よはくのてちょう

手帖の余白に書くようなことを

「バビロンまでは何マイル」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ

下級マジドのルパートは欠員の出たマジド補充のため候補者を大きなSF大会に集める、と同時に12の世界を統べるコリフォニック帝国の王暗殺による崩壊をくい止めるため跡継ぎ探しに手を貸すことになってしまった。
「花の魔法、白のドラゴン」の少年も登場。

(2006年09月09日読了)


悪人のたくらみによって分割されしまったマリーを救うためルパートたちは大がかりな魔法を発動させることにした。
変人たちが集まっているSF大会の喧噪とさなかてんやわんやの戦いの火蓋が今切って落とされた。

(2006年09月10日読了)


バビロンまでの簡単なリストを下に置きます。


アルビオン】ウィルが暮らしている世界。マジドはトゥーレと呼んでいる。
【アレクサンドラ】イフォリオン皇帝の妃の中では唯一生き残ったとびきりの美人。ただ美人なだけではないようだ。
【アンドルー・コニック】発明家の友人。寡黙でいつもぼんやりしている。すぐ車が故障するのでいつもルパートが乗せてやっていた。妙に超然とした人。マジドの魔法も効かないようだ。おそらくいつか物語で重要な役割を果たすことになりそうに思える。
【いばら婦人】マリーの夢の中に登場してあれこれ道徳的な小言を口やかましく説教する女神。
【ウィル】ルパートの上の兄。最下級マジド。本業は牧場?
【オゾン】魔法を使った後の残存物となることが多い物質。
【ガブレリソヴィック】次のマジド候補のひとり。クロアチア人。行方不明。
【カリーナ】ウィルの奥さん。すごい美人。
【クナロス】皇帝陛下の隠された跡継ぎの後見をしているらしい人物。何者かは謎。
【グラム・ホワイト】ワンチェスターで銃器工場を経営している。素人魔法使いだが、かなり強い「力」を持っており、要注意人物としてマジドにマークされているらしい。いつも秘儀を行っているとか。SF大会に修道僧めいた集団のリーダーとして参加していた。ルパートを敵視しているようだ。
【クリス】ケンタウロスの少年。
ケンタウロス】正域にはうようよいるらしい。
【コリフォス帝】二千年以上前に二十年ほどコリフォニック帝国を統治した王で国民はその時代が黄金時代だったと考えている。
【コリフォニック帝国】多重世界のねじれの中心に位置しているらしい。∞マークを国の紋章としている。地球出身の最下級のマジドが担当することになっている。
コルネリウス・プント】次のマジド候補のひとり。オランダ人の学生で24歳。ケースという名前でSF大会に参加した。オランダ人のギャグと称してしょーもない駄洒落をかます
【サイモン】ルパートの下の兄。最下級マジド。
【ジェフロス】イフォリオンの下級魔術師。
【ジャニーン】マリーの叔母、ニックの母。マリーとはきわめて仲が悪い。というか、二人とも他人と仲良くできるタイプではなさそう?特にジャニーンは100人中100人がヤなヤツと感じるらしい。ジャニーンの料理は冷凍食品とダイエット食品だけ。
【ジンカ・フィーロン】ルパートの同僚の愛らしく豊満な女性マジド。一度親密な関係になったこともあるらしい。頼れる人。
スカルラッティ】ホテル・バビロンの地下駐車場で日夜聞こえ続け幽霊のしわざではないかと評判のクラシック。いくらかは正解でスタンのしわざ。
【スタン・チャーニング】地球の最下級マジド。ルパートとウィルとサイモンをマジド協会に引き入れた男。本業は競馬の助言者。ケンタウロスが好き。完全に負域にあった地球が最近少し正域に近づいているのはこの人のおかげ(と自画自賛)。ファンタジーなんかが流行っているのがそのあらわれ。
【正域】魔法の存在を認知している世界。反対語は「負域」。
【前世】前世がマジドなら意識下に半分かた必要な知識をたくわえているらしい。
【ダクロス】イフォリオンの将軍。心ならずも国家を指導しなければならなくなったのだが、ひとりで苦労をしょいこんで、何もかもイヤになった中年将軍。夢は故郷のザランジアで農場を始めることらしい。ファーストネームはパンセンドレス。ルパートが放っておいてもかまわない帝国のために肩入れすることになったのはこの男に好感を抱いたからだと思われる。
【タンジー=アン・フィスク】次のマジド候補のひとり。アメリカ人の40代女性。健康とかマッサージとかが好きで、そんななんか集まりみたいなのに参加したりしている。
【チェスター】チェスターという語で終わる地名は古代ローマ軍の駐留地だった。そしてそこはほとんどの場合力の交点だった。古代ローマ軍には優秀な魔法使いがいたのだろう。
【ディアベッソ変奏曲】ベートーベン作らしい。霊にはここちいい音楽らしい。
【ティモス九世】コリフォニック帝国現皇帝。道ばたであっても気づかないような凡庸なメガネ男。
【ティモセオ】皇帝の長子。皇帝の子女は自分の両親を知ってはならないと言う法律に違反したかどで死刑を求刑されている。
【テッド】マリーの叔父。ニックの父。ジャニーンの夫。世界的に有名な作家らしい。悪霊を書くのが得意らしいが日常生活は平凡でおもしろみがない。
【テッドおじさんの家の窓】異世界に通じているとニックやマリーは感じている。第二次大戦の爆撃でガラスを吹っ飛ばされ取り替えたままなのでなかなか古いガラスが入っているらしい。ニックはそこから見える世界に「ブリストリア」と名付け、かなり細かく設定している。
【ニック】ジャニーンの息子でマリーの従弟。14歳。わりとカッコイイ少年らしい。マリーと気が合う希有な人材。いっしょになって魔女踊りを踊りやっかいなことになりそうな気配があったらいつの間にか逃げ出している。ジャニーンの家の中で王様のように振る舞っている。朝にメチャクチャ弱くそのふるまいはあらゆる人間の興味をかき立てる。このお話の後、ダイアナさんの「花の魔法、白のドラゴン」というお話では主人公の一人となる。
【バビロン】なんらかのキーワードとなっているようだ。
【負域】魔法の存在を認知していない世界。マジドの任務のひとつに負域の世界を正域に近づけることもあるらしい。われわれのいる世界は負域にある。
【北欧系】SF大会に出没する、女性の目を引きつけないではおかないカッコイイ男。
【ホテル・バビロン】SF大会が開かれるワンチェスターにあるホテル。ここで何かが起きる?
【マーヴァン・サーレス】次のマジド候補のひとり。40代の英国人男性。作家で、日本に講演に行った。
【マジド】魔法管理官。魔法を認識していない世界においても魔法の才能を持ち使うことができる。すべてとの因果を断ち切った孤独な存在。マジドはすべて生きていくための本業を持っているのでボランティア?マジドになれる素質を持った人間がマジドになれなかった場合、精神的に平衡を失いほぼ変人として生きることになる。おお、ダイアナさんの小説の登場人物にぴったりの資質!!
【魔女踊り】マリーとニックの厄払いの踊り。ところかまわずやらかすのでけっこうメーワク。
【まぬけ男】マリーが日記?にルパートのことを書くときの呼称。
【マリー・マロリー】新しいマジド候補のひとり。20歳の英国人女性。素質は候補たちの中でもピカイチで意識しないままルパートを翻弄するほど。でも、第一印象はきわめて悪し。ということは、ダイアナ・ウィン・ジョーンズお話にあっては主要登場人物になる資格があるということ。美人ではなくふとっちょの変人。最近ロビーくんにフラれて機嫌悪し。獣医科の学生。意外なことに?成績はいいらしい。ルパートにとってはすすり泣くような声とメガネを指で押し上げる癖が気に障る。
【リック・コリー】SF大会の係員。マリーとニックを救ってくれた。
ルイス・キャロル】彼はマジドではなかったか?とルパートは考えている。
【ルパート・ヴェナブルズ】わたし。通称ループ。地球出身の最下級マジド。本業はゲームソフトのデザイン。
【ロビー・ペイン】最近マリーを振った男。ダヴィーナ・フロスティックとデキたらしい。ま、このお話には出てこないでしょう、たぶん。
【ロビオス】ケンタウロスの美少年。ふだんはロブと呼ばれている。泣き上戸。
【ワンチェスター】地方都市らしい。スタンの記憶では眠ったような街、ルパートの記憶では川。ここの「ホテル・バビロン」でSF大会(およびマジドの面接試験?)が開かれる。