キャッシュレス時代の出納簿

svelandski2016-06-21

火 旧暦 5月17日 先負 甲戌 八白土星 夏至 Alf Alvar Sommarsolståndet V25 24594 日目

キャッシュレス社会になると出納簿のつけ方がだんだん難しくなる。僕は日本に居れば日本の、スウェーデンに居ればスウェーデンの出納簿をつける様にしてゐる。スウェーデンの方がキャッシュレスが進んでゐるが、出納簿をつける時の複雑さから言ふと、日本の方がよほど大変である。日本ではコンビニにせよ、文具屋さんにせよ、薬局にせよ、アマゾンにせよ、それぞれのお店にポイント制があって、面倒でもポイントカードを提示して買物をした方が賢いと思ふ。ポイントを貯めようとせずに、なるべく次の買物ですぐに使って、その都度少しでも割引してもらふのが僕のやり方である。SUICA でも支払ひのできるお店は多くなったが、SUICA は電車やバスを利用する時に使ふのみで、物品の購入にはなるべく使はない。こまめに履歴印字して出納簿に写し替へる。どの駅からどの駅まで電車で移動したかも出納簿が教へてくれる大事な日記である。SUICAEdy や宅配便のカードはまとまったお金をクレジットカード等から移して使ふので、出納簿にはそれぞれのチャージ残高が分かる様に支出を記入すると欄が横に長くなる。クレジットカードも持ってゐる枚数だけ横の欄が長くなる。商品券による支出の欄も作るとまた長くなる。航空会社のマイレッジは単位がマイルであるが、それで航空券を買ふこともあるから、それも出納簿に記入するとまた長くなる。ポイントとマイルの交換なども記録に残す。こんな風に横に長い出納簿になると、スマホの様な小さな画面でつけるには無理がある。そしてこれを毎日つけるのには結構時間を使ふ。そんなものつけなければ良いぢゃないかとも思ふが、貧乏性の悲しいサガで、つけてしまふのである。守銭奴と呼ばれるかもしれないが、お金はもともと自分のものではないと思へば、お金を預かる者の責任として、自分がどこに幾ら使ったかだけはきちんと記録に残したい。キャッシュレス社会は、消費者個人からみた場合の消費記録を一覧として残しにくい様に分散させてしまふ欠点がある。それだけ麻薬の様にお金を使はせてしまふ仕組みである。便利な様で不便だ。現金の出入りだけを出納簿につけてゐれば良かった時代は単純で良かった。スウェーデンでは横に短い出納簿で済んでゐるから、その意味ではスウェーデンの方が住みやすい。