2012年に読んだ小説

メモとしても書ききれなかった読了小説。 1年間で計64冊。1週間に1冊以上読めて良かった。犬はどこだ (創元推理文庫)作者: 米澤穂信出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2008/02/29メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 60回この商品を含むブログ (145件) を見…

THE ONE UVERworld

通算7枚目となるUVERworldのフルアルバム。 個人的にはRADWIMPSに連なる現代の中二バンドだと思っている。ただRADほど売れていないのは、UVERの作る音楽がいささかマッチョな傾向にあるからだろうか。前作の「LIFE 6 SENSE」はシリアスでコンパクトなアルバ…

SOSの猿 伊坂幸太郎

解説にも記載されていたが、ここら辺の作品は「伊坂幸太郎の第2期」というものらしい。よくある「売れたアーティストが自分の趣味を前面に押し出し始めた」という第2期だ。結局は独りよがりな結果となり、つまらないところに着地するというオチが大抵なのだ…

(an imitation) blood orange Mr.Children

Mr.Children、2年ぶりの17枚目のフルアルバム。 前作の「SENSE」で「ロックンロールは生きている」と高らかに歌ったが、残念なことに今作でミスチルのロックは死にかけの状態となってしまった。バンドが奏でる音より、ピアノとストリングスの音が軸となって…

光媒の花 道尾秀介

道尾秀介の文庫最新刊。第23回山本周五郎賞受賞作。 読んでみての感想なんだけど、道尾氏ってこんなに文章がうまかったっけ?、と思ってしまった。ひたすらに文体が綺麗で淀みないのである。今のところ「鬼の跫音」に収録されている「冬の鬼」が個人的な氏の…

JORGE JOESTAR 舞城王太郎

舞城王太郎の新刊は「ジョジョの奇妙な冒険」のノベライズ。 正直ジョジョは「あ、ありのまま〜」と「そこにしびれる〜」のAAくらいしか知らないので、少し購入をためらったが、舞城をやらかしてくれることを期待して買ってみた。 ……。 やっぱり舞城王太郎は…

Transit of Venus Three Days Grace

Three Days Graceの約3年ぶりとなるニューアルバム。 メロディこそが正義を貫き続けるロックバンド。洋楽の中で、僕が一番愛して止まないバンドである。リリースがきっちり3年周期なので、一時的に同系統のバンドである「RED」に浮気してしまったが、本当に…

ふたりの距離の概算 米澤穂信

古典部シリーズ最新刊。 アニメは本当に出来が良かった。青春からほど遠いところに生きているので、青臭い話は見ていて面白くてしょうがない。最終回以外は全てリアルタイムで見たので、相当ハマっていたんだな、と自分でも思う。 で、「ふたりの距離の概算…

厭な小説 京極夏彦

京極夏彦は本当に頭がおかしいと思う(笑)。 厭な短編を7編収録した、その名も「厭な小説」。ホント、まともな思考じゃない。 しかし、「厭」という感情に焦点を当てた当作品。猟奇的な気持ち悪さや胸糞の悪い登場人物がいっぱい出てくる訳でもなく、精神的…

この世の全部を敵に回して 白石一文

小説なんてルールがないので何をやっても構わないんだけど、これは個人的にありとは言えない。登場人物が延々と思想をぶちまけるという斬新なスタイルなんだけど、だったらエッセイでいいじゃんと思ってしまう。作者自身が考えていることなのかどうかは知り…

ランドマーク ASIAN KUNG-FU GENERATION

アジカン、2年ぶりとなる7thアルバム。 個人的な感触としては、「サーフ ブンガク カマクラ」+「マジックディスク」といった印象だろうか。適度に荒々しく、適度にポップなアルバム。前作がブラスやストリングスを多用したアルバムだったので、やや地味に感…

K・Nの悲劇 高野和明

「ジェノサイド」や「13階段」の作者、高野和明氏の描くサスペンス・ホラー。 新婚の妊婦に正体不明の女が憑依して、というとこからどんどん話は加速していく。流産可能な期間をタイムリミットと設定し、妊婦の夫と精神科医が奔走するんだけど、まんま「13階…

追憶五断章 米澤穂信

古典部シリーズが絶好調の米澤穂信の新作。 いわゆる「リドル・ストーリー」というオチを明確に示さないものを扱ったミステリィ小説である。ミステリィに明るくない読者にとって、米澤氏の小説はお手軽に古典的な形式を楽しめるのでありがたかったりする。 …

鍵の掛かった部屋 貴志祐介

防犯探偵・榎本シリーズの第3弾。 正直こいつが月9になるとは誰も予想していなかっただろう。ミリ単位も見ていないので出来はどうなのか分からないけど。 さて、前作に引き続いて今作も短編集である。内容は……ファンの方なら、まあ察していただけるだろう。…

オブ・ザ・ベースボール 円城塔

円城塔が純文学作家として"再デビュー"した最初の作品。 この作品の設定を簡単に書くと、空から人が降ってくる町でレスキュー隊をしている主人公はベースボールのプレイヤーだった、という感じ。 …………。 な… 何を言っているのか わからねーと思うが(ry スト…

B'z - EP B'z

California Splash!! もはや意味不明な歌詞だが、「Splash」は本当に最高だ。原曲もダンサンブルなサウンドに乗せて歌詞を畳み掛けるように歌う曲だったが、英語に変えたことにより、さらにシャープさを増したように感じる。いや〜超カッコいいわ。 あと「…

ヘヴン 川上未映子

今まで純文学は基本的に敬遠してきたが、最近は抵抗というか摩擦というか、そんなものがだいぶ少なくなってきたような気がする。 ということで、作家兼歌手というマルチな才能を持っている、川上未映子の著作を手に取ってみた。「わたくし率 イン 歯ー、また…

Living Things Linkin Park

Linkin Park、通算5作目で2年ぶりのニューアルバムが発売した。 前作の時も書いたような気がするんだけど、もういい加減に「Hybrid Theory」や「Meteora」の幻影の押し付けから彼らを解放してやって欲しい、と僕は思う。デビュー12年目だよ? 20代前半に作っ…

慟哭 貫井徳郎

初の貫井徳郎。とりあえず有名なデビュー作から読んでみた。 10年前に出版されたことを考えれば、良いトリックなのだろうか? 色んなタイプのミステリー小説を読んできた人間ならば、読み始めて10分ほどでネタが割れてしまうかもしれない。 もうこの手のタイ…

The Indifference Engine 伊藤計劃

ついに伊藤計劃がリリースした生前の作品は全て文庫化された。 しかし、まだまだ「Project Itoh」は終わらない。最後に収録されている「屍者の帝国」は、円城塔が引き継いで出版する予定だ。作風は全然違うので、正直出来栄えは未知数ではあるけれど。 日本…

ブラッド・スクーパ - The Blood Scooper 森博嗣

森博嗣流の剣豪小説。シリーズ第2弾となる。構想的には3作でシリーズ完結を見込んでいたらしいが、どうやら5作ほど要するとのこと。「スカイ・クロラ」シリーズと似て非なる当シリーズ。非常に嬉しい話である。 血を掬う者(?)というタイトルから連想され…

トーマの心臓 森博嗣

森博嗣、文庫の最新刊。 まんまプロの同人誌である。清純派AV女優みたいだけれど、それ以上語るべき部分もない。原作が少女マンガな所為か、微妙に男性描写が同性愛を感じさせる。ここら辺は好き嫌いがあると思う。森氏には残念だが、原作を読んでみたいとい…

花と流れ星 道尾秀介

真備シリーズ第三弾。シリーズ初の短編集であり、かつシリーズ最新作でもある。2009年に発行されて以来、音沙汰が無いので、あまり続編は期待できないのかもしれない。まあ、京極夏彦の百鬼夜行シリーズと似通ってるし(キャラ的に)、他の著作の方が断然面…

後藤さんのこと 円城塔

発刊される度についていけなくなる作家、円城塔。 とりあえず読んでみたが、この「後藤さんのこと」なんて、1mmも理解できない(笑) ある意味凄いことなんじゃなかろうか。ようやく気付いたことなんだけど、多分この「訳の分からなさ」を楽しみに、僕は氏の…

天使の囀り 貴志祐介

黒い家の次に出版された貴志祐介のホラー小説。 迷ったら貴志祐介、と個人的には思っているくらい、氏の安定感は凄い。ちなみに文庫化されたもので未読なのは「十三番目の人格 ISOLA」と「鍵のかかった部屋」の2つだけ。そろそろ貯金がなくなってしまう……。 …

WILL 本多孝好

著者のヒット作「MOMENT」の続編。ブランクが7年の続編なので、特に内容を知らなくても全然読めるけど、やっぱり読んでおいた方が吉だと思う。 しかし、本多氏はあいかわらずだね。文面からロマンチストっぷりが匂う匂う。主人公の森野が悲劇に酔っているよ…

踵で愛を打ち鳴らせ ASIAN KUNG-FU GENERATION

アジカン、2012年一発目のニューシングル。 前作の「マーチングバンド」は、個人的にしっくりこない出来だったので、今作はあまり期待感を抱かずに聴いてみたのだけれど、これがなかなかどうして素晴らしい。 軽快で開放感に満ち溢れたメロディ。サビの「オ…

GO FOR IT, BABY -キオクの山脈- B'z

10ヶ月ぶりとなるB’zのニューシングル。 「コンタクトレンズに変えてみた」や「ヘイ、ヘイ、イッツァワンダフルデー」から早13年。ついに我らがボス、TAK MATSUMOTOの歌う日がやって来た。しかも2nd beatや3rd beatではなく、表題曲でTAKのボーカルを聞くこ…

幽談 京極夏彦

京極小説の別天地、と本の帯に書かれていたが、別にそんなことは無い。氏の小説からエンタメ部分を取っ払ってしまえば、丁度こんな感じになるだろう。 中でも最終節の「こわいもの」は良い。これが京極氏の論理だ、と端的に感じさせてくれる。百鬼夜行シリー…

タカイ×タカイ CRUCIFIXION 森博嗣

Xシリーズの第三弾。 なんというか、特筆する点は何も無い。このシリーズは個人的にファーストフードを思わせる。お手軽さが売りみたいな、そんな感覚。 最新作「ブラッド・スクーパ」に期待しよう。タカイ×タカイ CRUCIFIXION (講談社文庫)作者: 森博嗣出版…