Roy Harper & Jimmy Page "Whatever Happened to Jugula" (Nik Green追悼)

先日、Tony Franklinが盟友Nik Greenの訃報を伝えました。
お悔やみを申し上げます。
Tony Franklin - Nik Green (Blue Murder's keyboard player)... | Facebook
Tony FranklinもBlue Murder時代の写真を多くあげてますね。
Blue Murderのデビュー時のインパクトはよく覚えてます。


Tony FranklinとNik Greenの付き合いは相当古いです。Blue Murder以前、Roy Harper時代からその付き合いはありました。
Roy Harper & Jimmy Page "Whatever Happened to Jugula" (1985)

1 Nineteen Forty-Eightish
2 Bad Speech
3 Hope
4 Hangman
5 Elizabeth
6 Frozen Moment
7 Twentieth Century Man
8 Advetisement
Roy Harper; guitars
Jimmy Page; guitars
Tony Franklin; bass
Nik Green; keyboards
Ronnie Brambles; drums
Steve Broughton; drums
Preston Heyman; drums


基本フォーキーなSSW系の作風なので、いくらJimmy Pageがいるからと言って爆音ギターが聴けるわけではないけど、Tony Franklinはこの頃からフレットレスの膨らみのある音を聴かせてくれる。"Hope"はPink FloydのDave Gilmourとの共作。ドラムは数人使っているが、Edgar Broughton BandからSteve Broughtonが参加しているが、どの曲で参加しているかクレジットは特になし。
本作ではNik Greenはエンジニアとしてもクレジットされていて、スタジオ・ワークも得意だったのがわかる。本作の後もTony FranklinとNik GreenはRoy Harperのアルバムの諸作に参加する。Roy Harperの彼らへの信頼度の高さがわかる。

Roy HarperとJimmy PageがOld Grey Whisle Testに出た時の映像がこちら。



Tony FranklinはThe Firmなどへとキャリアを進めるけど、やはりJimmy Pageはこの時から眼を付けていたのかな?
その後Tony FranklinとNik GreenはJohn SykesのBlue Murderで合流。
トリオバンドでよくあるように、最初のラインナップはすぐに崩壊。実はトリオでラインナップを変えて継続って珍しい気も。。。
それだけBlue Murderはバンドというよりはソロプロジェクトに近いのかも。
Screaming Blue Murder - Dedicated to Phil Lynott

1 Riot
2 Cry for Love
3 Cold Sweat (Thin Lizzy)
4 Billy
5 Save My Love
6 Jelly Roll
7 We All Fall Down
8 Please Don't Leave Me
9 Still of the Night (Whitesnake)
10 Dancin' in the Moonlight (Thin Lizzy)
John Sykes; Guitar, Vocals
Tommy O'Steen; Drums
Marco Mendoza; Bass Guitar
Nik Green; Keyboards

John Sykesのバラード集「Loveland」ではTony FranklinとNik GreenはJohn Lennonの死を伝えるニュースをバックにBeatlesのタイトルを列記した"Don't Say Goodbye"に参加。



それにしてもJohn Sykesは動きが少ない。以前、Billy SheehanとMike Portnoyがトリオを結成すべく色々動いていた時、最初にアプローチをしたのがJohn Sykesでしたよね。上手くまとまらず、流れてしまったのは残念。早くシーンに戻って来ることを期待したい。

Keith Emersonの訃報とGreg Lake "Song of Lifetime"

Keith Emersonの訃報に際して、どういう訳か、この動画を思い出したんだよね。


最初の質問者の質問、最後の方が聞き取れないんだけど、YESがELPと一緒にツアーした時の話についての質問だと思うんですよね。
(いつの話なんだろう?)



冒頭から、「Chris Squireと一緒にロンドンで住んでいたんだよ」と。
「みんなYESとELPは仲が悪いみたいに話すけど、全然そんな事ないんだ。友好的なライヴァル意識みたいなのはあったけどね。YESは僕らをHenderson Snake and Charmer(ただの語呂合わせなんだけど、一応snake charmerってのは蛇使いという意味がある。)って呼んで、僕らは彼らをMaybeって呼んでた」。(この件は個人的に大好きです)
「面白い話だと、Yesがプライベートジェットを欲しがっていたんだ。移動に飛行機を使っていたから。その時、僕たちと彼らで同じチャーター会社と(契約を)取ろうと争っていたんだ。彼らは胴体に名前を付ける事を条件にしていたんだ。」
「飛行場へ行って、飛行機が表れた。胴体のところにYESのロゴがあって、彼らはとてもハッピーになったんだ。飛行機が着陸して、YESって書いてあると見栄えが良いだろ?そして、搭乗して、離陸して、ある程度の高度まで上がると、ズルズルと音がするんだ。で、破裂するような音がしたんだ。ヒュ〜ッ、ポン!って。時速500マイルからいきなり一瞬で時速250マイルまで落ちたんだ。何が起きたかと言うと、胴体に付けたYESのロゴはでっかいステッカーだったんだ。それが剥がれてエンジンに巻き込まれたんだ。残ったのはもう片方のステッカーとエンジンだけだよ。想像出来るかい?待っているのは。。。結果、彼らは無事に着陸出来たよ」。
「最初に言ったようにChrisとは仲が良かったし、YESは常に第一線にいて素晴らしいバンドだと思っているよ」。


このKeith Emersonが楽しそうにOscar Petersonとやる映像はとても微笑ましい感じがする。
ドラムはCarl Palmer。



Emerson Lake & Palmerの凄いところは、クラシックやジャズはポンと簡単に飛び越えられるものとして提示してしまったところだろう。
それはひとえに彼のエンターテイメント性が下地にあったから。その圧倒的なパフォーマンスにおいて、(プログレッシブ)ロックというのは何でも飲み込めてしまうフォーマットなんだと気付かせてくれる。そして、リスナーはどんどんそのオリジナルにも食指が伸びる。



The NiceアメリカのNBCの「Specutacular」という番組でZubin Mehta指揮するLAフィルをバックに演奏するという番組に招待されたそうで、そこで"America"を演奏した。この番組にはRay CharlesDaniel Barenboim、Jacqueline Du Pre、Pinchas Zukermanといった他のミュージシャンも招待されていたそう。
そこでヒナステラを演奏したのを初めて聴いたKeith。その時「West Side Storyゴジラに踏みつけられたようなサウンドだ」って思ったそう。その演者João Carlos Martinsの所へ行って「誰の曲だい?譜面を見せて」とお願いしたら「難しい曲なんだよ、これ。でも僕はヒナステラの弟子で彼から直接習っていたから」って言われたそう(簡単って言われたらぶん殴っていたところだって)。この曲を聴いたKeithはとても興奮し、まどろっこしく感じ、強い感銘を受け、好奇心で満たされた、と。一体こんな音楽を書く人はどんな人でそれを誰かに演奏させるなんて、とも思ったそうで。Keithは好運にもこの作者の奥さんAurora(世界的にも有名なチェリスト)がKeithがヒナステラのピアノ・コンチェルト第一の第四楽章を苦労しながらシンセサイザーによる爆音にして録音したかを理解してくれたので、ヒナステラに会う事が出来た。最初にフランス語で「酷いな」って言われた時も、そんなに驚かなかった。そう言われたんだからロンドンへ帰るべきだ、って。でも、そのテープは聞くと言ってきかなかったので、頭からきちんと流したんだ。そしたら「本来私の曲はこういうサウンドで鳴るべきだ」ってKeithに向かって言ったとか。
この言葉をマエストロ本人から言われた時の気持ちは形容し難いよ、と。

その後、偶然にも再びヒナステラの楽譜を見つけたKeith。レコードでは見つけられなかったそうで。それが、この「Steinway to Heaven」に収められている"Dance Creole"。






R.I.P. Keith Emerson

Atomic Opera "For Madmen Only"再発

Atomic Operaの"For Madmen Only"の再発がPledge Musicを通して発表されました。
既にお馴染みのクラウド・ファンディングなので説明も不要かと。。。
サイン付きは勿論Atomic Operaのアルバム3枚買えるオプションもありますね。
Atomic Opera: Re-Release Atomic Opera For Madmen Only on PledgeMusic




Atomic OperaはマネージメントがKing's Xと同じで、Galactic Cowboys同様に弟バンド的扱われていた。タイプは勿論違うんだけど、コーラスが武器だったりと似た要素も。ちょっとKlaus Meine辺りの声を思わせません?




Theme's Parkではこちら。
Atomic Opera

Progressive Live 2014 @ 吉祥寺Silver Elephant 9/25

9月は2回吉祥寺のSilver Elephantへ行くことに。多分、人生初ですよ。
メインはスペインから来たGlazz。
SatelliteとNeo-Zonkというインスト2組。
実はどれも全く事前情報を持ってなく。音もさっぱり?だったので当日いろいろと驚きました。やっぱりライブ、楽しいな。
シルバーエレファントWebSite
まずSatelliteは元々ヴォーカル入りのグループだったのが、ヴォーカルが抜けた為、インストで何が出来るのか見てみよう、って感じで、この日が初(?)のステージだったか、と。
歌入りをベースにしていた、って感じの曲が多く、メロディラインとか聴きやすいバンド。これからも楽しみ。
SatelliteのFacebookがあったので、こちら。
https://www.facebook.com/pages/Satellite/259192994273280


次に登場したのがNeo-Zonk。
こちらも本日の編成では初のステージ、と言っていた。
で、いざ、演奏が始まると、「いや、初めては有り得ないだろ」って思っていたら、元々Zonk Monkというバンドが発展的解散をして、Neo-Zonkになった、とか。
20代女子がキーボードを弾き倒す様は確かに圧巻。おじさん連中が虜なのも頷けます。



11月9日(日)には高田馬場音楽室DXでワンマンだそうです。
ライブ&ダイニングバー音楽室DX


トリはスペインからのGlazz。
もう、リズムの捉え方が全く異次元の世界。何なんでしょうね?あれ?
曲は冗長にならず、非常にすっきりとさせているのも特徴。あれ?ここで終わる?みたいな。
逆に曲を長くしないようにしているようにも見受けられる。その代り、冒頭からヘンテコなんだな。
日本ではレコーディングもしたみたいで、どんな音になるのか楽しみ。




Jack Bruce関連作品 Bruce Cameron "Midnight Daydream"(再掲)

同じ記事を以前にも書いているのですが、追悼記念ということで。
Bruce Cameron "Midnight Daydream" ('99) - Food for Thoughts、Candy for Ears
Bruce Cameronの"Midnight Daydream"はこちらでMP3音源が無料で提供されています。
http://www.handymusician.net/cameronb/midnight_daydream.htm#Download

Jack Bruceは"Doctor Please"と"Raining the Blues"に参加。後者はMitch Mitchellがドラム。

その他にKen Hensleyがキーボードであの強烈なサウンドを出していたり、

Billy CoxとBuddy MilesといったBand of the Gypsys組も器用。この二人、後にBand of the Gypsys ReturnでBand of the Gypysを再開させたりと、その架け橋的な役割もしているので、Jimi Hendrixファンにも重要な作品かもしれない。



Jack Bruce及びCreamファン、Uriah Heepファン、Jimi Hendrixファン、Alice Cooperファンは必聴です。



私もJack Bruceが亡くなった時、R.I.P.という言葉を確かに使ったんだけど、この人ほど、この言葉が似合わない人はいないよな、と思う。
以前、ミュージシャンの引退についてどう思うか?という話をインタビューで読んだ時「ミュージシャンは仕事じゃないんだよ。人種と同じで変える事が出来ない。いつも演奏していないとダメな連中で、曲を書いてないとダメなんだ。ジャズの連中見てみなよ。みんな死ぬまでやってるだろ?ミュージシャンってそういうものだよ。引退とかそういう事じゃないんだ」的な発言をしていた。
日本に住んでいると実感は薄いけど、Jack Bruceは肝移植の手術の後も精力的にライブをしていた。
このギグリストを見るとホント、いっつもライブをやっている。
Jack Bruce - Tour Schedule
Jack Bruce: Past Tours Database
常に貪欲にステージにあがっていた。
きっと、今でもお師匠さんのDick Heckstall-SmithやJimi Hendrix、John Stevensとか。存命中は叶わなかった人とかとジャムとかしてそう。

Wonderworld(またの名をLiveFire)デビューアルバム

Wonderworldのデビュー盤の制作に際してIndiegogoにて資金を募っている。
残り1週間でまだ€1000近く残っている。
WONDERWORLD - debut album! | Indiegogo
Wonderworldはまたの名をLiveFireと言う。そう、Ken Hensleyと活動を共にした
Roberto Tiranti(bass, lead vo)
Tom Arne Fossheim(ds)
Ken Ingwersen(g)によるトリオ。


このKen HensleyのアルバムもまたPledge Musicというクラウドファンディングで制作された。
Ken Hensley: New Studio Album and Live Album on PledgeMusic
この時、スタジオ・アルバム「Trouble」と一緒に制作されたのが2012年に行われたドイツ/スイス・ツアーから編纂されたライブ盤「Live !!」(この時はRoberto Tirantiはまだいなかったみたいですね)。

Ken Hensley(key、g、vo)
Ken Ingwersen(g、vo)
Sid Ringsby(b、vo)
Eirikur Hauksson(lead vo)
Tom Arne Fossheim(ds)
Disc 1
1 Intro / Set Me Free (from Yesterday)
2 The Curse
3 Look at Yourself
4 Circle of Hands
5 July Morning
6 The Wizard
7 Blood on the Highway
8 The Last Dance
9 Stealin'
10 Easy Living
Disc 2
1 Lady in Black
2 Rain
3 Gypsy
4 Love Machine


またRoberto TirantiはNew Trollsのメンバーとして来日経験もあり。

またRobert Tyrantという名前でも活動しているとメタル・ファンはピンとくるはず(実は私は不勉強でLabyrinth知らないのですが。。。)。
面白いところでは最近どうやらイタリアを拠点にしているらしいSteff Burns(元Y&T)とも一緒にSteff Burns Leagueとしてやっている。意外とこれも素晴らしい出来で。このバンドの注目はJuan Van Emmerlootもいることだ。


IndiegogoはPaypalさえあれば決済はOK。
このIndiegogoのキャンペーン・ページの右欄に選択肢がある。私は今回折角なので、€17のWonderworldのサイン入CDに€25を足してKens Dojo & Robert Tirantiのパッケージも(トータル€42)一緒に購入。キャンペーン・ページ内にあるKen Ingwersenにメールを送ってこういう内訳で支払ったよ、という旨を説明したら、快諾してくれました。この機会にあれこれ聴いてみよう、と思う方も是非。

清水一登×佐藤正治 今堀恒雄×太田恵資@Silver Elephant 吉祥寺 4th Sept.

お久しぶり、すぎます。
ライブは見たらメモらないと忘れちゃいますからね。。。残念なことに。

という事で見てきました。
まずは今堀恒雄×太田恵資デュオでスタート。こういう即興を聞く時、私はイメージに頼ってしまう人で。音から連想されるイメージで音を覚える、という。最初はダークで負というか下に帯びていくスパイラルな感じで引き込まれる。そのサウンドの牽引力は流石の一言。時折、即興というより、意外とカチッと来るな、って瞬間も多い。ダークなものから欧州の石畳の歩道に雨が落ちる(ザーザー降りじゃなくて、シトシトって感じ)、グレーっぽい感じに移るようにサウンドが移行した。
小休止を挟んで
清水一登×佐藤正治デュオ。今回のライブ、まずはこの二人で何かやろうか、という所から始まったそう。こちらは即興というよりは、事前にあった曲に即興パートを乗せたような感じ。お二人とも、結構一緒にやってたんだな、って感じで聴いていた(後々、ネタバレがあるんだけど)。こちらも1曲終わった後に、もう1曲やる?みたいな流れから、いや4人で演っちゃいましょうか、という流れで今堀恒雄×太田恵資が合流。ここで100年ぶり話が披露。佐藤「みんな大御所になってしまったんで、ここに来たのが凄い久しぶりで。美狂乱以来30年ぶりぐらいで。」清水「私は新月のヘルプで来たのが30年ぐらい前で」今堀「ぼくも30年ぶりぐらいですよ」太田「私は10年ぶりぐらいですね。合わせて100年ぶりですよねぇ」と。
そんな4方、手探りな感じで音を出しながら、スタート。
もう、そのサウンドにオーディエンスが凄い引き込まれているのが、その場にいて分かる。ここで1曲終わった後、「ここまで1曲も練習した曲やってないよね。凄い練習したんですよ」の一言(やっぱりな〜、みたいな)。「じゃ、練習したヤツ演ろうか」と。
シンフォニック系ジャズロックカンタベリー風味もちょっとあったような。何か凄いの聴きました。ステージにいる4名の笑顔がその出来の良さを如実に表している。観客も「え?何か凄いの見てない?」みたいな、ちょっと唖然とした感じ(私も、だけど)。いや、もうその練習した成果はもっと見たい、聞きたい、です。
今後のこのバンド(?)は必ず形にして欲しいと切に願う私です。