番外編 -おれらの基本スタイル-

投稿者:イチゴウ




今回はおれらの旅の基本スタイルについて書きたいと思う
まぁ基本スタイルとか言っても
おれらは常にバイクに乗ってるわけで
スタイルってのもバイクの乗り方についてだ





おれらは前にも述べたが二人乗り、いわゆる“ニケツ”でいざハノイへと向かったのだが
単に日本でカップルが中型に乗ってるように二人で乗ったら良いわけではないし
小型バイクに親子で乗ってるようにしたら良いわけでもない
あくまでもおれらは旅行者なのだ
そう、つまりどうしても荷物がつきまとう
しかも二人分
しかもおれは一人前に日本で大層なバッグパックを買って行っていた(ロフトで三千円もしなかった)
これが相当使いにくい!
もう一回言おうか、使いにくい!!!んです。
もうこの値段相応の使いにくさと外見を備えた彼を
オオマエはもちろん、おれまでもがうざがったのは言うまでもないだろう
このクソでかい荷物1つと
オオマエの小分けリュック2つをおれらは運んでいたのだ
もちろん足せば重量は子供2人分、体積は大人2人分はゆうにあった



で皆さん我らがよしこのお姿を覚えてるだろうか
これだ



愛くるしい彼女であるが、
おれらはこの彼女にどうまたがっていたか
これを説明しよう
まず前のやつが小さいカバン(オオマエのやつ、ホーチミンで買ったいわくつきのやつ;No.8 参照)を
よしこのハンドルの下方にある鉄製の金具に結びつける




ちなみにこれを思いついたのはニャチャーンからで
おれらはニャチャーンの市場で手頃なヒモを買い付けた
このときに一緒にベトナムの珈琲のドリップ器を買ったのだがこれはまたおれのグルメコーナーでまとめて話そう
とにかくこれを思いつくまでは相当荷物に困っていた


そして結びつけたあと、オオマエのもう一つの荷物を体の前側に背負うのである
さながら海外旅行に行った時の日本人パパのような状態だ







これが前のやつがすることなのだが、
じゃあその間後ろのやつはどうするのか




後ろのやつはまず選曲から始まる
何を洒落たこと言ってんだ!と思うかもしれないが
この作業、案外大事なのである
古来から人は音楽を通して自分を表現したり
また音楽により影響を受けたりしてきた
俺たちもまた然りである



選んだCDによってテンションが変わり
そしてまたよしこもスピードを変えるのである
いやー音楽って素晴らしい!
しかもその傾向は、オオマエが運転する時、如実に現れるのだ
ハイテンポの曲になるとスピードくわぁーなって
もうトラックを抜く勢いですよ
しかも彼乗っちゃうと首振ってるんです
いやー怖い怖い
何が怖いってこの選曲が怖い
だってかかってんだもん
この自分が選ぶ一曲に命がかかるだなんて・・・
皆さん、今までにこの自分のをかけた選曲なんてしたことありますか?
いやーないでしょう


アルバムを1枚選ぶのに
曲を1曲選ぶのに
あれほど苦悩した事はあの時まで、そしてもちろんあれからもなかった!!
こんな苦悩を皆さんはもちろん、そしてオオマエも知らずにこれから生きていくでしょう
いや生きていって欲しい
そう願っています


まぁこのように(おれにとっては)非常に大事な選曲を終えた後
オオマエが持ってきたスピーカー(No.7 参照)にそれをセットし、後ろのやつは荷物を背負うわけです
これは普通に体の後ろ側に背負うわけですが、
この荷物、非常にでかくて重い!
とにかくうっとうしい!
まぁ前述したとおりおれの荷物ですが
これを背負うわけです



そんな2人が乗り込むんですから
よしこは四人分乗せて走り続けてるわけです
いやー今更ながらよしこのすごさには感動を覚えますね



そして走り出すんですが
乗り込む順番は前のやつ、後ろのやつとなり
後ろのやつは乗り込んだ後、しっかりと前のやつの腰に手を回すわけですね
全くもって気持ち悪い事この上ないです☆
クソ暑いのにクソ暑苦しいおっさんが2人抱き合ってるんですから
そんな醜態をベトナム中に見せつけ走り回っとったわけです



ただ後ろのやつは両腕で抱きつくわけではありません
片手で先ほどのスピーカーを肩に担ぎ走るわけです
まるでアメリカ西海岸を走る黒人のようです
今にも重低音が聞こえてきそうでしょう
ただこの地味なスピーカーの重さ
だんだんと効いてくるんです
30キロくらい走ってくると、「あれ手が・・・」
となるわけです。
しかも大問題
このスピーカーの音ほぼ聞こえちゃいないんです






い、意味ねぇ〜





となるわけです
まぁびゅんびゅんと飛ばして走ってるなか、風の音できこえるわけはなく
ましてやよしこは原付ですから、エンジン音も邪魔するわけです
聞こえるわけありませんね
が、当時私達はそれを気持ちだけでそうパッションだけで乗り切ったんです
聞こえてる・・・とね
いや!
いやもうあれは見て見ぬふりをしてたんです!
白状します!神様許してください!
え、じゃあオオマエは何の音に反応してたん?!と思う人もいるでしょう
しかし、それは今のおれにも分かりません



まぁそんなこんなでおれらはベトナムを渡っていったわけです










【おまけにおれらの基本スタイル、ファッション編】
こんな感じ↓






以上!(説明は不要でしょう)