「ここは退屈迎えに来て」読了。
Twitterで見かけて、タイトルのひびきがよくて購読。
- 作者: 山内マリコ
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2012/08/24
- メディア: 単行本
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東京から地元に帰ってきて就職して、現状の折り合いをつける女性からはじまる物語は、読み進めるに従って、語り手が変わり、年代と世代がさかのぼり
現実にたいしての理想や願望や欲望や妄想の比率が増してゆき、それゆえにか少女性が浮き彫りにされていく。
ラスト2本にいたっては、もはや三十路のおっさんと相成った自分にとってはファンタジーの領域。
とはいえ、そこだけだったらよくある地方都市在住少女があこがれるケータイ小説みたいなものなのだけれども、構成の妙でむしろそのカウンターのような作品になっているのが面白い。
参考文献のファスト風土や速水健朗。まさかの「文化系のためのヒップホップ入門」からしてそうだけれども、作中で取り扱われるサブカルガジェットが自分に近すぎて、うまく俯瞰できない。
地方都市小説というジャンルで辻村深月の「鍵のない夢を見る」と読み比べたい。