都市を診る

日本建築学会の「建築雑誌 2006年12月号」の「特集::中国ーそこに日本の建築世界はどうかかわれるか」に記事「「都市を診る」ー中国での環境保全の実践」を寄稿しました。

中国に生まれ、東京大学の土木学科で学び、現在慶応義塾大学SFCで教鞭をとる厳網林助教授のインタビューをまとめたものです。地理情報科学を専攻し、中国各地での環境保全活動の実践も行う立場から、日本と中国での研究や実践の違い、現在急速に開発がすすむ中国の状況についてお話を伺いました。

一般書店では手に入りませんが、お手元にある方はぜひご一読ください。

「都市の中」の環境と「都市の外」の環境を一緒に理解していないことが大きな問題になります。(中略)都市の内外を分けずに環境をとらえる視点が必要だと思います。

理想的な都市や理想的な建築というのを考えて、それにできるだけまちを近づけるというのは都市計画のひとつの典型的なあり方だと思います。(中略)それに対して(「都市を診る」という視点で)まず診断して、悪いところを取り除く、あるいは悪いところと一緒に暮らすための策を考えるといった、今ある都市をベースにしてそれをつきあっていくという方法もある。

この中国特集は松原弘典さんを中心に編集され、東福大輔さん(磯崎アトリエ)、早野洋介さん(北京MAD)、茅暁東さん(日本設計上海、大野研OB)、劉域さん(UAA)、許教授(清華大学、ワークショップ)、王さん(北京大学、大学院同級生)、梶原文生さん(都市デザインシステム)、豊田敬介さん(元SHoP)など、大学、ワークショップ、お仕事などの関係でいろいろとお世話になった方々が勢揃いされていました。

僕の限られた中国体験が非常に充実したものだったのだという思いと、結構偏った情報で特集が成り立っているのではないかという疑問が生じました(笑)。