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流浪の狂人ブログ〜旅路より〜 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2014-03-27

「アナと雪の女王」感想

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 世界にその名を轟かせるウォルト・ディズニーアニメーション・スタジオズの最新作は、アンデルセン童話「雪の女王を原作にしながら、二人の姉妹が真実の愛を探すべく翻弄するオリジナル・プリンセスストーリー。

 公開と同時に、世界中で大ヒットを記録。既に興行収入10億ドルを突破し、あのトイストーリー3」が持つアニメ歴代最高額に迫る勢いと噂される本作。本国アメリカでは、イディナ・メンゼル演じるヒロインの一人エルサが唄う挿入歌Let It Goを、一緒に歌いたいと熱望するファンが急増。急遽、一部の映画館で「合唱OK」の上映が決まったという。プリキュアミラクルライトみたいなもんか?(多分違)

 さておき、肝心の中身に関して言えば、ベタすぎるぐらいにベタ、分かりやすすぎるぐらいに分かりやすい、同スタジオが一世紀近く前から作り続けてきた、ド定番なお姫様もの。いかにもな伏線、フラグがいかにもに発動し、いかにもなイケメンがいかにもな活躍をし、いかにも裏がありそうなヤツがいかにもな行動に走るといった内容で、正直、そういった意味での驚きはない。
 しかし、そのド定番なストーリーの中に、シリアス、コメディ、ラブロマンス、さらには楽しくも美しいミュージカルまで盛り込み、最後まで観客を飽きさせない、入場料相応かそれ以上のハラハラドキドキと涙と笑いをキッチリと提供してくれる姿勢と力量は、さすがはアニメ界の首領ディズニーといったところ。

 上記した劇中歌及び楽曲の素晴らしさはもちろん、キャラクター一人一人の動き、表情も抜群で、特にCMにも使われている、エルサが魔法で氷の城を作り上げるシーンは圧巻の一言。よく、ゲームのイベントCGや歌手のPVを指して「まるで映画のような」と評する場合があるが、実際の映画の劇中に登場し、その世界観や物語を破綻させる事なく存在、且つ、そこだけを切り取っても商品として充分に価値のある作品というのは、そうそうお目にかかれるものではない。
 昨今、日本で放映されるアニメ作品においても、いかに細かく描き、いかに激しく動くかに重きを置く傾向が向けられるが(それがまったく悪いという意味ではない念のため)、もっと単純に、プリミティブに、この絵が動き、躍動している事に、素直な感動を覚えた。かぐや姫の物語の感想でも似たような事を書いた気もするが、テクニックや経験を重ねた結果、それらを凌駕した境地、言うならばアニメーションの語源である「アニマ=命を吹き込む」の原点にして到達点を、垣間見たような気がした。
(ちなみに小生は、これを「正拳突きの凄み」と呼んでいる)

 ぶっちゃけた事を言えば、本作の一番の悪役は、どこぞの悪徳大臣でも、某あいつ(ネタバレ回避)でも、ましてエルサでもなく、エルサアナの両親だと言い切れる。
 彼らの所業は、愛するわが子を守ったつもりで、実は何一つ解決策を見出していないばかりか、臭いものには蓋の精神で問題を先送りにしたにすぎない。その結果、エルサは心を閉ざし、自身とその力を呪うようになり、アナもまた、愛する姉との仲を引き裂かれ、寂しい幼少時代を過ごす事となった。仮に当時の姉妹と自分達にとって、それが考えうる限りベターな策であったとしても、秘密を未来永劫隠し通す事はできないはず。ならば、せめて家族と信頼できる部下にだけは真実を打ち明け、解決法を探すべきだったのではないか。
 勝手な想像を言うと、あの親は揃ってエルサアナ過小評価、言葉を変えれば心のどこかで信用していなかったのではないだろうか。血を分けた娘にそんな馬鹿な、と思う人もいるかもしれないが、もしアナエルサを気味悪がり、最悪憎んだりしたら、もしエルサがこのまま力を制御できず、自分達を含め周囲の人々に大きな災いをもたらす存在になったら、もしエルサの力が他国に知れ渡り、魔女を擁する国として敵意を向けられたらと、そればかりを気にしていたきらいがある。
 実際、予感は一部的中してしまったのだが、その要因を作ったのも、あの親であったと言える。そう考えると、これは最後まで娘二人を信用しきれなかった親と、最後まで自分の姉妹を信じた二人による、相対の物語とも言えるが、多分思いっきり的外れな見解だろう(エー)。


 本題から脱線しまくったが、ともかく。あいにく時間の都合で吹き替え版を鑑賞したが、エルサ演じる松たか子と、エンディングテーマを担当したMay J.も、オリジナル版とはまた違った味があってグッド。特に松たか子は、失礼ながら根本的な歌唱力という意味ではオリジナルに及ばないものの、持ち前の表現力と感性で見事にそれをカバー。気持ちのこもった歌声に、目頭が熱くなる事ウケアイ。
 アナ演じる神田沙也加も、母親譲りの歌唱力と、確かな演技力で、守られるより守りたい現在っ子然としたアナのキャラクターを好演(ちなみに、彼女は声優学校に通っていた事もあり、2012年には貧乏神が!声優デビューも果たしている)。これまで個人的には大嫌いな聖子ちゃんの七光りだけの子かと思っていたが、今後は考えを改めなければならない。とはいえ、できれば日本語字幕版も、機会を見て鑑賞しておきたい。


 総じて。モノとしてはラプンツェルの方が面白かったし、これがディズニーアニメの最高傑作とは言わないものの、映画館で金を払って観るだけの価値は、充分以上にある作品。特に劇中歌は、一生に一度はスクリーンで、それもできるだけ音響設備の整った館での鑑賞を強くオススメする。


 ☆☆☆★★++

 上映前の短編にも注目。星3つプラスプラス!!






 ちょっとだけネタバレ。この映像、本編でそのまま使われてます。スクリーンで観ると鳥肌立つよ、マジで。












ふじき78ふじき78 2014/03/28 22:37 「ラプンツェル」と比べると、アニメートと歌は抜群にアナが上。話の面白さはラプンツェルだと思います。個人的にはどちらもラスト「愛があれば奇跡は起こるのよらららら〜♪」な部分は、気分ではなく、合理的な解釈が出来る展開にしてほしかったと思うんですが。

synkronized417synkronized417 2014/04/03 22:12  ふじき78さん、いつもありがとうございます。

 まったく仰るとおりだと思います。イイハナシダナー以上に、ちゃんと理屈が通る、あるいは予想の余地が残された落とし方にしてほしかったところです。まあとはいえ、充分に面白い作品には変わりありませんので、今度は是非とも、日本の御伽噺に挑戦していただきたいものです(ソウカ?)。

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