2012-01-31 茨城県図書館協会中堅職員研修会
■[会議・講演など]
「東日本大震災における被害・復興の状況報告」をテーマとした研修会で、事例報告をしてきました。
私の前に、福島県いわき市・笠間市・潮来市・取手市の図書館さんからそれぞれの館の被害・復興が行われて、一番最後に登壇したのが私でした。
私への研修委員さんのオーダーは、東北学院大支援活動についてよろしく、ということだったので、自分のところの被害状況を軽く話した後は、仙台との関わりや支援活動の報告にほぼ終始しました。
自分の番を待っている間、「場違いじゃない?こんな発表していいのかな?」とも思いましたが、公共図書館Webサービス勉強会というコミュニティがあったから仙台での支援活動できたわけで、県内の図書館間でもそういうコミュニティがあれば「明日から肉体労働が続くから○○図書館に男性を何人か回して欲しい」とか、何か相互に連携できたと思うし、だから今こそ、そうしたネットワーク・コミュニティについて、何らか県内全館で合意できないものでしょうか?という提案で締めてみました。
2012-01-15 第41回 場としての図書館
■[本のメルマガ]
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■ 「図書館の壁の穴」/ 田圃兎
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第41回 場としての図書館
インターネットや電子書籍の充実が、書店や出版界ばかりか図書館の存在に
もいよいよ影響しはじめそうな2012年。
ここは座して待つのではなく、積極的に何か仕掛けてみたい。
公共図書館が必要だと多くの人に思ってもらうには、無料で本が借りられる
場だというだけでは、遠からず行き詰る。
もう新刊書店の店頭にないような本や、貴重な郷土資料も図書館がしっかり
保存しているということの重要性や、市民の情報要求に即座に応えられる司
書の必要性、さらには読書推進とか文化がどうだと言ったところで結局は財
政難なのだから、ない袖は振れないと首長や当局に言われてしまったらお終
いだ。
そこでひとつ考えられるのは、やはり場としての図書館の価値を高めること
ではないかと思う。
例えば、千葉県立西部図書館の「まなびトーク」や世田谷区立図書館の「学
びのプレゼン〜学習活動発表会」のような、図書館資料を活用して調べ、そ
の成果を図書館で発表する試みは面白いと思う。
また、アメリカでは図書館資料を使って地元の歴史に関するWikipediaの記
事を書くイベントを行った事例もあるらしい。
○アメリカの事例はこちら
http://current.ndl.go.jp/node/19871
こういうことも、今後真剣に企画してみても良いと思う。
それから昨年の10/30に秋葉原で開催され話題を呼んだビブリオバトルも興
味深い。
○ビブリオバトル公式サイト
既に書店や図書館での開催事例もあるので、運営のノウハウを教えてもらう
こともできるだろう。
年末、Code4Lib JAPANの大忘年会の席で、2011年首都決戦で審査員特別賞を
受賞された「ビブリオお兄さん」こと常川真央さんのデモンストレーション
を間近で拝見させていただいたが、あれは面白かった。
こういった参加型のイベントを考えても良いだろうと思う。
本と人だけでなく、本を介して人と人も繋ぐことができる、そんな可能性の
ある場に図書館が発展するのも、地域の情報拠点として存在感を発揮できる
ひとつの方向性ではないかと思う。
* * *
ところで、長年図書館で働いている私だが、図書館の資料はやっぱり探しに
くいんじゃないかと思うことが多い。
例えば、漠然としたイメージで写真集を探そうと思った場合には、OPACはほ
とんど役には立たない。
カウンターで図書館員に質問するにしても、漠然としたイメージを言語化す
るのは難しいし、そもそも図書館員に質問すること自体、結構ハードルが高
いことだろうとも思う。
現に「利用者の声」というご意見箱に、図書館員を「店員」と書いてこられ
る方も多い。
そういう認識の方は、レファレンスサービスの存在も恐らくはほとんど知ら
ないだろう。
図書館で十数年働いている僕でもこう思うくらいなのだから、初めて図書館
に来た人は、どこから手を出せば良いのか途方に暮れることもあるだろう。
だがこれについては、遠からず検索システムの機能向上でかなり補えるのか
もしれない。
郷土資料などは、自館の目録データをどんどん自力で整備しないと始まらな
いと思うが、それ以外に関しても例えばNDLやAmazonやGoogleのAPIを使って
OPACと連携させるなど、何かしら検索精度の向上策はありそうにも思える。
いまは誰もが検索できるスキルを備えているわけではない、という声もあり
そうだが、先々を考えると、そこはそう心配しなくても良いのかもしれない。
システムも進化するし、日本のインターネットの普及率を考えると、いまの
子ども達が成人するころには、Googleのような感覚で手軽に検索できるよう
になるだろう。
では今現在の検索端末の操作をどうするのかと問われれば、図書館員が支援
するとしか言いようがない。
でも、検索端末の操作支援が図書館員の恒久的なメインテーマにはなり得な
い。
いまは、いずれ大多数の人が簡単に探せるようになるための過渡期なのだと
思う。
バックヤードでのデータの整備や調査方法についての情報収集など、求めら
れた本により高い確率でナビゲートするために、いまやらなきゃいけないこ
とは他にいくらもある。
* * *
本にたどり着く手段も、場としての図書館の機能も、何もかもが過渡期だか
らこそ、今はいろいろ試行錯誤ができる。
もちろん税金で運営しているのだから、費用対効果の検討や実施したことの
説明責任も当然伴うわけで、これは苦しくも楽しい時代だと個人的には感じ
ている。
だから今年も、失敗を恐れずにいろいろなことを試してみたいと思う。
◎田圃兎<tanbousagi@infoseek.jp>
<http://d.hatena.ne.jp/t_rabi>
今月末の茨城県図書館協会の中堅職員研修で、少しだけ登壇します。
2011-10-28 茨城県図書館協会情報サービス研修会
■[会議・講演など]
ゆうき図書館を会場に開催された研修会で、講師を務めました。
お題は「図書館員が知らなければならない図書館システムをめぐる現状について −岡崎市立中央図書館事件の問題点とは?−」。
このテーマについては、セキュリティの専門家の方や大学の方などがこれまでにも発言しておられますが、公共図書館員による発言は決して多くはありません。
そういう意味で、「これは火中の栗を拾う羽目になったぞ」と思いましたが、大事なことですから目を背けていても仕方がないので、引き受けてみました。
・ベンダーに丸投げで、私は知りませんという態度はもう通用しない。
・市民にサイトを公開する主体は図書館なのだから、責任を持とう。
・困ったとき、あるいはわからないことを何でも相談できる図書館員のコミュニティがあると、何かと助かりますよ。
−といったような話をして、Code4Lib JAPANと公共図書館Webサービス勉強会を紹介してみました。
この私の講演に続いて、当館の臨時・嘱託職員を含む4名がリレー形式で、東北学院大の支援から、9月のワークショップのことを紹介し、最後に再び私がコミュニティの重要性を語って午前の部は終了。
午後は、研修に参加された方の勤務先のシステムメーカーごとにグループを組んで、情報交換会。
その途中でCode4Lib JAPAN Workshopの私の担当する会の名物となりつつある、ゆうき図書館スタッフ手作りお菓子をお出ししてのティータイムも入れてみました。
県の研修でこういうのは、恐らく過去にはなかったことでしょう。お菓子によるおもてなし、大成功でした。スタッフには本当に感謝です。
2011-09-26 第7回Code4Lib JAPAN Workshopを開催
2011-09-15 第40回 イベントのお知らせ。
■[本のメルマガ] ----------------------------------------------------------------------
■「図書館の壁の穴」/ 田圃兎
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第40回 イベントのお知らせ。
今回は、私が関わるイベントのお知らせを2つほど。
9/28(月)に、第7回Code4Lib JAPAN Workshopを仙台市で開催します。
お題は再び「新着雑誌記事速報を作ってみよう」。
6/13の潮来市立図書館の会で好評だった、ゆうき図書館スタッフの手づく
りお菓子つきのティータイムも催します。
○開催予告<http://www.code4lib.jp/2011/09/526/>
なお、このワークショップの終了後、夕方から仙台近郊の書店・出版関係
の方々にお声掛けして、交流会を行う予定です。
図書館員と書店・出版関係の方々とは、隣り合った業界ながら実際に接触
する機会は少ないものです。
ですからこの機に飲み交わし、一緒に何かを始めるきっかけの場になれば
幸いと思いつつ、現在準備を進めています。
近郊の書店・出版関係の方、またワークショップには参加できないけど夜
だけでも顔を出してみようという図書館員の方、こちらまでご連絡くださ
い。
○Code4Lib JAPAN事務局<office@code4lib.jp>
それともうひとつ。
10月下旬に「図書館員が知らなければならない図書館システムをめぐる現
状について〜岡崎市立中央図書館事件の問題点とは?〜」というお題で研修
講師を務めさせていただく予定です。
岡崎市立中央図書館事件とは、市民の方が岡崎市立中央図書館のWebサイ
トから、新着図書のデータを自動で取得するプログラムを実行した結果、同
サイトでの図書検索が利用できない状態になってしまい、その方が逮捕され
たという事件です。
これは、図書館側のシステムに不備があったためで、市民の方が作られた
プログラムには実は何も問題はありませんでした。
もともとのシステムの不備に対応しなかったシステムベンダーと、ベンダー
に丸投げで何もわからず被害届を出してしまった図書館、専門知識がないま
ま事件にしてしまった警察、検察、裁判所の判断など、間違いが重なって逮
捕に至った事件だと、私は理解しています。
事件からこのことについて、語ったり書いたりした公共図書館員は、まだ
数少ないので、講師役の私は結果的に火中の栗を拾うことになるでしょう。
そんな様子も眺めてみたい(?)という方は、気軽にお越しいただければと
思います。
※ 主催者からまだ正式にアナウンスが無いので、ここには書きませんが、
こちらは某県内の図書館員さんを対象とした研修会です。
発表され次第、私のブログ<http://d.hatena.ne.jp/t_rabi>でお知らせ
しますので、ご関心のある方はぜひご覧ください。
* * *
ということで、イベントのお知らせはここまで。
* * *
同じ図書館員同士であれば、たとえ自分のシステムに関する知識が乏しく
ても、情報交換ができるコミュニティはいくつかある。
書店員さんや版元さんとの接点も、探せばいくらかはきっとあるだろうし、
接触する機会が少ないのであれば、今回の仙台の企画のように、自分達が場
を創っていこうと考えてみるのもおもしろい。
そういう場を創りたいけれど、どうして良いのか困っているという図書館
員の方がいるならば、できる限り協力していければと思う。
* * *
最後に、僕自身が関わって実態をよく知っている2つのコミュニティを、紹
介しておきたい。
いずれもこの連載で何度か触れたが、ひとつは僕の主催している「公共図
書館Webサービス勉強会」。
この会は、初心者の底上げを意図していることと、現場にすぐに効くことを
志向しているので、相談事に対するサポートは(保証はないものの)かなり手
厚いように思う。普段から無理のない範囲で気軽に継続的に学べることもメ
リットだろう。
この会では、岡崎市立の件について僕の勤務先でディスカッションを実施し、
それを会にフィードバックし、メンバーの意見を貰ったこともあった。
それともうひとつは、Code4Lib JAPAN。
こちらは、アメリカで始まった図書館システム系エンジニアのコミュニテ
ィであるCode4Libの日本支部を目指して発足した団体で、日本の図書館員の
ICTスキルを底上げするため、各地でワークショップを開催している。
この団体のワークショップは単なる技術研修にとどまらず、その場を通じて
図書館員同士の横のつながりを作り、図書館をもっとよくしたい図書館員の
コミュニティづくりも意図している点が特徴だと思う。
こちらでは、岡崎市の件を踏まえてWebサーバーのログファイルを実際に読
むワークショップを、既に1年近く前に開催している。
これらのコミュニティには、システムに関心の高い図書館員が大勢いるし
知識も技術も兼ね備えた、優秀な方も何人もおられる。
また、まったくの初心者で何もわからないという人も、違和感なくいられる
場となっていると思う。
学ばないといけない、少しでも知っておきたいという気持ちさえあれば大
丈夫。気になった方は、まず気軽にこのあたりにお立ち寄りいただければと
思う。
◎田圃兎<tanbousagi@infoseek.jp>
<http://d.hatena.ne.jp/t_rabi>


