佐藤多佳子「黄色い目の魚」

黄色い目の魚
 いわゆる青春小説。適当にハッピーエンドで終わらせず、しっかりドロッとしたとこを盛り込んでるあたりがエライ。高校生のときに読みたかったような気もする。
 これまで考えてもみなかったけど、人物画を書くってすごいことだよなあ。

胸がちぎれそうなさびしい気持ちになるのに、いつまでも、そこにいたいと思う。

世界に俺を出していくことはできなかった。だから、世界を俺の中に入れているのだ。

いい顔になりたい―――とふと思った。

「最後は自分だけだ。誰かのせいにしたらいけない」