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2012-01-24

リーダーシップを妄信しすぎる日本国民

タイトルは半分ネタで、半分マジです。


先日、バイオの買物.comにて加々美直史さんが書かれていた

なぜ日本にリーダーがいないと言われるのか、ちゃんと論理的に議論しようよ

に触発され、一応経営学部生であることを忘れないため、

また個人的にリーダーシップ論には思い入れがあるので、

先人の知識を引用しつつ、自分の意見を書き記してみました。

結構長くなったので飛ばし読みたい人は「まとめ」だけどうぞ


コンテンツ

  • 触発された記事の検討
  • 目的の明確化
  • リーダーシップの定義
  • 今、日本に足りない要素は何か
  • まとめ

触発された記事の検討

加々美さんの

なぜ日本にリーダーがいないと言われるのか、ちゃんと論理的に議論しようよ

に書かれているポイントは以下の2点に集約されるかと思います。


  • 日本にはフォロワーシップの議論が欠如している
  • 日本のリーダーシップの欠如の原因を「和を重んじる風習」に求めるのは愚かなことだ

以上の2点は的確な指摘だと思います。*1

特に後者の部分はその通りで、世間では思いこみが激しい人たちが

「日本では周りを気にする人が多いからリーダーは出てこないんだ!」

という極論を声高々に叫ぶために、

なぜか一般論としてまかり通っちゃったりしているので、

このようにロジカルな反論は非常に重要です。

この風潮は危機感を持って対処すべきことだと思います。

このままだと、はてブコメントの方でGl17さんが

こんな有様だからリーダーシップ論が強権待望(まるで別物)に摩り替わっちまうんだよな。

と指摘しているように下手をすれば

ヒトラーも真っ青な全体主義マンセーが復活しちゃいますよ。

日本国民の皆さん、ぜひ適切な判断能力を磨いてください。*2


ただし、加々美さんの内容だけだと、

日本がリーダーシップを発揮するための具体的な方法は

フォロワーシップに関して議論することだけしか言及されていないこと、

そして「日本でリーダーが育つこと」と

「日本全体がリーダーシップを発揮すること(=日本の衰退を防ぐこと)」

の関係性がごちゃごちゃになったままで話が進んでいるので、

その部分を明確にするつもりで自分なりに意見をまとめてみました。


目的の明確化


そもそも経営学的にリーダーシップを考えるのであれば、一番議論が必要なのは、

「リーダーシップで何を達成したいのかを決めること」だと思われます。

勘違いしがちですがリーダーシップとは目的ではなく手段です。

そのため目的によって、求めるリーダー像はいくらでも変わります。


だから、


「どうやってリーダーを出るようになるか」

じゃなくて

「どうしてリーダーが必要なのか」

「リーダーにどこまで、何を求めるのか」

を決めることが真っ先に必要になります。


今の日本人って安易に、

「リーダーシップがある人が出てくれば事態が好転する」

みたいにリーダーシップを何か万能薬と勘違いしてる気がするんですよね。

皆さん、「リーダーシップ所持者がやる事=正義」だと思ってないですか?

それはリーダーシップを妄信しすぎですよ!


先も書きましたがリーダーシップは目的達成のためのツールに過ぎません。

そのため目的を明確化せず、そこにコンセンサスも取れていないと

「こんなハズじゃなかった」が往々に起こりますよ。

だからリーダーが現れる環境を考える前に、目的を設定することは凄く大事なんです。*3


さて、では解決したいのは今の日本の各種問題点だとしましょう。

そしてそこを出発点として以下のような論理が進みます。


経済的に他国に劣っているとか、自国の立場を通せないとか

そういった各種日本の問題群を解決するための方法が必要だ。

リーダーシップにそれを求めよう。

リーダーシップを持っている人材を増えれば、

日本全体の問題もリーダーシップで解決できるはずだ

だから、日本に政治的にも経済的にも倫理的にも、

っていうかまずは学校のクラスレベルでもフィールドは問わずに、

とにかくリーダーシップを発揮する人材が出てくることが必要だ。

じゃあどうすればいいだろう。



こういった議論しようというのであれば、*4

次に「リーダーシップ」の定義、リーダーシップの構成要素などの分析が必要になります。


まさかリーダーシップも定義しないで

リーダーについて話せるとか思っている人はいないですよね




リーダーシップの定義

ここで個人的にリーダーシップの定義として使いたいのは、

波頭氏の「リーダーシップ構造論」です。


今のところリーダーシップ論を話すのであれば、

これが一番使える書籍だと考えています。


この書籍を挙げた理由は明解で、

孫子が挙げた智・信・仁・勇・厳のような

感覚的には分かるけど、実際行動としてはどうすればいいの?

といったいわゆる感覚・感性論ではないからです。


論理性が高く、具体的行動に落とせる程度に詳しく、網羅性も高い良書です。

僕が胸を張ってオススメできる数少ない本です。

ていうか、買って読んでみて下さい。

そうすれば言いたいことが分かります。

あと先に言っておきますけど、ステマではねぇぞ!!!(言いたいだけ)


さて、この本を記事を書き進めるためにも、

すごーく簡単にまとめさせてもらいます。


まず、波頭氏は以下をリーダーシップと定義しています。


人の心に働きかけて、啓発と動機付けによって

人を動かすことを通して組織集団を動かす方法。


そして、リーダーシップが発揮されるためには

属人的資質と組織環境条件の2つが必要であると主張しています。

詳細要素も以下に記します。ただ、読んだ方が正しい理解ができるとおもいます。*5



属人的資質(リーダーシップコア)

 ・能力(意志決定力、実行力、コミュニケーション力)

 ・人間性(愛情、倫理)

 ・一貫性(時間的一貫性、関係的一貫性、状況的一貫性)


組織環境条件(これは加々美氏が指摘したフォロワーシップを指します)

 ・チームケミストリー

 ・ジョブデザイン

 ・組織特製


波頭氏はこれらの要素を鍛えることによって

リーダーシップを発揮できるようになると主張しています。

本エントリにて利用するリーダーシップについての定義は以上です。*6

本当はこの本だけでエントリを書くべきだとは思うんですけど・・・。



今、日本に足りない要素は何か

やっと核心部分に触れられます。


今までの前提を踏まえて、

私が日本でリーダーを育てるためには、

「一貫性」を重要視する必要があると考えます。


一貫性とは時間が経っても、相手が誰でも、

どのような環境下であっても常に同じような意志や態度、

パフォーマンスを維持することができるかという能力のことです。


加々美氏は日本ではフォロワーシップに

ついての議論が無いことに着目されていましたが、

私はどちらかというと、

現在の日本人に一貫性が無いことが、

リーダーが育たない原因だと考えています。


ここからは完全な個人の仮説です。


一昔前は世界的に変化に柔軟に対応するというコンセプトがもてはやされていました。

これは正しさ(需要)を外に求める事を意味しています。


日本は敗戦国から先進国に追いつくためにこのコンセプトを取り入れ、

環境の変化を捉え、いち早くそれに追いつくことによって、

Japan as No1と呼ばれるような成功を収めてきました。


ただ、時代が下るにつれて情報のやりとりが異常なまでに早くなりました。

いわゆる情報化社会の到来です。

情報化社会は正しさ(需要)の多様化を生み、

正しさの変化(トレンドの変化)の速度は大幅に上がりました。


これらのことから変化対応モデルは瓦解します

あまりのスピードに意見を吸い上げてそれに対応するのが物理的に不可能になるからです。*7


このような環境でリーダーシップを発揮するためには、

正しさを外ではなく内側、つまり自己に求めることが必要です。

つまり、自分で正しい事を決めてそれをやり通すことです。

この能力こそ一貫性に他なりません。


逆に言えば、現代の日本は従来のパラダイムを妄信することによって、

この一貫性を軽視されるような環境が作られてしまっています。

これこそが、私が考える日本でリーダーが育成されづらい原因です。*8



まとめ

最後にエッセンスだけ取り出してまとめます。



加々美さんのブログに触発されて日本のリーダーシップについて考えました。

まずリーダーシップで何をしたいのか、目的をハッキリさせてくれないと困ります。


でも話が進まないから、そこをクリアしたと仮定して、

リーダーを育成したいならどうすべきか考えるよ。


リーダーシップの定義は一番使えそうな波頭氏のを使うよ。


自分が考えるに一貫性が軽視されているのが問題だと思うよ。


今の時代は変化に対応して変わるよりも、

自分で正しさを定義してそれを貫き通す必要があるんだって。

それなのに今の日本は昔の変化対応モデルを

いつまでも妄信しやがって、ホント、だっせーな。


以上。

*1:ちなみに、多分、僕の頭の悪さのせいですが、
ジョブズの話が出てくる意味がわかりませんでした。

日本にジョブズが出てこないことを嘆くことのアホらしさを指摘する
という意味かと思うんですが掘り下げると

「日本にジョブズが出ても意味がないよ」
(だからジョブズが出てくる話は馬鹿馬鹿しい)

と主張したいのか

ジョブズが出てくるのはどこでも難しい」
(だからいきなり日本でジョブズが出てくるための議論をするのは馬鹿馬鹿しい)

と主張したいのか、どっちの意味なんですかね?

*2:もちろん自分含む

*3:これがリーダーの仕事だって考え方も理解できます。
ただ、それならリーダーが正しい目的を設定できるようになる仕組みとかを
議論しなくてはいけないはずなので、結局同じところに行き着く気がします。

*4:お気づきの通りこれは酷く稚拙な論理です。
だれかここら辺を補完してください。

*5:だからステマじゃないって!言いたいだけ

*6:言葉足らずの印象が受けるかも知れませんが、
これを前提としようと言っているだけなので、
ここは自分では突っ込みようがないんですよね。

*7:いや、まぁ、グリーやDNAみたいな、変化対応の極地で勝負するのも手ではあるかと思いますが・・・。

*8:一貫性をいかにして持つかはじっくり考えてまた別エントリで書きたいです。

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