HERZ “KNOWLEDGE BAG”

『イル・ポスティーノ』という映画がある。
イタリアに亡命したチリの詩人パブロ・ネルーダと、彼のもとへ届く手紙を配達するイル・ポスティーノ=郵便屋との交流を描いた作品である。
私は郵便屋の持っている鞄が欲しかった。彼はいつも肩から鞄をさげて、自転車に乗ってやってくる。詩人へ宛てられた手紙が詰められたその鞄は実直に仕事に応え、使い込まれた皮革は日に焼けた郵便屋の肌のようにすべやかだ。
そういう確かな機能性とシンプルな美しさを兼ね備えた鞄を私はずいぶん長い間探していたのだが、青山にあるHERZという小さな鞄屋で、ついにそれを見つけることが出来た。
その鞄にはナレッジバッグという名前が付けられている。
鞄のデザイナーの名前にちなんで命名されたその鞄は学生が教科書やノートを詰めて、知識を詰めていけるようにという思いで作られたそうだ。と同時にデザイナーは郵便屋の鞄をもモチーフとしていたという。私が欲しかったものを誰かが作ってくれていた。素敵なことだ。
革製のショルダーバッグで、A4サイズの用紙がちょうど入る大きさ。マチが見た目より広く、容量が大きい。本当に詰め込みたいものは全て入ってしまうような安心感がある。ラティーゴと呼ばれる成牛の革が使われていて、非常に堅牢。そして重い。鞄を背負っていることをいつも意識させる存在感。使い込むほどに色に深みが増し、艶がでてくるそうだ。大切に使えば、本当に一生使えるものだと思う。むしろ今は、私はこの鞄に負けてしまう。分不相応なのだ。この鞄が似合う人間にならないといけないのだろう。知識を得て、風格を纏うことによって。


http://www.leatherbag.co.jp/2_basic/database/c/c137.html

MOLESKIN スケジュール+ノート 2008年


スケジュール帳を持たずに生きてきた。22歳である。
別になくても困らない。単に予定だけならケータイで管理できちゃうし。
問題は、過去の記録が残らないこと。たとえば「何月何日にナントカいう映画を観た」「何月何日に女の子とデートした」のような、日常のちょっとした出来事を留めておけない。ケータイのデータはいつか消えてしまう。
そこでノートだ。日記は続かなくても、スケジュールを紙媒体で管理すれば自分の生活の軌跡のようなものは辿ることができるはず。
ということで、ピカソヘミングウェイも使っていたというMOLESKINのスケジュールノートを年内に買おうと思う。つまり明日までに。大丈夫か。

会田誠 『MONUMENT FOR NOTHING』

MONUMENT FOR NOTHING
東京都現代美術館にて発見。
私が寡聞に過ぎないのかもしれないが、会田誠の活動は殆ど世間に知られていない気がする。それ以前に私が雑誌か何かで知り得た情報は、無精髭を生やした二枚目の絵描きが巨大化した科学特捜隊の女性隊員の春画をやけに精緻に描いているという程度であった。
その「巨大フジ隊員VSキングギドラ」という絵は会田誠出世作なのだそうだが、集大成的な編纂の本作を立ち読みした限りでは、卑猥さは序の口といったところ。精緻さは彼のタッチの一面でしかなく、子供の落書き風から二次創作漫画風まで変幻自在の作風を見せている。つまるところ、マスメディアが取り扱うには彼の全貌は余りにもアナーキーでフリーキー。ゆえに氷山の一角を指差してあれが会田誠だと言わざるをえないのだろう。それにしても例えばオタク的文脈における村上隆の持ち上げ方に比べると、会田誠への反応はいかにもそっけない。私だって会田誠ルイ・ヴィトンのコラボレーションが絶対にありえないことには薄々感づいてはいるが、この処遇の差には疑問を感じる。
ともあれ、私は5040円の対価を支払ってでも極めてエログロナンセンスなこの画集を手元に置きたいと考えるのである。

無印良品のミトン


http://www.muji.net/store/cmdty/detail/4945247191097
手袋は去年買ったのだけれど、ダースベイダーを意識して革製にしてしまったせいで、本当に寒い雪の日などは使用を躊躇われてしまう。そんなブルジョアな袋小路に陥っていたときに無印良品のネットストアで発見。このミトンなら気兼ねなく雪合戦できるし、かまくらだって作れるだろう。ミトンのカバーを外せば半指の手袋にもなるので、みかんの皮をむくことも可能。
カーキ・紺・チャコール・黒の4色。ダースベイダーを意識して選んだ革手袋はもちろん黒なので、色はチャコールを選ぶ。紺も良い感じだ。無印のニットは色身が落ち着いていて使い回し易いと思う。

http://www.muji.net/store/cmdty/detail/4945247191080