かきのはぐさ(柿之葉草) 林の中のまほろば  

カキノハグサ

  • カキノハグサ

ヒメハギ科
東海地方から近畿地方の山地に生える、日本列島特産の多年草
葉が柿の葉に似ていることから、この名がある。花も黄色から柿の実の色になる。


カキノハグサはデリケートな植物のようだ。
山の中でもなかなかお目にかかれない。
木漏れ日のチロチロする静かな林の中で、静かに咲いている。
ポツンポツンと距離を置いて咲く株の数は、そう多くは無い。
体を縮めて静かに近寄る。しゃがんで花を見る。造形の妙と命名に感心する。
高さ25cmくらいの細い茎に、見慣れた柿の葉にそっくりの柔らかな葉が広がって、不思議な形の花がのっている。
「心ない人に見つかりませんように。」
「来年は一株でも殖えていますように。」と祈りつつ、そろりそろりと林を後にする。

  • カキノハグサの実 6月26日撮影