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Sunrain Records Staff Diary

 オンライン/出張レコードショップ「Sunrain Records - サンレインレコーズ」のスタッフ日記です。
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2010-08-16 ひとりごと(8月15日に寄せて)

昨日は終戦記念日でした。

実家に戻っているのですが、ネットは不通、eモバイルも圏外、ネットカフェ等も徒歩30分圏内になし、という電波的な陸の孤島でして、おかげで久しぶりに新聞を隅から隅まで読む機会が持てました。


ニュース、社説、取材記事、読者欄と、65年前の今日(と今日に至る日々)に思いをはせたことばがいくつも並んでおり、ひとり憤ったり涙ぐんだりしながら新聞紙をめくっていました。


戦争がどんなものか、急激にその記憶が薄らいでゆくなかで生まれ育った人間ですが、

それでも、小さな頃には曾祖母や祖父の話を聞かされました。

学生時代には、イラクアフガニスタンへ行ったジャーナリストの講演を聞く機会がありました。

そのときはまだぼんやりと、そんなことがこの世には起こりうるのだ、というふうにしか感じられませんでしたが、

いまでは、もうすこしだけ懸命に(あるいは身を入れて)想像する力がついた気がします。

体験した人の、ダイレクトに語られることばを大切にしたい。その傷を伝えようとしてくれる人が居るうちは、一生懸命に拾い集め、じぶんのなかでその「傷」を追体験し、けして自分たちに無関係なものだと思わないように、平和な日々の中にも絶えずある摩擦、兆候、可能性に耳を澄まして、警鐘を感じ取らなくてはならない、そんなことを思ったりしています。



音楽に「反戦」という力があるのか、ぼくには分かりません。一つの歌が民衆の運動の原動力となったこともあったでしょうし、一つの歌に象徴されるムーヴメントが力でねじ伏せられたという事実も、本や雑誌、テレビを通じてですが見知っています。

ただ、ひとつ分かることがあるとすれば-

ひとつの国や世界がある事象へ歩みをすすめるその動きに対して、音楽はいちはやく何かのリアクションを示すことができる。まだ風にならないほどの、始まったばかりの時代の空気の流れを、予感し、表現の形で先取りすることもできる。これはたぶん、確実なことだと思います。


ちょうど10年ほど前に発行された「INTER COMMUNICATION」という雑誌で、坂本龍一さんが創作されたオペラ『LIFE』が取り上げられていました。「20世紀の歴史を振り返り、音楽史を総括し、21世紀に向けてのヴィジョンを提示」したというこの作品に関する、坂本さんと浅田彰さんの対談のなかで、坂本さんは「ストラヴィンスキーバルトークの音楽には戦争の足音を感じる」とおっしゃっていました。すぐれた音楽家は-あるいは「音楽」という、人間が時間を共鳴させて探しだす表現それ自体が-時代の空気の震えを「音」に変えてあきらかにする、と考えるのも、あながち間違いではないはずです。


いまから何十年も前、経済白書のなかではすでに「もはや戦後ではない」と書かれていたそうですが、そこからさらに時代は下り、1945年から数えて65年。もうとっくに「戦後」でないのだとすれば、ではいまは「何」なのか?どういう時代なのか、どんな時代が到来しようとしているのか?


ずーっと視点を後ろにしてみれば、いまこの世界に成らさている音楽から(それは音楽に限らず、あらゆる芸術、あらゆる表現の中から)何かの足音が聴こえてくるのかもしれません。一枚のCD-R音源のなか、一枚のMIX CDのなかから「時代」を読み取れるような感受性を身につけたいなあ、と願いつつ、墓参りの帰りのネットカフェであります。

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