パンプキン・シザース 組織人の気概とか

Pumpkin Scissors(1) (KCデラックス)

Pumpkin Scissors(1) (KCデラックス)

 なんだかふと思い出して、本棚の奥に眠っていた「パンプキン・シザース」を読んだ。

 どんな話かというと、架空の世界での戦災復興をストーリーの軸にして、こう、まあなんだ、ああーだめだ! 言葉にできない! 言葉にした瞬間に、大事なものがこぼれ落ちてしまう。これはそういう作品だ。もし興味を持った人がいたら、まず読んでほしい。読め。今すぐこれを読め。なんなら読み聞かせるから! 枕元で読み聞かせるから! いや、漫画を読み聞かせるって意味がわからないけども…。

 取り乱しました。とりあえずアツい展開の正統派漫画なのでオススメです。主人公たちは大きな組織の小さな課で、大きな目標を掲げてちょこまか動き回ります。組織に身を置くことのジレンマだったり、「自分たちのやっていることは、本当に役に立っているのか?」みたいな疑問にぶつかったりして、あれこれ悩むみつつも、最終的には、ちょっとだけ前進している…。そんな感じの漫画だ。

 志を持って組織に飛び込んで、でもいつのまにか初心をどこかに置き忘れてしまって、ともすれば漫然と組織のいち構成員で在り続けてしまっているような人には特に読んでほしい。それは俺ですか。