The Spirit in the Bottle

旧「小覇王の徒然はてな別館」です。movie,comics & more…!!!

青少年よ、世界を敵に回せ!

 人より、大分遅れてtwitterをはじめてみました。まだ何にもわからない状態ですのでとりあえず、ブログの更新連絡とはてなブックマーク、後はそれこそ意味なくつぶやいたりしています。TVを見ながらの突っ込みははてなハイクの方がいいかな。よろしければそれらの方も!
 では本題。

  

スコット・ピルグリムVSザ・ワールド

 アメコミといえばスーパーヒーロー!といっても過言ではないが勿論それだけではない。スーパーヒーロー物はメインストリームではあるもののそれ以外のものも存在する。「ピーナッツ」や「アーチー」とかが有名だがそのほかのオルタナティブと呼ばれる類のものもある。
 日本語に翻訳されてるものはほとんど購入してる僕だがそれでも全部持っているわけではない。逆にスーパーヒーロー物以外は極力買わないようにしている。少し前までは「ボーン」とかロバート・クラムの「クラム」とかも買ってはいたんだけどきりがないからね。主に2色のもの、「ヒストリー・オブ・バイオレンス」とか「ゴーストワールド」とかは映画は見たけど原作コミックスは買ってない。
 そういう意味では今回のブライアン・オマリーの「スコット・ピルグリムVSザ・ワールド」は本来「買わなくてもいい」コミックスではあったのだが・・・

スコット・ピルグリム VS ザ・ワールド

スコット・ピルグリム VS ザ・ワールド

 ちなみにこれはアメリカではなくてカナダのコミックスでした。とはいえ基本カナダとアメリカはコミック文化は共通のはずである*1。ただ主人公の造形などにアメリカとは(勿論日本とも)違う感覚が出ていると思う。これもいわゆるオルタナティブでヒーロー物ではない。
 

物語

 カナダ、オンタリオ州トロントに住む23歳の青年スコット・ピルグリムは無職だがアマチュアバンド「セックス・ボボ=ォム」でベーシストをしている。
 そんなスコットにある日、中国系の17歳女子高生の彼女ができた。名前はナイブズ・チャウ。
 ところが、スコットはデート中に夢の中で出会った美人に現実で遭遇しその美女、ラモーナに一目ぼれしてしまう。彼女と付き合うべく奮闘するスコット。だが、彼女と付き合うためには彼女の7人の邪悪な元彼を倒さなくてはならないのだった!

 一応、主人公はそれこそ「キック・アス」の主人公にも通じるナード系オタクなのだがそこはカナダというお国柄か、あんまり悲壮感がない。というかバンドマンで女子高生の彼女がいて・・・十分リア充じゃない?
 ピルグリムというとアメリカにわたった清教徒「ピルグリム・ファーザーズ」が思い出されるがなんか関係あるのか。ピューリタンらしく清く過ごせよスコット!(やっかみ)
 
 絵柄は日本の漫画の影響を受けているのであろう(個人的には黒田硫黄の「セクシーボイス・アンド・ロボ」を思い出した)デフォルメの効いたもので普段海外のコミックスを読み慣れてない人でも簡単に入り込めると思う。コマの構成とかも日本の漫画に近いし。ところで海外の2色(白黒)のコミックスってこれまでにはジェームズ・オバーの「クロウ」とかフランク・ミラー先生の「シン・シティ」、アンソロジーの「バットマン ブラック&ホワイト」などを読んでいるが日本以上に黒くて墨(筆ペン)で描いたような印象があるがおそらくスクリーントーンをほとんど使っていないからだろう。極端なベタとホワイトで構成されている感じ。本作に限れば多少キャラの描き分けが微妙で分かりづらいところがあるが十分魅力的だと思う。
 
 話は普通の青春物と言っていいと思うのだが、面白いのは喧嘩のシーンになると突然格闘ゲームのようになるところである。必殺技を出し合って戦い、倒されると姿が消え、金を落としていく(まるでRPGのように!)。大体「邪悪な元彼」といっても暴力振るったとかではなくて、むしろラモーナのほうが小悪魔、という感じ。個人的にはスコットに振られたナイブズがパワーアップ!逆恨みしてラモーナと戦うシーンが好き。
 これ、原作のうち、「スコット・ピルグリムズ・プレシャス・リトル・ライフSCOTT PILGRIM's PRECIOUS LITTLE LIFE」と「スコット・ピルグリムVSザ・ワールドSCOTT PILGRIM VS. THE WORLD」の2編を合わせたもの。この巻ではまだ7人の邪悪な元彼のうち2人しか倒していない。3人目が現れたところで終わっている。
 
 ところでこの作品は映画化された(まあ、でなきゃ翻訳されないよね)。監督は「ショーン・オブ・ザ・デッド」「ホット・ファズ」のエドガー・ライト。多分映画のほうはここより先にまで進んでいるに違いない(この後の原作の進み方と映画の製作が同時進行)。
 作品はエドガー・ライトなので面白いとは思うんだけどどうやら日本ではまだ公開が本決まりではないようだ。署名運動してるらしい。エドガー・ライトってこんなんばっかしだな。

 映画に合わせて作られたアニメもあるみたい。

 これは「VSザ・ワールド」冒頭のスコットの高校時代の話。

クロウ飛翔伝説

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シン・シティ:ビッグ・ファット・キル (JIVE AMERICAN COMICSシリーズ)

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ボーン (1)

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*1:イギリスだと少し変わる