暑苦しい男?

「たった一人の熱狂」(見城徹著)を読む。
著者は幻冬舎の社長であり、ベストセラーメーカーとして知られる。そのメッセージと解説から成るが、いやはや、すごい熱量の押し寄せてくる本だった。
仕事、仕事、仕事……1年365日、24時間が仕事づくめ。よく言えば猛烈サラリーマン、悪く言えば社畜?(社長だが)。「24時間戦えますか?」のフレーズがピッタリだ。


まあ出版という仕事がいくら好きと言っても、よくこんなに仕事のことばかり考えていられるなあ、と感心する。
というか、もはや業のようなものかも知れない。止まっているのが嫌なんだな、きっと。


「圧倒的努力」という言葉が繰り返し出てくるのが印象的だ。「自己検証、自己嫌悪、自己否定なき所に成長なし」とも言う。
若い人から見ると「暑苦しい」かも知れないが、同世代のせいか、かなり共感できた。編集者という仕事の面白さがよくわかり、ちょっと羨ましいとも思った。


この本の前に読んだ「読書という荒野」もべらぼうに面白かった。こちらは、作家との交友歴を綴ったもので、なかでも林真理子とのエピソードが印象的だ。
彼女に小説を書くように勧めた際、見城は3つのことを言い渡すのだが、3つ目が「俺に惚れるな」。すると林が「大丈夫、私は面食いだから」と言って大笑いになった、という話だ。ちなみに、見城は板東英二によく似ている。
「どっちもよく言うよ」と、私も大笑いしてしまった(^_^;)。