■
応用編も最後となる。
最後は店舗引越しだ。
いろいろな事情で、移転しなければならないときがある。
そのときのために、今のうちから引越しに関する知識はもっておいたほうがいいだろう。
自宅の引越しや、単身赴任とちがって店舗を引っ越す場合は荷物が問題になってくる。
飲食店であれば、厨房器具からレジ、また秘伝の調味料など数多くの品を運ばなければならない。
また、引越し後の店舗処理についても考えなければならないので一苦労だ。
店舗用の引越し会社も多くあり、移動距離ややってほしいことがサービス内容にふくまれているところがよい。
ただ、移転を自分からやる場合は気をつけたほうがいい。
売り上げなどで場所をかえても、原因が立地であるとは限らないからだ。
移転すると住所変更などが大変なので、引越しをせずにすむような土地に店をかまえるようにしたいものである。
■
店も軌道にのりだすと、不安になってくるのは店舗セキュリティだろう。
『備えあれば憂いなし』というように備えておきたい。
立地によっては開店時から必要な場合もあるだろう。
セキュリティサービスも防犯カメラから、アドバイスなどを行うところ。
防犯グッズの貸しだしなど幅も広い。
自分のできない範囲をサポートしてもらうことからはじめよう。
なぜならば、個人が防犯を意識せずにいたら、そこに付け込まれるからだ。
セキュリティサービスはサービスであり、まずは自分が身の回りの危険を考えて対策をしていくようにしたい。
このはじめの意識が重要ではあるが、難しいところでもある。
防犯に完全はない。機械に依存しないように、自分たちも気をつけるべきだろう。
■
応用と先日にいったが、電話回線の設置について抜けていたためここに追記しよう。
電話はやはり店には必要。
しかし、新店舗となると「固定電話」となり「電話加入権」が不可欠となってくる。
マンションなどでくらしていると、あまり意識しない言葉だろう。
なので、こちらの設定は専門家にまかせるのがベストだ。
しかし、会社に応じてサービスもかわる。
先日のインターネットプロバイダのサービスと兼任しているところもある。
また、電話番号が選べるところもあるので、語呂合わせのしやすい番号にしてみるのもいいだろう。
作業は専門的なものだが、選び方はセンスもかかわってくる。
必要か不要をイメージした後、相談して決めていけばいいだろう。
■
広告は高いため、ホームページを薦めた。
しかしながら、やはり手に持ってみられる情報の力は強い。
資金に出せる余裕がでてきたら、パンフレット・広告制作に乗り出そう。
広告はホームページとは違い情報量が非常に少なくなってしまう。
しかし、広告は看板よりも手軽であり多くの人に情報を渡せる。
街頭で配るなどして、より身近に存在をしらせられるのは広告のよいところだ。
印刷代もかかる上に、デザインも入れたい情報に応じて変えなければならない。
費用対効果をよく考えてつかわなければならないため、難しい部分ではある。
それでもリスク以上のリターンも見込めるので、ぜひ一度は作ってみてほしい。
自分の店の広告が手元にあるだけで、なぜかうれしくなれるのだから。
■
昨日までに記した8つを基本とするなら、今日からは応用といきたい。
ホームページ制作をしてもただ、普通にプロバイダ契約をしてもだめなのだ。
インターネットプロバイダによってサーバー容量やCGIなどの使用可不可などが大きく違う。
無料サーバーでは広告が多くホームページが見づらくなってしまう。
メールアカウントとともにプロバイダとサーバー契約をすましてしまおう。
店ようのメールは店で受け取るようにし、従業員たちも覗けるようにしておけば、モチベーションもあがるだろう。
ホームページを書いたり、またサービスによってはメールマガジンを作れたりもする。
ちゃんとしたプロバイダに契約すれば、月々支払う金額以上のこともできる。
以上のことを踏まえて、一考してほしい。
■
<法人 印鑑 証明>
さて、看板から人材募集、経営コンサルタントまで話をしてきたが、ここで忘れがちなものを話そうと思う。
法人印鑑登録や、印鑑証明。
そして、名刺である。
今まで、個人で名刺や印鑑を持っていた人間は多いだろう。
個人事業主になるということは法人団体の主になるので、『法人の印鑑登録』が必要になるのだ。
社印とはまた別なので注意をしてほしい。
法務局や、地方法務局へもっていき登録をしなければその印鑑は法人印として認められず、さまざまな手続きができなくなってしまう。
法人としてしなければならない手続きは多いので、開店前の用意を忘れないことだ。
法人印鑑は会社を社会的に示す顔になる。
偽者を見分けるためにもちゃんとした登録をしてほしい。
ここまでくると、自動車の免許気分だ。
法人登録は免許取得の手続き、印鑑登録はさしずめ写真をとることかもしれない。
別人が扱えないように気をつけなければならないのもわかってもらえるだろうか?
<法人 名刺>
法人の名刺も忘れてはいけない。
取引が多くなるため、必然と名刺を交換しなければならない機会が増えていく。
枚数も多くなるので、やはり外注することになるだろう。
会社によっては、名刺以外にも社員証などの作成も請け負ってくれる。
こういうところにまとめて名札なども発注しておくといいだろう。
もっとも、初期の展開規模を考えた上でのことにもなるためなかなか判断は難しい。
名刺のデザインについても、無機質なものより店のイメージUPにつながるものもいいかもしれない。
店頭で配るものと、取引先のものと2種類あってもいいかもしれない。
名刺一つでも宣伝材料の一つとして、有効に活用していくべきだ。
折角、資金をかけるのだからとことん使わなければ損というもの。
<法人 印鑑 名刺>
法人印鑑も名刺も、会社としての顔を示すものだ。
看板やホームページのように多数に見られるものではなく、事業パートナーにたいして信頼、信用の証としての顔。
第一印象が大切だと、よく言われる。
事業主ともなれば取引先は多くなり、それに対する責任も大きくなる。
責任をとってくれる人はいない。
自らの判断で、動き自分で責任を負わなければならない。
大きくなるほど、肩にかかるものは重くなっていくが、その分自分の力で大きくしたことに喜びを感じることだろう。
いまや個人事業を行うハードルは低い。
フランチャイズにしろ、独立起業にしろ、やりたいと思うのならぜひチャレンジしてほしい。
人生は一度きりだ。
悔いのないように挑戦を続けてほしい。
■
<経営 コンサルティング>
経営方針の話を昨日した。
しかし、経営についてもどうにも苦手という人は多い。
そういうときは経営コンサルティングをしてもらうといいだろう。
コンサルティングとは、業務または業種に関する専門知識をもった外部の人間より客観的に現状を把握してもらい
対策、改善などを助けてもらう事を指す。
判りやすくいえば、アドバイザーだ。
利点は、専門的かつ客観的な視点による意見を受けられることだ。
一見売り上げが良いように見えても、一時的なものか恒久的なものかはわかりづらい。
そういうことに関しての意見をいってもらえるのがコンサルタントだ。
個人経営といっても、相談相手がいないのは不安だ。
良いか悪いかを判断してもらい、自分にとっての知識を得るためにもコンサルタントの存在は大きい。
そういう状況のため、現在ベンチャー企業では○○コンサルティングとつけたものが多いのだ。
<飲食 店 経営 コンサルティング>
飲食店が増えていることもあり、飲食店の経営コンサルティングは驚くほどに多い。
専門のコンサルティング企業がいくつもある。
そのなかでも、面白いと感じたものがある。
『売れない飲食店は病気にかかっている』
レストランドクターを自称するサイトで、現在経営中の飲食店も診断してくれるようだ。
判りやすいサイトで全体も明るいので非常にイメージがいい。
経営者にはわかりづらい『何が悪いのか』ということがはっきり判るのはありがたいだろう。
コンサルティングというのはこうしてみると医者のようなものかもしれない。
手術をしなければならないこともあるが、それでも患者と一緒でなければ健康にはなれない。
コンサルタントとは長く付き合って一人で動けるようになるようがんばってほしい。
<経営 コンサルティング 会社>
経営コンサルティングというものが、専門知識を取り扱ったものであることは説明してきた。
しかし、ここまで会社が多いのはなぜだろう?
それは、コンサルティングというものが『知識資本』だからだ。
売りは自らの知識と経験。
個性が出るぶん、アドバイスの仕方や見る角度が違う。
それが商品価値となっているほかない。
だからこそ、選ぶのもやはり大変だ。
直接コンタクトをとってみて、意見をもらいつつコンサルタントを選んでみるといいだろう。
そのときは自分と同じ見方をしている人より真逆の感覚を持っている人がいい。
自分では気づかなかったいろいろなことを見つけ、意見をもらえるからだ。
このコラムも、何かの参考になっていれば嬉しい限りではあるが、そこまで願うのはさすがに図々しいか。