ぎっくり腰なのは何も俺のせいではない。あの女があんな無理難題を押し付けた上に手酷く俺を武庫川の彼岸まで投擲しようなどとは東浩紀でも気づかなかっただろう。
ところで今回の俺の話題は最近見つけた格好のズリネタであるこの本についてである。(←
ゲスト談)

ヴァレリー・セレクション (上) (平凡社ライブラリー (528))

ヴァレリー・セレクション (上) (平凡社ライブラリー (528))

新刊購入。没後50年、まだまだこの作家は研究しつくされてはいない。1917年「若きパルク」で一躍フランス最高の詩人として脚光を浴びて間もない頃 ・・・フランス全土が、そう、知識人から庶民にいたるまで、「美しい時代は終わった」とベルエポックへの淡い追憶に浸っていた時期に、長く伝説的とも神話的とも言える<沈黙>を守り続けたヴァレリーは「精神の危機」を完璧なタイミングで発表したのだった。間違いなく「美しい時代は終わった」ことをウイッティな筆致で書き綴った記念碑的なエッセイを収める本セレクションは、今日の混迷する世界情勢に生きる21世紀人のわれわれにこそ再読の価値がある。