コリン・ウィルソン追悼読書

去年暮れにコリン・ウィルソンが亡くなっていたことを今ごろになって知る。ちょうど今、彼の自伝「発端への旅」を読んでいて、それが予想以上におもしろく、そしてまた大いに共感し、このつまらぬ日常を生き、働くはげみにしている。かれの著書がなかったら、いったいぼくはどうなっていたことだろうか。彼のいうように悲観主義オブローモフのように、きっと今もまだ引きこもりつづけ社会から隔絶するという、緩慢な自殺をつづけていたのかもしれない。コリン・ウィルソンの、自分に甘いとよく批判される楽天主義は、すくなくともぼくを勇気づけ、またふたたび、よりよく生きるということに焦点を合わせることができたように思う。

ところで、かれの小説の方はまだ手つかずなので、これからまたいろいろ読んでいきたい。スパイダーワールドがおもしろそうだ。

発端への旅―コリン・ウィルソン自伝 (中公文庫)