虚構の皇国 blog このページをアンテナに追加 RSSフィード

2011-01-09

平和運動をやっている人の戦争アレルギーはいかがなものか

12月から延々と続いてきた繁忙期もひとまず一区切り。ようやくネットにいろいろアップしたりできるようになりました。

詳細不明の絵本の切れっ端を多数譲ってもらいましたので、とりあえずそんなものからtumblrにアップしていきます。


一昨日、仕事の関係で平和運動の中の人(50歳代くらい)とおしゃべりする機会があり、びっくりしたことがあった。

「軍部の暴走」ってよく言われるけれど、大日本帝国軍隊の指揮命令系統ってどうなってたんだ、という話になったわけですよ。で、まず驚いたのは「大本営」ってどんな仕組みなのか、彼は知らない。「そんなこと興味ない」って言う。えっ、じゃあなんで「軍部の暴走」ってアナタは言えるの? と不思議でしょうがいない。

で、いろいろと話すうちに、僕の方からクラウゼヴィッツの「戦争とは他の手段をもってする政治の継続である」というテーゼを紹介したところ、「それは戦争賛美だ! 戦争は戦争だ。アジアの人たちがどんなに悲惨な被害を受けたのか!」と激怒された。なんでこーなるの?

一応マルクス主義系の運動の人なので、レーニン先生が『社会主義と戦争』というパンフレットでクラウゼヴィッツについて書いていますよ、「プロレタリアの軍事綱領」では「プロレタリア子弟は軍事を学びなさい」とも言ってるし……などと紹介するも、頑として受け付けない。別に軍オタになれといってるわけではないんだが、「反戦」とかいってるんならもうちょっと「戦」の方を知ってたほうがよいのではないの?

ところが、同じ平和運動の人でも、60〜70代の人は全然違う。上の話を紹介したところ、「若い頃クラウゼヴィッツは勉強したよ〜、藤原彰さんとか小山弘健さんの「プロレタリア軍事科学」とかねー」とまったく拒否感がない。「だって毛沢東の遊撃戦論とか必読だったでしょうウフフ」とのこと。

これでなんとなくわかってきたのは、この年代(今の60〜70代)の人たちって、「革命戦争」をリアルな課題として念頭においていたんだ……と。

ここからは推測だが、1965年のインドネシア共産党武装蜂起(この事件そのものはデッチ上げの可能性があるが、当時のインドネシア共産党の路線から考えると彼らが武装蜂起を提起したとしても矛盾はない)が潰されるまでは、武装蜂起って考えていたんじゃないか(構造改革系の人たちはのぞく)。日本共産党といえども。それが党の路線転換によって、一気に蜂起の問題は消し去られたのではなかろーか。議会主義に純化した土台の上で育てられてきた今の50代の運動の担い手からすると、“蜂起の技術”なんて問題外のさらに外、となったんだろう。なんかトホホである。


追記:「世代」って使っちゃったんだけど、それは不正確ですね。あくまでも「その人」の個的なこととしてまずはとらえます。ブコメの人(id:hal9009)ありがとう。

コニーコニー 2011/01/09 14:20 軍事アレルギーですね、多分内ゲバアレルギーでもあるのではないかなぁ、、クラウゼヴィッツへの評価がそれだとレーニンじゃないけど、軍事勉強不足といわれても仕方ないですね

いまじんいまじん 2011/01/09 19:22 85歳以上の平和運動家はあんまし現役の人はいないんだけど、たいてい戦争に取られたりしてるし、結構戦中は将校だったり特高だったりのひともいます。(僕のつきあいの範囲内)

藤原彰さんは陸軍の将校で、戦中は中国で一号作戦の現地部隊で「河南の作戦」とかで砲火を交えてます。「高校時代に防衛研修所戦史室の廊下で○○とすれ違った」なんて話をすると、「うーん、みんな戦争指導者ですよ、あそこにいるのは・・・」とかつぶやいてました。

切り口は違うけど、若い人でも「陸軍将校の教育社会史―立身出世と天皇制」を書いた広田 照幸先生なんかはよく調べてます。この人の本は通時的なものと共時的なもののバランスがとれていてお奨めです。

「海軍反省会」の2が出ましたな。

名無し名無し 2011/01/09 22:04 そこまでブチ切れやすい(=闘争心が強すぎる)人は平和運動には向かないんじゃないかなあw
子供が軍艦のプラモ作ってたら血相変えて叩き壊して、「青少年を善導した」と“本日の戦果”を誇るタイプですな。

noganoga 2011/01/09 23:08 昔は軍部、今は官僚。彼等に政治責任はない。
我が国の政治責任は、政治指導者の手の中にしっかりと握られている。
政治家は、国民の代理人。我が国は、主権在民である。

軍部・官僚は、効率よく政治を行うために雇われた要員にすぎない。
官僚は、政治家からの頼まれ仕事に汗をかく人たちである。
軍部の暴走・官僚の横暴を抑えられない政治家は、その存在をゆるされるはずもない。
自分の飼犬を調教できない飼い主を選ぶのは、有権者の無責任であろう。
とかく、この世は無責任。

一億総玉砕と一億総懺悔ばかりを繰り返すのではたまらない。
国のありようは、国民一人一人のありようで決まる。
民主主義は最低だ。しかし、それを超える制度は存在しない。
我々有権者はもっと頭を鍛えておこう。

現実肯定主義にとらわれて、現実の矛盾を指摘できない。矛盾解消に向けて総決起できない。
立ち上がるための内容がない。だから、おとなしい。
意思のないところに解決策はない。意思 (will) は、未来時制の内容である。
日本語には時制がない。無為無策には、閉塞感と諦観が待ち受けている。

自分に意見がなければ、相手の言いなりになるしかない。「よきにはからえ」か。
我々の政府は、軍部の言いなりになるか、官僚の言いなりになるか、それともアメリカの言いなりになるのか。
この道は、いつか来た道。ああ、そうだよ、民族の歴史は繰り返す。

no nameno name 2011/01/10 07:08 何かを批判したければそれについて詳しく学ばなければいけないというジレンマの一例ですね。

特にWW2時の日本を批判する人達には「戦争はいけない!戦争はいけない!戦争はいけない!」とだけをお題目のように唱える人が多いw。

旧日本軍が三八とゼロセンとヤマトだけで戦ってたかのような認識をしてる人もざらにいますし。
とりあえず現在学校で行われている「戦争=悪、軍=悪」という教育が終わらない限り、日本が完全に”自立”する未来は見えてこないでしょうね。

痔主粉砕労農連帯痔主粉砕労農連帯 2011/01/10 18:34 なにか日が長くなってきたとたん2名ほど湧いてますが、私や私の友人は20半ばかそれを超えた程度ですが、モロトフのいろいろなレシピや、放水車には金属ナトリウムくらいなら知ってますし球根栽培法とか栄養分析表とか腹腹時計もマオもボー=グエン=ザップもゲバラも一読くらいしております。狐狩りや球根栽培の歌もたまに聞きます。ナチスは硬質ゴム棒で人を殴り、ドイツ社民党は樫の棒でなぐってたなんて話も知ってます。暴力論の類いは大好きです。

しかし思想的にはニューレフトの流れを汲む?運動の界隈でもこのような20代はどちらかといえば少数派に属するであろうと思います。
僕の話はともかく、結論は同じになってしまうんですけど、権力打倒とか革命だとかをどこまで希求し考えるかという作風の問題ではないですかねー。

あと、私の尊敬する50代の活動家さんは運動と教会には行くところのない困った人たちが集まってくると言っております。教会の方は私は知りませんが、運動の方は私もそうだと思ってますし、直接あう事を重ねないと分かりませんけど、ひょっとしたらその方もそうかもしれませんね。


また完全に蛇足ながら、50代ならば爆取でやられてた人たちも多いのでは。赤軍罪はどうでしたっけ?
白いセクトの若い人とかは今どうしてるんでしょうね。


どうもつまらない話を長々と失礼しました。建党建軍!

junjun 2011/01/10 19:33 そうかと思うと、軍事力信仰と強者崇拝を「平和のための戦争学!」と言い訳する人もいるわけで。
トンデモ「斬首作戦」を広めた人とかね。

774774 2011/01/11 01:31 侵略戦争と革命のための戦いがごっちゃになってる気が・・・。

xx 2011/01/11 02:00 戦争に対する戦争というか平和のための戦争をしちゃう人というのか。
自分を善の側に置きたい、無垢でいたいということか

ajiaji 2011/01/11 11:04 反××における××の部分の知識や事実についておまりに無知無学だというのは
その考えの広まり、時間の経過によってよく起きうる現象なのかもしれませんね。

最近、というほどでもありませんがいわゆる「サヨク」「在日」“批判”における
一部の方々の“まとめサイトwiki”を鵜呑みにした金太郎飴っぷりを見てるとげんなりするわけで…
その上、普通に考えればそんなことできっこないよね、うん的なことまでのっかってくるともう。。。

逆のパターンだとある国を嫌いとおっしゃる方々がバイアスが加わって
歪みまくってるとはいえその国について間違ったことこみで詳しかったり…

卑近で個人的な話だとアンチ巨人をやっていて巨人ファンの友人より詳しいという、そこでバカらしくなってアンチ巨人ファンはやめましたが。
誰かが言っていましたが「アンチも立派なファン」ってワケですな。

そのことについて詳しいということと、どういう立場をとるかというバランスは難しいのかもしれません。
長文な上に、少々脱線気味な話で失礼します。

痔主粉砕労農連帯痔主粉砕労農連帯 2011/01/11 18:55 目的意識を持って暴力を組織化し、またその組織化された暴力を目的意識をもって振るうというところでご勘弁くだしゃんせ。
無垢に関しては麦の穂を揺らす風などわかりやすくていいかと。

カモノハシカモノハシ 2011/01/13 01:01 それはいわゆる「教条主義」ってやつですね。
僕も50代ですが、高校生で反戦運動に首を突っ込んでいたので、ギリギリベトナム戦争がリアル戦争です。僕より下の人たちは、ベトナム戦争も連合赤軍もリアルじゃない。だから単純に「戦争=悪」という観念から運動に入って、頭にラブ&ピースのお花が咲いたまま来ちゃったんでしょうね。もちろんそこから勉強するしないは個人の問題なので、ひとくくりに世代論にはできませんが。

それはそうと、先日のNスペなかなかよかったですね。戦前の政治家と官僚の場当たり外交の検証が、そのまま今の政権(現政権だけでなく旧政権もふくめて)に対するチクチクになっていて、一人で見ていて何度も声を上げて笑ってしまいました。戦前も戦後も、本質的に変っていないということがよくわかります。

「海軍反省会」のNスペもよかった。
特攻作戦どころか、最初から日本の兵隊さんは片道切符の「使い捨て」だったということが、あけすけに語られていて、僕でさえ結構衝撃でした。
下手な教科書よりも、中高生にあのNスペ見せた方が、はるかに効果的に「元気なおにいちゃん」たちの発生を抑えることができるような気がするけど。
長文、失礼しました。

tadanorihtadanorih 2011/01/13 10:06 出張でネットから離れている間にいっぱいコメント頂きありがとうございます。

>コニーさま
>内ゲバアレルギー
かの人の所属する組織から考えて、たぶん大ありですね。かの党の毛沢東離れ&70年安保前後の“武装蜂起ブーム”の反動かと思います。

>いまじんさま
藤原彰先生をはじめマルクス主義系軍事科学の人はそれなりにいるはずなんですが、もはや「歴史家」としてひとくくりにされているように見えます。そこが悲しい。
>陸軍将校の教育社会史
これは面白そうですね〜。世織書房から出ているのもしぶい。古書価も高い……。

>agricola さま
縦横の寸法は、この絵本では猛烈にアバウトです。子ども向けということで円周率なみに甘くしたのか、実際に小旗を作らせるために簡単にしたのか。

>no name さま
「戦争=悪」でもいいんです。むしろ徹底的に憎むべき。しかし「悪」と闘うためには「悪」をとことん知るべきである、ということがいいたいのであります。「悪」からとおいことが善人の証しではないはず。

>時々拝見さま
>日の丸地の海パン
どうみても出血です。ありがとうございました。

>痔主粉砕労農連帯同志
“学生運動シーンの流動性”がなくなって一気に党派的分断が固定化されたのは、いろいろなものを見る限り71〜72年頃、ちょうど「内ゲバ」で死者が出始めた頃ではないか、というのが私の推測です。このころから、武装にしても蜂起にしても、軍事いいじゃんか派vs軍事ぜんぶイヤ派に分岐していったのではないかと。

>jun さま
>斬首作戦
いやあ初めて知りました。こんな伝説がまことしやかに……。

>774さま
>侵略戦争と革命のための戦いがごっちゃになってる気が・・・。

戦争の性格からかんがえれば「ごっちゃ」なんですけれども。エンゲルスの普仏戦争分析(だったと思います、たぶん)からはじまるところのマルクス主義軍事科学の歴史は、革命の武装のために過去の戦争に学ぶ歴史でしたから、兵学的観点からの検討はアリなのではなかろうかと。

>aji さま
aji さまがおっしゃっているジレンマを体現しているのがガチ軍オタ宮崎駿先生ではなかろうか、と。彼の苦悩にははげしく共感するのです。

>もつ太郎 さま
これはひどい! つーか買って保存しておけば50年後には貴重な時代の証言者になりそうな予感……。たまには書泉ブックドームとかいってみないとダメですねぇ……。

>カモノハシさま
>単純に「戦争=悪」という観念から運動に入って、頭にラブ&ピースのお花が咲いたまま来ちゃったんでしょうね
激しく同意です。そういうことが言いたかったのであります。僕は「ラブ&ピースのお花」も嫌いではないんですよ。頭に花が咲いている人はうらやましいですし、商売しやすいですしw。ただ、もちっと自分たちの先輩が本当に血を流してきた痛みの歴史を知っておくべきでは、というあたりでしょうか。
ほとんどテレビを見ないので存じませんでしたが、「海軍反省会」って僕のまわりでも評価高いです。機会があったら見てみようっと。

agricolaagricola 2011/01/14 21:37 > 縦横の寸法は、この絵本では猛烈にアバウトです。
縦横比2:3って実は今の「国旗」の様式なんですよね。

「国旗及び国歌に関する法律」では太政官布告「商船規則」の魔改造は縦横比以外に「赤い円の位置」にも及んでおりまして、従来は「長方形の中心から水平に、旗竿に長辺の1/100だけ寄った位置」を円の中心としていたのに対し、現行法では「円の中心は長方形の中心」という、お子様でも安心して自作できる様式になっております。

時々拝見時々拝見 2011/01/15 10:27 アンチ巨人をやっていて巨人ファンの友人より詳しい、に一票。敵を知り、な訳でこれなら勝てます。
フジで球形の荒野をやっていました(いろんな人らが逮捕されるシーンも)。無条件でフジは好きだが朝日が嫌いという吸血鬼?がうっかり見て灰になったかと。がんばれフジ。

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