「これも自分と認めざるをえない展」佐藤雅彦氏オープニングトーク

佐藤雅彦ディレクション
「これも自分と認めざるをえない展」

2010年 7月16日(金) – 11月3日(水・祝)
東京ミッドタウン(六本木) 21_21 DESIGN SIGHT
http://www.2121designsight.jp/id/


7/19(月・祝)
佐藤雅彦氏によるオープニングトークに行ってきたので、その覚え書き
(以下は必ずしも氏による言葉ではない)
決してネタばれとかは無いけれど、展覧会に行って来たひとが読んだ方が腑に落ちるわな




・今回の展覧会のテーマは「属性」

・今回の展覧会には達成感がない。何故なら、「ピタゴラスイッチ」を見るのと同じ視線で、ただ「楽しかった」「おもしろかった」で、展覧会を通り抜けてしまう人が多いようだから
・本当は「怖い」ものをつくった。楽しんでもらっていいのだが、その奥にあるものを考えて、持ち帰って、その疑問をふくらませて欲しい
・最初(2009.3.30)に三宅一生氏に依頼されたのが「大いなる疑問を持ち帰るような展示をして欲しい」ということだった
・できれば、来場者一人一人に作品の説明をしたいくらい(実際、会場に居る時にはしてしまう)
・100位は企画を考えた
・展覧会を最も如実に表している展示は「指紋の池」

・「指紋」に対する愛しさが生まれます


当初の展覧会タイトルは
「これもまさしく自分である展」
という希望に満ちた前向きなものであった・・・



・「属性」とは
1. その本体が備えている固有の性質・特徴。
2. それを否定すれば事物の存在そのものも否定されてしまうような性質
(『大辞林』より)



・2つ目の意味を非常に恐ろしい。ここに気づき、「金魚が先か、自分が先か」などの作品が生まれていき、展覧会の方向性が変わった

・すでに告知は始まっていたが途中から
「これも自分と認めざるをえない展」という苦々しいタイトルに変更


「金魚が先か、自分が先か」

・この作品には当初「金魚」は居なかった。その時に「ツマネエな〜、これは展示するのヤメとこうかな」と思ったそうだ。
・金魚が居ることで、いっきに展覧会の核心を担う作品になった。恐ろしいほどに。


・魚のアジは、「自分」のことをどう認識しているのか?
 アジには「自分」なんてない。世界があるだけだ。

・「自分の存在意義」とか「事故実現」とか、自分に「ぴったりなもの」をつくってみても、そこには違和感しか無い。そういったことに縛られずに自分を解放=自由に動きまわる べきではないだろうか。


■この会では「今ここに集まっている私たちはどういう人達なのか?」という集計が取られました。

本当は、この集計からいろいろやりたかったみたいですが、展覧会のお話で時間が失くなってしまい、集計結果の発表だけがされました。そして、それは非常に興味深い結果に・・・

■ここに集まった人数・・・464人
■血液 A型 34.8%(全国割合 38.2%)
■血液 B型 24.1%(全国割合 21.9%)
■血液 O型 30.6%(全国割合 30.5%)
■血液 AB型 10.5%(全国割合 9.4%)


参院選に投票に行った人 58%(全国投票率 57.92%)

これらは、ほぼ全国平均と同じいう、あまり面白くない結果(佐藤氏は会場にはAB型とか多いんじゃないかな?と期待していた)だったんですが・・・


Mac派である 60.3% (全国シェア 4.99%)
iPhoneユーザー 42.7%(全国シェア 4.9%)

という、まさに「属性」が垣間見れる結果に。
そして、果たして「シェア」というものにはどのくらいに意味が?という疑問が。

さらに・・・


■テレビは地デジ 56.4%(全国割合 83.8%)

に至っては、むしろ「83.8%」という政府発表の数字自体に疑問を感じざるをえない結果に。

そして、番外的に・・・

■いま実はトイレに行きたい 12.1%


イベントが始まってすぐのアンケートで、12.1%の人が「トイレに行きたい」って、実はコレが一番ビックリな結果でした。


佐藤雅彦氏のおはなしを聴くたびに思うのです。そして今回も思いました。
「この人はモテる。間違いない」


佐藤雅彦 公式HP
http://www.masahicom.com/

佐藤雅彦 Wikipedia
http://hiyo.jp/2i

佐藤雅彦 - animation for concepts