サンディエゴのビーチが減少している理由

世界のリゾート地はどこも同じだと思いますが、サンディエゴも開発によって砂浜が減ってきています。
ビーチの砂は波によって沖合に持っていかれてしまうので、定期的な供給が必要です。
従来、Bluff(断崖)の浸食と、川からの土砂、という二つの自然な営みによって、定期的に供給されてきました。
尚、UCSD(カリフォルニア大学サンディエゴ校)調査によれば、サンディエゴのビーチの砂の5割以上は、川の上流からもたらされたものではなく、断崖の浸食からのもの。この調査以前は、9割程度が川からの土砂と思われていました。
ビーチへの砂の供給が減少している主な理由は以下の二つ。
・断崖の浸食防止のための護岸壁
・川の上流に作られたダム
サンディエゴには約45百万年前の地殻変動により形成された砂状の断崖があり、この断崖が少しずつ波で浸食されて、ビーチに砂を供給していました。しかし、ビーチ沿いの素晴らしい眺望の為、この断崖の上に豪邸が建てられ、その財産を保全する為に、護岸壁が設置されている場所が多くあります。
尚、基本的に、これらの護岸壁は市によってなされたものではなく、その豪邸のオーナーが自分の費用で行っています。見た目が、コンクリートむき出しの人工的なものと、一見すると自然石に見えるものとにわかれるのは、1994年に制定されたカリフォルニア州法の影響。この州法により、1994年以降、公共財であるビーチの景観保護のため、見た目を自然に近くするように義務付けられました。

もっと詳しくは以下をどうぞ。
http://www.miracosta.edu/home/kmeldahl/coastal-erosion.htm

ちなみに、冬と夏でビーチが変わる理由は「サンディエゴの波(冬と夏の違い)」に書きました。