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繰り延べ税金資産の注記を読もう!(その3)

スラスラ☆第3弾です。順番に読んでくださいね。
先程までのエントリーはオリンパス単体の税効果会計注記について「読み方」を解説いたしました。
では、連結財務諸表ではどうでしょうか?

連結の税効果注記は有価証券報告書98頁になります。
先程、目を引きました「関係会社株式評価損」は消えています。
???
連結財務諸表上、子会社株式は相殺消去されるので、これに係る税効果は認識されません。
(ご指摘がありましたので、訂正します。のれんは税効果対象外でした。以下の記述は会計クラスタ諸賢のご助言を参考にしたものです。ただし、本記事の推測はブログ執筆者の私見であることをお断りしておきます)

代わって、着目すべきは下の方の繰延税金負債の「買収による時価評価差額20,243百万円」ですね。これを割り戻すと20,243÷40%で50,607百万円。
この「時価評価差額」は20年3月期に登場しておりますので、この期に子会社化したGyrusグループの資本連結時、同グループの資産負債を時価評価した差額ではないかと推測されます。
(21年3月期有価証券報告書キャッシュ・フロー計算書注記77頁、企業結合会計注記92〜93頁。これは推測であり、有価証券報告書の注記からは直接は読みとれません)

時価評価は資本連結手続に定められた「公正妥当」なものでありますが、その評価額に疑義があるのでは?というオチになるかもしれません。
もちろん、これは今だから言える後知恵に過ぎないのですが。

外から推測して論評しているのは実に興味深いのですが、あと1ヶ月でこれを遡及修正しろって言われたら嫌ですね。。

オリンパス社の有価証券報告書はこちらをご参照ください。
有価証券報告書一覧
(PDF注意)21年3月期有価証券報告書

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