スーサンの文字モジ<組木のはなし>

組木書体に第二水準漢字を追加致しました。
楽しい文字組をお確かめください。
お試し版もご用意しました。よろしくお願いします。
アトリエフォントhttp://www004.upp.so-net.ne.jp/A-kei/



スーサンの文字モジ<旗のはなし>

 [旗]:㫃は吹き流しをつけた旗竿の形。は箕は四角形のちりとりの形で、方形のものの意味がある。旗はほぼ方形の軍旗。旗を使って軍を指揮するので、将軍の旗のもと、本陣を旗本といった。幟(のぼり)は旗の一種である。(白川静著、『常用字解』より)

 じどうかんの学童クラブの児童たちが、自ら考えて、自分たちで運営する模擬店用のぼり看板を制作した。この幟は、タテ150cm、ヨコ40cmほどである。用紙スペースの中にそれぞれのお店の名前がしっかりしたバランスで配置されている。顔料系のカラーマーカーで描かれていると思われる。書体の意識も感じられ、カナ文字の表現もおもしろいものがある。書体は角ゴシック体がほとんどで、ハライ部分の先端は細くなっているのが特徴である。教科書体や最近のコミックで見かけるデザイン書体の影響が見られる。

 まず目を引くのは、文字やイラストがとにかくカラフルだということ。昨今のテレビ番組は説明文字が過剰に詰め込まれている。バラエティー番組のセットには極端な装飾が氾濫している。また、ゲーム機の動画やスマホの画面もカラフルになっている。子供たちはカラフルな文字に慣れているのかもしれない。一概に、カラフルなことは悪いとは云えないが、子供たちに影響を与えているのは確かなようだ。

 私が子供の頃、文字を視るのは、教科書や新聞、マンガ雑誌くらいのものだった。ほとんどが白黒、単色の世界だった。テレビ画面はスーパーインポーズかテロップカードの文字だけだった。昨今では、ディスプレイ画面が高精細な液晶になり、テレビ放送もゲーム機の画面もフォントデータさえ組み込まれていれば、文字の表示指示をコーディングすることで、文字サイズ、色、位置、エフェクトまでも表現できる時代になっている。活字の世界と同様に、画面表示も昔の技術とはすっかり変わっている。

スーサンの清掃記09<若のはなし>

 [若]:巫女(神のお告げを伝える女。みこ)が長髪をなびかせ、両手をあげて舞いながら神に祈り、神託を求めている形。ふりかざした両手の形が、今の字形では草かんむりの形になっている。神託を求める巫女(ふじょ)が若い巫女であったので、「わかい」の意味に用いられるようになったのであろう。「なんじ、もしくは、もし」の意味にも用いる。(白川静著、『常用字解』より)

 若いとは、ハゲていない、白髪がない、肌に張りがありシワがないこと。すなわち、外見に大きく関わっている。これらを実現するには病気にならないことは云うまでもない。そのためには、免疫力を回復させる努力をしなければならない。清掃の仕事は朝の2〜3時間は集中して仕事という運動をする。朝早い清掃の仕事は体に良いことは実証済みである。お金をもらって体を治していただいたという感じだ。

 普段からファッションは若作りである。常に、気持ちが若くなければ免疫力が高まることはない。落ち込んではいけない。偉くなってはいけない。人の上にたってはいけない。悟ってはいけない。いつも教えていただきますという若い気持ち、謙虚な姿勢で人と付き合う。これが実行できれば、120歳も夢ではないだろう。じゃないかな?

 一説には、ハゲ、デブ、メガネを男の三重苦と云われているようだ。メガネは今ではおしゃれアイテムであり、鯖江のメガネは、価格の安さ、品質ともに世界一だろう。私の場合はハゲ、チビ、ビンボウである。チビはどうしようもないのだが、ハゲを隠すためにヘアーセットに血道を上げる毎日である。白髪は見つけてはすぐに抜く。これには異論がいろいろあるだろうが、髪を抜けば髪の毛が増えるという動物実験もある。あまりハゲに影響しない部分はとにかく抜くのである。今のところは良い結果が得られている。

 日々の生活を豊かにするために、モチベーションの上げ方は、人それぞれ。趣味やギャンブル、酒、仕事、家族、いろいろあるだろう。私の場合は、仕事で良い文字を創ることとお酒だろう。今はやりの立ち飲み酒場やスタンディングワインバーで、若い仲間とのたわいない会話がストレス解消であり、モチベーションアップとなっている。懐にも優しい趣味である。

スーサンの清掃記08<引のはなし>

 [引]:弓と丨とを組み合わせた形。丨は直線であり、弓の弦を示すものであろう。弓だけでなく、すべて力を加えて「ひく」の意味に使う。(白川静著、『常用字解』より)

 地球上のすべての物には重さがある。その重さに比例した引力(重力)が発生する。物質同士がお互いに引き合う力が引力だ。

 夜空に光る恒星や惑星、彗星などは決められた位置できらめいている。果てしのない宇宙では、星々の引力に従ってお互いに引かれ合い、自ら回転しながら公転を続けている。夜空の星の配置はすべて宇宙の引力バランスの上に成り立っている。その宇宙空間には、ブラックホールという巨大な質量を持った空間があるらしい。星々も飲み込まれてしまう程の引力を持っている。まだまだ謎の空間だ。

 人間社会においても、人間性や思い続ける意思という引力で世の中が成り立っている。職場における役職や立場、親と子の関係、家族や友達、地域での人間関係のすべてが引力が引き合うことで構成されている。今の自分が幸せだと感じるのか、不幸だと感じるのか、その人の引力の産物なのだろう。感情や思いが強いひとほど引力があって、それが人の魅力になって人を引きつけてしまうのだろう。しかし、人間の場合、体重という質量は少しリスク要因かもしれない。
 
 清掃の現場では、重い機材などを扱うことが多い。掃除機のダクトを移動させる時には押す力を使うが、ゴミを吸い取るときには引く力を使う。押すよりも、引く動作の方が力が入って筋肉疲労は少ないような感じがする。タオルの洗濯にしても、絞る動作がほとんどだ。モップの掃除は左右に引き寄せる感覚で作業をする。引く動作を続けていると腕の疲労もあるが、むしろ指に疲労がたまりやすくなる。バネ指にならないように指のストレッチを忘れてはいけない。