京都こみち日記

こみちを歩く こみちに迷う 日々のこと

音浴

 仕舞、舞囃子、素謡、能の発表会に行き、人間の声や鼓、太鼓、能管の放つ音波を浴びまくった。発表する人は稽古をしている素人さんだが、地謡囃子方として脇を固めるのは玄人さんの能楽師たちが本番に違わず演奏されるので、能楽堂内は、ピンと張り詰めた空気を震わす倍音の嵐。嵐といっても激しい風だけではなくて、同時に静寂さえも感じるような空気の振動。まさに音の波、波、波。今、多少緩んでいるわたくしの鼓膜がビリビリと震え、おまけに三半規管にもその音の波が影響を及ぼしたようで、めぇが舞うてしもた。血の気引いたし。
 出町柳・長休寺門前の桜。