第7回東京班まちあるき「高速道路を歩きたい」

高速道路の高架下を歩きました。
首都高速が架けられて、はやもう半世紀が経ちます(あと少しで)。
僕たちから見れば先輩。いや父親か。
今回のまちあるきでは、その高速道路の周りをウロウロと、新橋に始まり浅草まで歩いて参りました。

戦後生まれのメガストラクチャー高速道路が繰り広げる世界を見ていきます。
しかし、この街歩き。
かなり脱線して、高速道路を飛び出して、建築、道路標識、植栽、気になるモノは何でもイロイロ見て回っております。

午前10時、新橋に集合。
天気は快晴、気温も急激に上昇し、ヒートテックが暑さを助長します。

新橋駅を出発し、高速沿いに歩いていき、近年復元された旧新橋駅舎を横目に見ながら、さらに進むと銀座8丁目にSF に登場してきそうな歩道橋がありました。
この形態、コーナーの曲線といい、どこか首都高を感じさせるデザインとなっています。


そして、シネパトスへ向かいます。
ここは、かつての三原橋。橋の下には三十間堀川が流れていました。
震災後に架けられた橋脚の姿を今でも見ることができます。


銀座4丁目〜1丁目
ここにはかつて築地川が流れていました。
今は首都高が流れています。
船から、自動車へと時代は変わったのです。
このあたりの高速道路の上に架かる橋の中腹には公園がセットで置かれています。

そして、公園はすべて違うデザインをしています。
現代の橋詰めでしょうか。
橋の脇にあるので、ハシクレといったほうがいいですか。
ベッキオ橋、ムーア川に架かる橋(正式な名前は知らないのですが)
と橋に付加施設がある例はいくかあります。
この一帯は、付加橋梁の宝庫です。すべて公園ではありますが。

公園に設置されている健康グッズは
とても、痛いです。刺さります。老体には応えます。


どんどん進んでいきます。
京橋公園。

ありました。
震災復興期のすべり台です。
震災で丈夫さを求めたのか、コンクリートのすべり台ってさすがですね。
でも、すべれない。
ここに書かれているキケンって、どういう意味なんですかね。
老朽化していてキケン、子供がけがをしたらキケン?
そういえば、今はどこに行っても4人乗りのブランコが見あたらないですよね。
昔、指をはさんで血豆ができたのを思い出します。
最近、多くの遊具が撤去されています。



高速の高架下はいろいろな利用がされている模様です。
ヴァリエーションがたくさんあります。
これは駐車場。



ビルの合間から、高速を見下ろす一同。



またまた、震災復興期のモノを見つけました。
阪本小学校。
それから、ここへ来るまでに大江宏設計の三木ビル、第2三木ビルがあったので、外から観賞しました。

そして、震災復興の阪本小学校。
特別に校庭から見学させていただきました。
決して怪しい者ではございません。



そして分岐点となる江戸橋ジャンクション付近。
非常に動きがありますね。このあたりは、上下左右縦横無尽に高速が走り、迫力のある場面です。
それに対して、三菱倉庫ビルの曲線と水平線は落ち着き堂々とした印象を受けます。停泊している船のよう。
ちょっと写真はうまく撮れていませんが。

現在、建て替えが決まり、外観が保存されるようです。
外観保存の、高層化。
最近、浸透していますね。




お昼です。
カレー部一同は昼カレーを済ませ、
次なる方向へ歩いて行きます。
何かニオうところに。
人形町方向へ。

早速、すごい。
歯医者です。

1階が洋室で2階が和室になっているのでしょうか。
いやこれは、明治期の大邸宅が和館洋館を横に並べて置いたのに対して
下町の限られた敷地のため、和館洋館を上方向に並置してしまったのですね。
と、思えるくらい、上と下で対照的な建物です。
でも、よく見ると1階は後から手をいれているようにも。
中はどうなっているのでしょうか。
とても気になります。



これもおもしろいです。
現代の帝冠様式でしょうか。
なまこ壁に三角屋根。
ナショナリズム




水天宮へ向かいます。
この周辺は大小様々な路地が観察できます。

もう少しで隅田川が見えてきます。

清洲橋
リベットが美しいです。
萌えませんか。
今日は震災復興期のモノとよく出会います。



隅田川を遡り、浅草を目指します。
中央区立スポーツセンターのあたりから隅田川を眺めます。
後ろでは、若者たちがスケボーの練習に励んでいました。


新東京タワーの姿が見えてきました。
完成までもう少し。
白い。


ようやく、浅草に到着。
休日だったので、とても人で賑わっていました。




現代の川に置き換えられた道路網。
しかし、かつてのまちが水運に対して開けていたように、現代のまちは高速道路に対して開いているとはいえず、眺めるモノ、走るためのモノ、に留まっているようです。
邪魔者というより、景観を構成する一部になっているという印象を受けます。
一方的に通り過ぎなくてはならない高速道路の性なのかもしれません。
誰か高速道路に対して心を開いているのでしょうか。

次回も、「高速道路を歩きたいけど、風の向くままに歩きたい」をつづける予定です。

担当:金谷