姥湯温泉へ

秘境駅?(挨拶)


秘湯である、山形県米沢市にある姥湯温泉の桝形屋さんに行ってきました。

そこを選んだ理由は、最寄の峠駅に行ってみたかったから。もちろん秘湯という響きにも惹かれました。
冬季に姥湯温泉は営業していないし、ハイシーズンの一人客はお断りという。休みもとれた。
つまり、今しかない。




峠駅

鈍行列車を乗り継ぎ、13時20分ごろに峠駅へ着きました。
ここは山間にある無人駅であり、列車も1日に上下線合わせて12本しか止まりません。
スノーシェードに覆われた独特な、秘密基地のような雰囲気。

昔読んだ『鉄子の旅』という漫画で知ってからずっとずっと来て見たかった駅です。




力餅


ここの名物が峠の力餅という大福餅です。
列車がくると「ちからーもち」という声が響きます。すぐ近くに峠の力餅のお店があり、半纏を着た方が、木箱に並べた力餅を立ち売りするのです。
これを買って食べてみたかった。喜び勇んで買い、温泉宿で食べましたとも。
柔らかいお餅に包まれた、食べやすい甘さの餡子。大変おいしゅうございました。




話がずれました。温泉ですね。
姥湯温泉までは結構な距離があり、歩くと2時間ほどかかるとか。
事前に予約をしておくと、送迎をしてもらえます。


一緒に電車を降りた方もちらほらいて、送迎のワゴン車がいっぱいになりました。
シーズンオフでも結構お客さんがいます。
電車が来てすぐ出発するわけではなく、30分ほど出発まで時間を取るそうで。
その間に峠の力餅を売る峠の茶屋に行きます。そこしか行くところが本当にないので、皆そこに行って力餅の予約をします(帰りの電車へ乗るときに受け取る)。



時間になり、送迎車に乗って出発します。温泉までは細い山道をくねくねと登っていきます。
すれ違うのも大変で、切り返しが必要なポイントがあります。




猿もいました。本当に山の中です。





中央奥に見えるのが姥湯温泉


30分弱走り、姥湯温泉桝形屋さんに着きました。
細い吊り橋をわたる必要があるため、車は通れません。駐車場から5分ほど歩きます。
荷物はゴンドラで運んでくれました。




山小屋風


桝形屋さんは山小屋風ですが、建物は新しく綺麗です。
秘湯を守る会の会員の宿でもあり、スタンプをもらいました。
部屋にはトイレもついています。
肝心の温泉、名物の露天風呂は奥の方にあります。


ちょうど谷間のような場所にあり、周囲を高い崖に囲まれたような絶景が見えます。
お湯は青みがかった白濁のお湯。
露天風呂は3つあり、一つが女性専用、二つが混浴です。
時間によって2時間ほど入れ替わりがあります。
夜中は照明が落とされ入れませんが、基本的に空が明るければいつでも入れます。
シャワーはなく、脱衣場があるだけ。


とても開放的で、素敵なお風呂です。4回くらい入りました。


他にも男女別の内湯もあります。
3人も入ればいっぱいな広さですが、こちらはシャワーがあります。



14時半に着き、ゆっくりと温泉に入り、入ってまた入って。
17時半にはご飯が部屋に運ばれてきました。



たぶん米沢牛


珍しいのは鯉の甘露煮でしょうか。どれもおいしい。
お米は「つや姫」という山形のお米らしく、これもすごいおいしい。バクバクとおひつすべてを食べました。
デザートにコーヒーゼリーさくらんぼも付きました。


食べ終わったころに布団を敷きに来てくれました。

そしてまた温泉。
ゆっくり。



部屋に戻って本でも読もうかと思ったら、いつの間にか寝ていました。
多分20時前には寝てしまったと思います。温泉の力すごい。


そして朝5時に起きて朝風呂。
また運ばれてきたご飯を食べ、送迎のワゴンで7時50分に出て駅へ。
帰りは2人でした。どうやら昨日一緒に来た方々は、みんな複数泊するようです。


山の中の一軒家姥湯温泉
絶景の露天風呂。
することが無いゆっくりとした時間。
美味しいご飯。

帰りにも峠駅の写真を撮り、峠の力餅売りの人と少し話して後にしました。


憧れだった駅と力餅。
いい宿と温泉。


良い旅でした。