西内啓『統計学が最強の学問である』

統計学が最強の学問である

統計学が最強の学問である

朝日新聞(2013年3月17日)書評欄より。

挑発的なタイトル。統計学を「最強の武器」と位置づける。「どんな分野においてもデータを集めて最速で最善の答えを出すことができるから」と。一方、広告会社がプレゼンに使うような「統計」はむしろうさんくさく見えることがある。「しょせん統計」と我々は言いがちかもしれない。当てにならないという意味で言及されるわけだが、実際の統計学は「どの程度当てにならないか」自ら述べる力がある。そして、今、研究の諸分野、政策立案の諸分野、経営判断の場でも、必須の知識と方法になっている。これを知らずにいると、個々人の問題としては確実に損をする。著者に言わせれば「合法的な詐欺の被害者になっても文句は言えない」。(評・川端裕人