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   去る09年7月16日のトムラウシ山での遭難事故で亡くなられた方へ心よりご冥福をお祈りいたします。
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2012-11-05

アミューズトラベル社のツアー運営体制

万里の長城遭難事故の続報によると、ガイドの人選は、去年入社した中国国籍の添乗員や現地の旅行会社に任せ、会社としてガイドの名前や経験などは把握していなかったそうです。

万里の長城 会社でコースの下見行わず(NHK News Web)

11月5日 19時24分


中国の河北省の山間部で、日本人観光客4人を含む5人が大雪で遭難し、3人が死亡した事故で、ツアーを企画した旅行会社によりますと、日程やコースなどの計画は地元の旅行会社からの情報などを基に決定し、会社としてコースなどの事前の下見は行わなかったということです。

海外の山岳ツアーに詳しい専門家は、3年前、同じ会社のツアーで起きた、北海道大雪山系のトムラウシ山での遭難事故の教訓が生かされなかったのではないかと指摘しています。

ツアーを企画した東京・千代田区の「アミューズトラベル」の説明によりますと、「万里の長城」を歩くツアーは今回初めて企画したものでしたが、日程やコースなどの計画は、地元の旅行会社からの情報などを基に決定し、会社としてコースなどの事前の下見は行わなかったということです。

また、今回のツアーには現地のガイドがついていましたが、ガイドの人選は、去年入社した中国国籍の添乗員や現地の旅行会社に任せ、会社としてガイドの名前や経験などは把握していなかったということです

今回の事故について、日本山岳ガイド協会の理事長で、海外の山岳ツアーの旅行会社を経営している磯野剛太さんは、「まれな大雪だったとはいえ、どうして3人が死亡するような結果になったのか、非常に疑問だ。初めて企画するツアーでは通常より手厚い態勢で臨むのが普通であり、ガイドの名前も能力も分からないというのは考えられない。ツアーの態勢に問題があった可能性がある」と話しています。

アミューズトラベルは、3年前、北海道のトムラウシ山でガイドを含む8人が死亡した登山ツアーを企画した会社で、この事故のあと、磯野さんは、業界として事故原因の調査に当たりました。

今回の事故の原因について、磯野さんは、「冷たい雨が雪に変わるなかで行動を続けたため、低体温症になって衰弱した可能性が考えられる。そうなる前になぜ引き返す判断ができなかったのか、ガイドや添乗員の判断が問われることになる。トムラウシ山の遭難事故のあと、アミューズトラベルは会社として再発防止に取り組んでいると聞いていたが、今回、判断が現場任せになっていたのを見ると、教訓が生かされておらず、取り組みが不十分だったと言わざるをえない」と指摘しています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121105/k10013266291000.html

あまりにお粗末な話ですが、もっと残念に思うのは、上記のNHK報道記事中にある、日本山岳ガイド協会の理事長さんのコメントです。

このブログで私は、同協会が出した「トムラウシ山遭難事故調査報告書」にはいくつかの不備があると指摘してきました(トムラウシ山遭難事故調査報告書のまやかしと盲点 - + C amp 4 + 参照)。

このなかで、私は事故調査報告書は、リーダーの過失・能力不足に焦点を当てたために、全体として、ガイドをもっと鍛えようというマッチョな結論に仕上がっていて、本来ツアー会社が監督すべき登山計画策定プロセスへの考察が抜け落ちていると指摘しました。また同報告書はツアー会社のリスクマネジメント体制に問題があるとしながら、同社への踏み込んだ調査を実施した形跡がみられないことも調査不足を感じました。

本報告書はきちんと旅行会社について事実を確認したのだろうか

報告書はこういった形での提言がなされなかったのみならず、実際の事故を起こしたツアー会社において、それをしていたのか、どの程度なされていたのか、それともしていなかったのか、その事実についてもあいまいな記述の仕方をしています。

そのために、スタッフ・ミーティングをしっかり行なうよう、会社としての指導が徹底されていたとは思えない。(P40)

などと報告者自身の憶測や認知を表明しているのはあきれます。それならば何の取材もせずに書けるブログでもできることです。いったい何を調査してきたのでしょうか。

企画会議の議事録の入手やインタビュー調査まで行ってほしかった。

事実を入手してはじめて意味のある提言ができるというものです。

トムラウシ山遭難事故調査報告書のまやかしと盲点 - + C amp 4 + 参照

同様の不満は『トムラウシ遭難はなぜ起きたのか』羽根田治, 飯田肇, 金田正樹, 山本正嘉共著にも感じています。

ガイド協会にしても、これらの著者には事故を起こした会社のマネジメント体制を調査し、教訓を世間に共有する社会的責任があったと思っています。それが欠落した報告書や著書には失望していましたが、教訓を伝える責務があったのは、アミューズだけではなく、磯野さんあなた方の協会だったのでは?業界の一部じゃないですか。アミューズ社を放置した責任を少しは感じていただきたい。

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