裏ワザ?

 とある仕事で、バスリコーダーを使った。
 楽器は随分前(2、30年前?)から持っていたのだが、アンサンブルをやる時は、普通は自分がソプラノなど、上の方を担当する事になって、バスは他の人がやる事が多いので、あまり使う機会が無かった。
 久しぶりに楽器を出してみると、キーの音が、カチャカチャとかなりうるさい。

 まずは、オイルを挿す事から始まる。 キーのクッションに付いているコルクが堅くなってしまっているのも原因の一つだが、注油する事で、かなり改善された。
 さほど難しい曲では無かったのだが、一箇所、上のDの音、(低音部記号で上第二線、つまり、ソプラノの指で云うと、加線1本のAに相当)が何度か出てきて、これがどうにも出にくくって、往生した。
 そうこうする内に、オクターブホール、つまり左手の親指のところだが、普通は、オクターブ上を出す場合、指を立てて、爪の側に隙間を開けるのだが、これを爪側だけではなくて、指の腹側も空かせると、うまく音が出る、と云う事に気がついた。
 微妙なところだが、結構太い指なので、裏と表では7、8ミリは違ってくる事になる。
 まあ、安物の楽器なので、この程度の事は我慢しなければいけないのかも知れないが、この方法を思いつかなかったら、どうなった事やら。
 しかしながら、よく考えてみると、この楽器を買った当初、同じように、この音が出にくくて、四苦八苦した結果、その両側に隙間を開ける、と云うワザを発見していたのを思い出した。
 なんせ何十年も前の話なので、忘れていても仕方が無いと云えばそうなのだが、もう少し早く思い出せば、余計な苦労をしなくて済んだ、と云うところだった。
 リコーダーの教則本を見ても、親指の腹側を開ける、なんて事は書いていないだろうから、裏技と云えなくもないだろう。