軽いタッチの伊坂幸太郎作品である。相変わらず、出だしから訳がわからないままに読み進めていく。会話はテンポよく笑いもあって楽しいが、ストーリーの要諦が何時まであってもつかめないまま、どんどん話は進んでいく。どこかで大きく話が展開するのを期待していたが、意外なほどあっけない幕切れだった。最後に色々と登場人物が絡んで大団円という気もしないでもないが…。
読んでいて後味の悪い小説ではなかったが、期待感が大きかったためか残念な印象が拭えない。主人公の理不尽な逃走劇を描いているが、その真相が闇のまま、逃走劇の間にある人間心理などを描いてはいるが、根本はわからないままだ。
まあ、こういう小説なんだろうと諦めるか。
- 作者: 伊坂幸太郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2007/11/29
- メディア: ハードカバー
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