2010-08-06 広島の平和式典 伊藤
8月6日広島平和式典が行われました。昨年と変わって、どの新聞社も65年前ヒロシマに原爆が落とされたこと、被爆された人々の核廃絶への思いや願いを記事にしています。朝日新聞は被爆された人たちの記事を数回にわたって載せています。昨年とは違って、ヒロシマに原爆が落とされたことをこんなにも扱いが変わるのだろうか。オバマ大統領の発言を契機に世界が非核に対して変わるのだろうか。誰が言おうと何が起ころうと非核平和は人類の熱望するものであり、特に、ヒロシマ・長崎で被爆されて人々の思いだろう。核廃絶を祈る思いは、人類の共通の願いだと思います。
今年の広島での平和式典には初めてアメリカが出ます。でも、謝罪のことばありません。核を保有するイギリス・フランスなど大国も参加し、七十数カ国が参加する式典になりました。
その一方で、広島に原爆を投下した米軍のB29爆撃機「エノラ・ゲイ」の元機長ポール・ティベッツ氏(故人)の息子、ジーン・ティベッツ氏は5日、オバマ政権が広島平和記念式典にルース駐日大使を出席させたことに、「行かせるべきではなかった」と不満をあらわにした。ジーン氏はCNNテレビの報道番組に自ら電話をかけ、「(日本に対する)無言の謝罪と受け取られかねない」と政権の決定を批判し、「原爆投下で戦争終結が早まり、多数の命が救われた。我々は正しいことをした」との父の生前の主張を述べた。「原爆投下で戦争終結が早まり、多数の命が救われた。我々は正しいことをした」原爆投下は、上官の命令で実行した。我々は軍人だ。我々は正しいことをした」と主張すべきでは?という信じられない発言がありました。(2010年8月6日12時08分 読売新聞)
(国連 パン・ギムン事務総長)
国連のパン・ギムン事務総長は9日、ニューヨークの国連本部で開かれた記者会見の中で、今月6日、広島の平和記念式典に国連事務総長として初めて出席したことについて、「とても深く心を動かされる経験でした」このように述べ、原爆による被害は言葉や想像を超えたものだったと語りました。 「核兵器が存在する限り恐怖が存在する。もし恐怖を取り除きたければ、(核)兵器を取り除くことが必要だ」と強調されました。
平 和 宣 言
「ああ やれんのう、こがあな辛(つら)い目に、なんで遭わにゃあ いけんのかいのう」―――65年前のこの日、ようやくにして生き永らえた被爆者、そして非業の最期を迎えられた多くの御霊(みたま)と共に、改めて「こがあな いびせえこたあ、ほかの誰(だれ)にも あっちゃあいけん」と決意を新たにする8月6日を迎えました。
ヒロシマは、被爆者と市民の力で、また国の内外からの支援により美しい都市として復興し、今や「世界のモデル都市」を、そしてオリンピックの招致を目指しています。地獄の苦悩を乗り越え、平和を愛する諸国民に期待しつつ被爆者が発してきたメッセージは、平和憲法の礎であり、世界の行く手を照らしています。
今年5月に開かれた核不拡散条約再検討会議の成果がその証拠です。全会一致で採択された最終文書には、核兵器廃絶を求める全(すべ)ての締約国の意向を尊重すること、市民社会の声に耳を傾けること、大多数の締約国が期限を区切った核兵器廃絶の取組に賛成していること、核兵器禁止条約を含め新たな法的枠組みの必要なこと等が盛り込まれ、これまでの広島市・長崎市そして、加盟都市が4000を超えた平和市長会議、さらに「ヒロシマ・ナガサキ議定書」に賛同した国内3分の2にも上る自治体の主張こそ、未来を拓(ひら)くために必要であることが確認されました。
核兵器のない未来を願う市民社会の声、良心の叫びが国連に届いたのは、今回、国連事務総長としてこの式典に初めて参列して下さっている潘基文閣下のリーダーシップの成せる業ですし、オバマ大統領率いる米国連邦政府や1200もの都市が加盟する全米市長会議も、大きな影響を与えました。
また、この式典には、70か国以上の政府代表、さらに国際機関の代表、NGOや市民代表が、被爆者やその家族・遺族そして広島市民の気持ちを汲(く)み、参列されています。核保有国としては、これまでロシア、中国等が参列されましたが、今回初めて米国大使や英仏の代表が参列されています。
このように、核兵器廃絶の緊急性は世界に浸透し始めており、大多数の世界市民の声が国際社会を動かす最大の力になりつつあります。
こうした絶好の機会を捉(とら)え、核兵器のない世界を実現するために必要なのは、被爆者の本願をそのまま世界に伝え、被爆者の魂と世界との距離を縮めることです。核兵器廃絶の緊急性に気付かず、人類滅亡が回避されたのは私たちが賢かったからではなく、運が良かっただけだという事実に目を瞑(つぶ)っている人もまだ多いからです。
今こそ、日本国政府の出番です。「核兵器廃絶に向けて先頭に立」つために、まずは、非核三原則の法制化と「核の傘」からの離脱、そして「黒い雨降雨地域」の拡大、並びに高齢化した世界全(すべ)ての被爆者に肌理(きめ)細かく優しい援護策を実現すべきです。
また、内閣総理大臣が、被爆者の願いを真摯(しんし)に受け止め自ら行動してこそ、「核兵器ゼロ」の世界を創(つく)り出し、「ゼロ(0)の発見」に匹敵する人類の新たな一頁を2020年に開くことが可能になります。核保有国の首脳に核兵器廃絶の緊急性を訴え核兵器禁止条約締結の音頭を取る、全(すべ)ての国に核兵器等軍事関連予算の削減を求める等、選択肢は無限です。
私たち市民や都市も行動します。志を同じくする国々、NGO、国連等と協力し、先月末に開催した「2020核廃絶広島会議」で採択した「ヒロシマアピール」に沿って、2020年までの核兵器廃絶のため更に大きなうねりを創(つく)ります。
最後に、被爆65周年の本日、原爆犠牲者の御霊(みたま)に心から哀悼の誠を捧(ささ)げつつ、世界で最も我慢強き人々、すなわち被爆者に、これ以上の忍耐を強いてはならないこと、そして、全(すべ)ての被爆者が「生きていて良かった」と心から喜べる、核兵器のない世界を一日も早く実現することこそ、私たち人類に課せられ、死力を尽して遂行しなくてはならない責務であることをここに宣言します。
2010年(平成22年)8月6日
広島市長 秋葉 忠利





