ぼくたちは何だかみんな忘れてしまうね

片付けをしていたら、昨年3月14日の朝日新聞が出てきた。
震災の3日後。
まだまだ被害の全容もわからなかった頃。

何が被害を大きくしたのか、何をすればよかったのかもわからなかった。

原発の損傷も、電力の復旧状況も、
もちろんこれからの将来のエネルギー政策の根本をゆるがす問題になるなんて
想像していなかった。
このあと、日本の全原発は停止する。

私の住む地域では一日だけ輪番停電にあたって、
消えたこたつに入って懐中電灯のあかりで本を読んだ。
父が誕生日にくれた「茗荷谷の猫」
静かで、心細い夜だった。

あれから1年余りたって、被災地の人以外はあのときのことを忘れている。
もちろん自分も。
大きな地震など以前も、これからも起きないような気持ちで毎日を送っている。

一年前の新聞を読んでいて、当時の気持ちを思い出した。
続く大きな余震にも、電力の不足にも強い不安を感じ、おびえながら生活していたっけ。

それにしても。
たった1年で、安心して、自分が生きている間に地震は起きないだろう、
なんていう根拠の無い期待値で目をつぶって。

家具の転倒も、通信手段の確保も、一定量の現金の所持も、
ちゃんと考える。
今日はクリスマスイブ、そしてもうすぐお正月だけど
部屋の片づけをして、リスクを減らすための日々の用意にいそしむ年末にしよう。