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所長サンの哲学的投資生活 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2016-04-22

中国の不動産投資のこれから

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せっかく西安に戻ったので、
たまには不動産のことも書いてみます。

近ごろ上海や深センなどの1級都市では再バブル?的な様相だと、
地方でも報じられています。
日本のかたにとって、中国は乱開発で鬼城が多発している、など報じられたのに、
「いったいどうなってんの?」というかんじでしょうか。

この現象は地方から眺めると理解しやすい。
原因は、「あたらしい流動性とその局所集約先」が1級都市だということです。

あたらしい流動性とは何か?

その前に、前回のバブルと今回のブームでは、
どこが違うのかをかんがえてみたいとおもいます。

90年代に始まった不動産バブルは、もともと国や公社から貸与された住まいが、
ある日自分の所有になることから始まりました。
大きな波は2回あって、
81年に公房を1/3の値段で個人が買えるようにした制度で、
一部で実験的に施行されました。これは三三制と呼ばれています。

次は90年ごろにほぼ全ての世帯を対象に(農村を除いて)成人の職業人に対して、
これも部分または全額で買い取らせる制度が施行され、
当時の職場の賃金から無理のない金額で突然不動産が自分のモノになったわけです。

中には住んでいた公房が個人へ売却は認められず、
使用権のみが払い下げられた物件もあったようですが、
それでもぼくの友人の話では150元ほどを現在も国へ支払い、
1200元ほどで別人に賃貸に出すなどしてメリットを得ているケースもあります。
オンボロでも辛抱強く待ってれば、タワーコンドに建て替えられたりするので、
その際はめでたく区分所有の権利を獲得できます。
こうしてバブルの原資といえるタネ銭が個人へ振り撒かれたわけです。

いずれにしても、突然手に入れた不動産受益権をもとに、
個人が爆発的に利殖に突き進んだのが90年代から起きたバブルでしょう。
元来投資の出口などわかりません。気が付けばみんな売買するから値が上がる。
なんでも売れるからなんでも買う。よくわからないが今のうちに買っとけ、という、
いってみれば青田買いバブルです。

ところがリーマンショック後、なんでも売れなくなった。

同時に大きな価値観の転換が起きました。
オンボロの公房から飛び出した頃は、コンドミならすべては素晴らしいモノにみえ、
どこに建てられようがその価値は未来にむかって膨らんでいくモノだったのですが、
リーマンショックでリセットされたとき、
流動性の対象は実利的なものに移っています。

実利的、というのは有名中学に通えるとか、便利な商店街が近いとか、です。
そういう中身のある物件を自然に残すようにして、所有を絞るようになった。
しかも中身のある物件なら不況でも売れる。
基本的に住み替えを頻繁にする都市部の中国人は、
いくら投資用といっても自分が住みたい物件を買う傾向があります。
不便で住みたくない物件には「青田買い」をしなくなったのが今の流れでしょう。
共産党時代の古めかしい公房にはもう戻れないのです。


**


冒頭のあたらしい流動性とは、
「中身のある物件に選好が集約してきた」ことです。

「自分で住んでもいい」と購入者が感じることができる物件に集中しており、
鬼城と呼ばれるひと気のない物件は、そもそもいま起きている流動性に含まれず、
完全に市況と区別されます。
青田買い時代のバブルとの違いは、流動性が選択集中されていることで、
郊外との距離が近い地方都市ではそれがより顕著です。

地方でみえるその選択集中が、
より局所的に倍化集約されるのが、上海や深センであります。
1級都市では地方に対する集約先としてのレバがかかっての、
今回の再バブルになっている気がします。

この再バブル、一過性というよりも意外に根強い気もいたします。
というのは先述したように、
中身のある物件に選好対象が移るという <変化> そのものだからです。

この変化に乗り遅れてるものとして、二手(中古市場)も面白いとおもってます。
今はまだ「新築でさえ回復しないのに中古なんて」というのが西安人の印象です。
しかし、ある意味新築でも「中身のない物件」は流動性から外れるため、
投資ならば流動性の中心にお金を置くことをかんがえるべきで、
そうしますと地下鉄駅至近とか、有名中学の学区とかに、
安値で放置されてる「中古」は、あたらしい流動性のむかう対象になります。
新築における、デべの不履行やら物件の瑕疵などのトラブルにうんざりしたかたが、
中古を見直す動きも出てきております。

こうした、あたらしい流動性をみていきますとですね、
上海や深センでまたバブル?というよりも、
中身の違うあたらしいバブルが来ている。というほうが、
中国の内側から見える感想です。

西安でも一部に底を拾う動きが出てきております。
まだ下がるかもねえ、とおもってるうちに気がつけば反転、という可能性もあり、
このへんでそろそろ買いに回っても面白いかなああと、
私見ですがお仲間にはお伝えしております。
ただし、くれぐれも中身のある物件。ということで。