我が拳客商売

拳の研究・指導を生業に据えての世渡りの中で起こる悲喜こもごもを、筆の赴くままに書き綴っております

神様えらび


午前中一杯は太気拳の稽古。独り稽古なので、とにかく理想の動線と力の出し方・流し方をじっくりと時間を掛けて徹底的に探る。

高木先生が見せて下さった動き、それをそのまま真似て行く。もっとも、稽古を積んだ年月が異なるので、100%真似出来るわけではない。

そして、仮にやり方は同じところまで詰められたとしても、体質・体格・性格が異なる以上、現れる形は若干の違いが生じる。それがいわゆる有形無形「形あって形無し」といわれる所以でもある。


それを最初から「俺には俺のやり方がある」では、話にならない。


夕刻、剣道から帰って飯を食っていたら、娘が「ブラックの缶コーヒーをはじめて飲んでその不味さに驚いた」と語った。

「ふだんコレ(私が淹れるこだわり豆の珈琲)を飲んでいるから、アレはちょっと我慢できない」んだそうな。

「最初に缶珈琲飲んでから、うちの珈琲飲んだら美味いと思うけれど、それだけ。缶珈琲なりに楽しめる。でも、私はダメだわ。缶珈琲は砂糖とミルクが入っていないと飲めない」


さらに、「ユーチューブで黒田鉄山先生の居合観た後、○×流(特に名は秘す)観たら耐え難いじゃない。でも、はじめが○×流を稽古していたら、鉄山先生観ても素晴らしいとは思うだろうけれど、○×流もイケると思っちゃうんじゃない?」だと。


ん!確かに!武術もある意味宗教と同じでさ、信じ込んで稽古しないと上達しない。で、最初拝んだ神様は容易に変えられるものではないからねぇ。

神様選びのセンスって、あるよね〜。

もっと言うとだね、良い神様(流派と師匠)選んだだけではダメで、神様の言うことをよ〜く聞かなきゃだめさ!


太気を稽古しながら、空手○段のプライドをかたくなに通そうとしているように見受けられる方も居ますが、一度、それは脇に置いておけば良いんじゃないですかね。

私だってもし柔道を習いに行ったら「殴れば勝てる!」とか言わないですよ。乱捕で投げられたら、素直に相手の強さを認めますよ。

剣道なんて、俺、中高生に打たれまくりだよ。良いじゃん、強いヤツには打たれればいいんだよ。稽古なんだから!


それが出来ないって、自分の器の小さいことを自分で宣伝しているみたいなもんでしょ。せめて良い人のふりくらいしたら良いんじゃない?



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