門家と合宿 アナ招き発声法研修   裁判員時代」
 法律の素人中心の裁判員にどう訴えるかが重要になる裁判員制度。導入される09年春が近づき、裁判官も検察官も弁護士も、話し方や説明能力を磨く訓練を始めた。外国から専門家を呼んで合宿したり、模擬裁判で映画キャラクターを引き合いにしてみたり、「わかりやすい裁判」への試行錯誤は続く。
 「動かないで左右均衡に立って、両手は胸の下で合わせる!」「これは『会話』なんですから、メモを読まずに証人の目を見て」
 12日、東京都新宿区の早稲田大キャンパス。日弁連主催の「法廷弁護指導者養成プログラム」は、2泊3日の缶詰め合宿の初日を迎えた。米国人のマイケル・ケリー弁護士が身ぶり手ぶりを交えて「ダメだし」を繰り返した。(中略)
 受講生たちを戸惑わせたのが「〜しましたか」「〜を見ましたか」という質問への「禁止令」だった。「こういう質問からはイエスかノーしか引き出せない。その代わり『説明してみてください』『教えてください』を使ってください」とケリー弁護士。(中略)
 熊本地裁では去年11月、模擬裁判が開かれた。恋人を包丁で刺し殺した女が殺人罪に問われたという設定だ。
「包丁で2回刺したのだから、明確な殺意に基づいた犯行だ」と検察官は訴えた。すると、弁護士は女の自己防衛としてこう反論した。「1回刺されたのに、男は女のほうへ向かっていった。『ターミネーター』みたいなやつ、誰だって怖いでしょ」。弁護士は被害者を映画キャラクターに例えて女を擁護した。(中略)
 岐阜地裁は昨年6月、岐阜放送のアナウンサーを招いて「人をひきつける話し方」を研修した。裁判官ら約50人が参加。まずは複式呼吸による発声法。(略。早口言葉など)

なんか、変じゃない?

 「話し方」レベルの技術じゃないと思う。裁判がわからないのは、使う言葉が難しいし、また、難しくなければ法廷の権威が保てない。本当に「悪いやつ」の被告人になめられる。
 説明してくれればいい。
 また「争点」がわからない。絞り方が下手なんじゃない?専門家は慣れているからわかるだろうが、素人にはさっぱりわからないのです。技術よりも誠実にわかってもらおうとする態度やと思う。

 

一週間たてば別人

 一週間もステイに行けば別人になる。もちろん家にいてもどんどん退化する。ただしそれが目に見える。ステイに行っている間は見えないから あれ!こんなこと できないか?と別人のように見える。