長野ソフトウェア技術者グループ(NSEG) コンセプト会議 私的不完全議事録

いよいよ長野でも IT 勉強会が発足することになりました!

去る 2 月 11 日に長野市で「第 0 回」として、今後の進め方を話し合う回が開かれました。今後ローカルな勉強会を開催しようという方のお役に立てればとの思いで、当日行われた「コンセプト会議」の議事録をここに公開します。

過去の「私的不完全議事録」同様、すべての発言を拾っているわけではありません。また、言い回しなどは完全に再現していません。なお、発言者の皆さんにこの原稿を事前に見ていただき、公開の許可をいただきました(期日内にご連絡をいただけなかった方はイニシャルで表記しました)。原稿チェックをしてくださった皆さんに感謝します。


岡本  まずは id=Nagano (アイディ・ナガノ)の話を聞かせてください。

ハラ  当初は Web 制作をしている知り合いがいなかった。S さんから仕事の依頼があったことがきっかけ。仲間を増やしたいと思った。2005 年の春に mixi で仲間を募り、キックオフミーティングで 10 人集まった。サイトを作り、関わってくれた人の知り合いで講師を引き受けてくれる人が現れた。現在 mixi に 250 人。勉強会は年に 2〜3 回、各回 30〜40 人来る。人の横の繋がりができて仕事が増えた。仕事ごとにパートナーができたのが、やってよかったこと。気をつけなければいけないのは、内輪で固定化しないようにすること。新しい人が入って来やすいように工夫する必要がある。

岡本  自分も 2 度ほど参加したが、全く知らない人が突然来るのは難しいと思った。

ハラ  パブリックな感じで情報を発信する必要がある。

小林(思)  会の目的は仕事の繋がりを求めていた? それとも個人のスキルアップ?

ハラ  業種を特化していない。営業、ディレクター、デザイナーといろいろいる。技術的なことはあまりしていない。心理学的にどんなデザインが受け入れられるかなどの話、作る上の気持ちや見方が中心。

岡本  やっていく中で難しいことは。

S  技術講習会のようなことはできなかった。Web を仕事にしている人がほとんどなので、長野の人が技術を伝達するという形は取れなかった。スキルで食っているので、そういう講習会を開催しにくかった。

ハラ  同業者だがライバル。コンペで使うこともあるので、講師にとってメリットがあるかどうかは別問題。このことは最初から想定していたので、最初から県外の人(東京のディレクター、大学の先生)にならざるを得なかった。

S  サイトを持っていたのは大きかった。やってきたことをアーカイブとして残し、紹介するのはよかった。

ハラ  勉強会は天野さんに 2 回やってもらっている。技術的な講習会は天野さんにやってもらったのだけ。

岡本  id=Nagano 的な立場から、この会に求めるものは。

ハラ  横の繋がりを持ちたいということですよね。

岡本  講習会をやりたいという声もあったので、外向けの発信も大事なのかなと。

S  プログラマーの集まりはどんなことをしているのか。

春原  数日前に(楽天の)よしおかひろたかさんが「飲み会ドリブン」という話をしていたが、飲み会をやる口実としての勉強会、という側面はある(会場笑い)。あとは、オープンソースの精神。出せば出すほど自分の得る物が大きいことをみな肌で感じているのでは。

大日向  (Genesis Lightning Talks Vol. 13 開催のお知らせページを表示しながら)参加したことはないが、これは面白そうだと思って見ている。月一くらいのペースで開催。1 人 5 分の持ち時間で話す。毎回お題を決めて LT をやってみようという集まり。今回は区民センターだが、居酒屋でやることもある。(Programming Tools and Techniques のページを表示しながら)これは割とアカデミックなもの。(Ruby VM の)笹田さん。都内の大学を持ち回りで月一でやっている。どちらかというと研究会。話者が 1 人か 2 人、自分の専門分野の話をする。毎回 10〜30 人が聴きに来る。次は 2/18 に早稲田大。(1000 人スピーカプロジェクトのページを表示しながら)カンファレンス慣れしていない人のために発表の場を設ける。これが 1000 人分くらい蓄積すれば IT の世界は変わるだろう、というコンセプトで開かれたが、主催者が忙しいので最近は中断している。なので、1 人に負担がかかるやり方はマズいだろう。(高専カンファレンスのページを表示して)IT、工業デザインなど、発表を通じて技術者同士の交流を図るもの。開催のノウハウも Web にまとめて共有している。開催で特徴的なのは、毎回やる人が違うこと。決まった主催者がいない。1 人に集中しないのでノウハウの蓄積が重要。

岡本  主催者が固定しないのは大事だと思う。自分がいなくなるから言うわけではないが(会場笑い)。ボランティアをやっていたが、主催者の大部分が同時に卒業して立ち消えになってしまった。あと、形式はカンファレンスが多いのかなと思う。話す場を提供するということに重点を置いている気がした。では、僕らは何をするかという本題に。

(ハラさん、S さん退席)

岡本  叩き台を考えてきた。参加対象は IT 技術者でよいか。

小林(思)  id=Nagano のように違う分野も巻き込むか。ソフトウェア工学をやっている人も含めるか。

天野  Web という共通点があるのならともかく、そうでないならあまり広げないほうがいいのでは。そもそも IT とはどこまでなのか、技術者と IT 技術者の違いは。

小林(思)  僕と岡本君と大日向君で想像した「IT 技術者」は、(会場を指さして)このくらい(笑)。

岡本  機構でもないし、電気でもない。

小林(思)  id=Nagano がデザイナーの集まりとのことだったので、今回は IT 技術者というくくりで集めた。

岡本  皆さんの属性を思いつくまま言っていく。プログラマー、学生。

@key_  プログラムをやっている人が多いかと思う。

瀧本  情報系?

岡本  情報系学生、情報系社会人。組み込み技術者。Web、アプリケーション。こんな感じか。参加対象は「ソフトウェア技術者(組み込み、Web、アプリケーション)」ということでよいか。(会場、異論なし)

岡本  外向けの勉強会ということで面白いと思ったのは、人に教える、興味がある人に対して教えるという点。毎回外向けというのも大変だと思うが。範囲のアイディアとしては。

瀧本  情報系の高校の学生が文化祭に来てくれたことがあるが、レベルが高いと思った。長野吉田高校の部活の子だった。あとは長野工業高校か。そういうのも引き込めれば。

小林(隼)  専門学校とか。就職をしたいという集まりなので、企業と関われるのなら興味を持つと思う。

大日向  オープンソースカンファレンスは、日本電子専門学校でやったことがある。学生が刺激を受けるというのと、学校の名前が売れるから。割と専門学校の学生はそういう場に出ているのではないか。貪欲かもしれない。

伊藤  ロボカップジュニアは規定で 20 歳以下。小学生も出る。

大日向  そういう子供たちを指導する大人は興味があると思う。親とか、学校の先生とか。あと、ツイッターを見ていると、会社の仕事とは無関係に興味でやっている人がいる。そういう人が来られるくらい気軽なほうがいい。

小林(思)  さっき「飲み会ドリブン」という話があったが、腰が重いと続かないし。

岡本  天野さんと最初に話した時、デザインなどで職業でパソコンを使ってはいるけれどあまり深くは使っていない人という話が出たが。

天野  具体的にはデザイナーなどが出ていたと思うが……

岡本  デザイナーの人と仕事をしている中で、git でバージョン管理していたおかげで不慮の事故から仕事を守ったという話を聞いたが、そういう技術支援というのはありか。

天野  ありだと思う。勉強会で話せる範囲だとすると、技術者でない人のための、技術者から見たライフハック

@key_  情報系の学生でも、モチベーションの高い人とそうでない人がいる。何かやりたいけれど何をしていいか分からないという人がいる。先生も、教育には熱心でないこともある。技術的な単語を見てピンと来ない人もいる。そういう、あまり詳しくない人をどこまで取り込めるか、詳しい人がどこまで満足できるか、その辺のバランスを考えないといけない。

岡本  自分がソフトをやっていて、専門家じゃない人の役に立った経験は。

春原  社会保険労務士の父が、ある会社の給料計算を請け負ったが、計算が面倒で Excel ではもうやりたくないと言うので、Win32 のアプリケーションを 1 週間くらいで書いて印刷までできるようにしたことがある。

 町の主催で農業従事者の講座などをやるが、Excel などを教えてもすぐにいじって壊してしまう。そういう人向けの受け皿などがあるといい。

小林(隼)  ウチも IT 企業だが、経理から「こういうのがあるといいんだけど」という声をもらう。IT の現場では常識的だが、そうでない人もいるという視点をもらえる。そういう、関係ない人を呼ぶのも、ヒントを得るいい機会になるのでは。

岡本  「こんなのあったらいいな、夢のソフトウェアアイディア出し大会」とか(笑)。そういうのをいっぱい集めたら面白い発想が出るかもしれない。人数規模は、多くても 50 人くらいかというのが自分の感覚だが。

小林(思)  アットホームにするのか、アカデミックにするのかにも関連すると思うが、私はアットホームに飲み会ドリブンでできればいいと思う。20 人でも多いかな。

春原  第 1 回から続けて参加しないと着いていけないというのではなくて、いつでも誰でも参加できるようにするのか。言うなれば、連載形式ではなくて読み切り形式。

岡本  例えば C 言語を使う人だけで集まることがあってもいい。

小林(隼)  そうするとクラスタ同士の発表会もできる。

岡本  勉強会のハブですね。

春原  形式や主催者、内容が毎回変わるのであれば、人数をここで定義する意味を自分はあまり感じない。

岡本  2 部屋同時開催とか。アンカンファレンスという形式があって、当日まで発表者が決まっていないというのもある。いろいろな形式がありますね。あと、集まるのではなく、オンラインでオープンソースプロジェクトのようにやるのもいいかと思う。僕はオンラインで一緒に何か作りたい。頻度は年に 2〜3 回くらいか、毎月か、毎週か。無理のない程度というと、どのくらいか。

春原  学生と社会人では忙しい時期が違う。学生は忙しい時期が決まっている。

岡本  学生だけの合宿をやってもいい。

春原  東京だと朝勉強会が流行っている。

西沢  朝やると終わる時間が決まっているのでメリハリがつく。

小林(隼)  外資系だと会議は朝やるところが多い。

岡本  毎月1回、休日にやるということにしましょうか。形式についてもう一度。

天野  12 月になると「アドベントカレンダー」と言って、1 日から24 日まで、毎日ひとりずつ記事をアウトプットしていくというのがある。よくあるのが、技術系の記事をある集まりで 12 月くらいに出そうというのをやっている。そういうのもいいかな。同じ言語が書けないと難しいが、どこかにひとつお題になるようなソースコードがあって、それを何人かで数行ずつ手を入れていく。

岡本  id=Nagano として発信しているサイトがありますね。

天野  ある。主に原さんと S さんを中心として取材に行って、「長野の Web を楽しく」ということで、id=Nagano に集まってきそうな人にインタビューして id=Nagano として出しているはず。

岡本  主催者が毎回変わっても、勉強会をひとつのグループとして何か発信できたら面白いと思う。

小林(思)  コンテストみたいなものをやるのも面白い。次回のお題を出して、みんなで作ったものを発表する。

岡本  以前セカンドライフに住んでいたことがあるが(会場笑い)、5×5 のスライドパズルを解くプログラムのコンテストなどがあった。セカンドライフはサーバーが重いので実行時間がかかるが、アルゴリズムを工夫して速くする。

天野  「実行速度が速い人の勝ち」部門と、「作った時間が短い人が勝ち」部門と、「短いコードが勝ち」部門があってもいいかも。

岡本  学生の皆さんは新しい技術を社会人から学びたい? 新しい技術を知っているのはむしろ学生さんの方じゃないかという声もあったが(笑)。

小林(隼)  高専 OB として技術的なアドバイスをすることがある。部内のシステムなどをタダでやっているが、タダでやるメリットは、ふだん動いているサービスにパッチを当てたりバージョンアップしたりするとき、部活のサイトなら 2 時間くらい止まってもいいじゃん、タダなんだから、と言って動作確認できること。趣味の範囲でやっているもので検証ができれば。そういう情報も共有できたらいい。

西沢  社内に Win 環境しかないので、UNIX 環境で何かやってみたい。あと組み込み。

岡本  次回開催日を決めたい。

小林(隼)  4 月サービスインのサービスが多いので、年度末は毎日会社で合宿しているような感じ(笑い)。

春原  3 月上旬ってもんですかね。

(多数決で 3/13 (土)に決定)

大日向  今出た案の中で、とりあえずすぐできそうなものをやろう。

岡本  LT はどうか。

西沢  15 分くらいか。

岡本  じゃあ Long Talks で(笑)。

小林(思)  みんなが得意としている技術ネタ。

岡本  事例と技術ならどちらがいいか。伊藤君を例に出すと、ロボカップに出た話と、ロボカップに出るに当たっての技術の話と、どちらがいいか。学生さんだと、社会人の事例に興味はありますか。(学生さん、うなずく)

西沢  授業で何を教わったか、聞いてみたい。

瀧本  先生の愚痴大会に化ける恐れが(会場笑い)。

大日向  今年卒業する学生さんは、卒研発表をもう一度。

天野  卒業したことがない(会場笑い)。

岡本  卒研のテーマで話すことがある人は。

(数人が発言)

小林(思)  卒研で苦労した話を面白おかしく話すのもありかなと思う。

春原  盛岡の 9.19 speakers は一人の持ち時間が 9 分 19 秒だったが、いい感じだった。

岡本  では 10 分にしますか。質疑応答で 5 分、一人 15 分。場所は長野市で。

大日向  最初なのでテーマをあまりキツく縛らない方がいい。

岡本  テーマは「技術」が入っていれば OK。次回からは誰でも参加 OK にしたいが、参加募集方法は。広報サイトを作るか。

西沢  広報は Google Group でいいのではないか。

岡本  では、今のとは別に作ります。誰か誘う時は Group を教えてあげてください。参加者の募集は……。

小林(隼)  こくちーずとか。

大日向  高専カンファレンスでは、発表希望者は受付担当者にメールを出す。聴講希望者は別に募集をかける。聴くために参加する人と、発表するために参加する人では、集めるべき情報が異なるので、ひとつのツールで完結させるのは難しい。

岡本  発表者は Google Group のトピックに書き込むのはダメか。

大日向  Google のアカウントを取る必要がある。それを是とするか。ATND も同じで、OpenID が必要だ。

岡本  では、募集用のアドレスも新しい Google Group に載せておくので、希望者には教えてあげてください。この中で次回しゃべりたい人?

(春原、小林(思)、岡本が挙手。天野は「予定がつけば」)

岡本  名称は。

春原  「若手」っていうのはやめて! (会場笑い)

岡本  「長野」は入れたい。

瀧本  規模も会場も毎回異なるのなら、「勉強会」という名前を入れなくてもいいのでは。「コミュニティ」とか。

小林(隼)  略称で呼べるのがいい。

春原  Shinshu Software Society、略して SSS。

小林(隼)  Nagano Software Engineer Community、NSEC (エヌセック)。Community じゃなくて Group にして NSEG (エヌセグ)とか。

天野  クラスタができたときに、下に名前が付けられるのか。NSEG.C とか。

(nseg.* の空きドメインを調査)

大日向  第 1 回の実担当者は誰にするか。

岡本  発起人 3 人中 2 人がいなくなるので、次回辺りから他の方にやっていただくか、入っていただければありがたい。

大日向  私は 3 月頭からいなくなるので、実作業はできない。後方から助言はできる。

(春原、碓氷、小林(思)が挙手)

岡本  次回はこの 3 人の方にやっていただくということで。では細かい話はこの後の飲み会で。名称は NSEG でいいですか?(会場拍手で承認) ハイフンは入れる?

春原  Google Group を作る時、入れないで作ってみて、ダメなら入れる。

岡本  では、ツイッターでつぶやく時は、ハッシュタグ #nseg で!

(敬称略)