K#1「Knight」(新)
このアニメを見た人の九割くらいが、言うわけですよ。「なにこのオサレアニメ?」と。
で、私も、見終わってまず言いましたよ。「なにこの超オサレアニメ?」と。
第一話としては、説明不足は否めないし、とにかくスタイリッシュに美々しく描かれた世界は、逆に見づらさに繋がってもいるし、美男美女揃いの登場人物たちは、一気にこれだけ出られても到底覚えきれないし。
しかし、作画・演出の半端ない気合いの入り方、豪華に揃えた声優陣、語り口は重いものの(おそらくは)緻密に作りこまれている設定。
そのへんで、じゅうぶんに引き込んでくれる第一話でした。
なんといっても画面作りですねぇ。
アニメでしかできない、アニメだからこそ映える、そんなカメラワークや効果が満載で、見ているだけでなにやら幸せです。場面の意味は分からなくても、スタイリッシュな映像を目で追いかける、そのことが快感。
なにやら世間ではこのアニメ、叩かれがちのようですが(ちょっと不思議なくらい叩かれてる)、個人的には少しばかり擁護したくなります。
理由として、まず、すごく「攻めの姿勢」を感じたこと。
とにかく作品のカラーを思い切り前面に出して、世界の提示、キャラの紹介を、矢継ぎ早に繰り出す。不親切さに直結している感はありますが、視聴者を侮っていないというか、勝負に出ている感じ、嫌いじゃない。
それと、キャラクターの言動が、現時点で一貫していること。オリジナルアニメにおいてはこれは重要。まだ第一話だろ、と言われそうですが、うん。かつて、第一話の内容だけで既にキャラクターの言動が不可解すぎて、ついていけなかったアニメがありましたので……。
あと、男性視聴者がアレルギーを起こしているらしい主人公の言動(と声)ですが、なんというか、「常識は無いけど良識はある」系のキャラとして、個人的には好感度は高めです。一例として、街中の追いかけっこでぶつかりかけた人にちゃんと謝っていたことが、たいへんポイント高かったです。そういう、普通の感性を持った部分を、省かず描写するのは、どれだけ大事であることか。
ハイトーンの声は、まあ、好き嫌いの要素はあるのでしょうがないですが、終盤で見せた別人格(?)っぽい存在との差別化のためだろうし。私は別に気になりませんでしたが。
少なくとも、単純に「腐女子向けアニメ」とか「萌え路線にも媚び売ったアニメ」とか、そんな悪口で済ませていい作品ではない、と思うのだけれど。
オリジナルアニメには基本的にやさしくしたい、という気持ちが、根底にあります。
しかし受け付けない作品はとことん受け付けないのも、オリジナル。
とりあえず、若干の贔屓目を自覚しつつ、次回も見る予定。
◆amazon link
「K」Image Blu-ray WHITE&BLACK(Blu-ray Disc)
放送よりだいぶ先行して、8月1日に発売されていたPV集。なんつーか、チャレンジングだな!声優ファンを当て込んでいる、というのは、ありそうですが。
本編も11月7日発売とか、だいぶ早いですね。ほんと、いろんな点において不思議な展開の仕方だ。