悪魔の尻尾

50代から60代へ~まだあきらめない

キングコング、キングコング2

画像はAmazonより

画像はAmazonより

少し前の映画です。ジェシカ・ラングつながりで視聴しました。
合わせて続編の2を見ましたが、配役も大幅に変わり、別物の印象です。

 

一作目は私が子供の頃、劇場に見に行きました。
ストーリーはモノクロの作品1933年のストップモーションで作られたキングコングをすでに見たことがあったので、知っていました。
この映画のポスターとかで描かれている飛行機との格闘シーン何かを期待していたのですが、全くそんなシーンはなかったです。
1933年版は戦闘機との戦いですが、当時はもちろんジェット機なんてものはなく、複葉機で機関銃を撃っていました。
ポスターにあるようなジェット戦闘機は出てきませんし、それを握りつぶすというシーンは皆無です。
今回の敵はヘリコプターです。
飛行機ですらありませんでしたね。
映画のポスターに嘘偽りがあるということを幼いながらに学習できたのかなと思います。
私は子どもと言ってもじっくり映画を見ることができる年齢。
幼い子供もたくさんいたと思いますが、小さな子供には退屈な映画だったと思います。
モノクロでストップモーションで描かれていたキングコングとは違い、カラー作品で迫力の映像。
それだけで個人的には大満足でした。
ただ、ストーリーは知ってはいるものの、結末は悲しいですね。
最新攻撃ヘリに装着されたガトリンク銃による虐殺です。

ちなみにこの映画は息子は見ません。
2005年のCGを使った最新の映画を観た彼は、大粒の涙ボロボロと流して訴えていました。
「コングが何をした?悪いのは人間なのに。平和に島で暮らしていただけなのに。」
まさにそのとおりですよね。
人間の欲望とエゴが剥き出しになった映画です。
ストーリーを知っているだけに、このシーンは見たくないんだそうです。

とか言いながらも、「髑髏島の巨人」(2017年)は私と一緒に映画館に観に行きましたし、「ゴジラvsキングコング」(2021年)も劇場で視聴しました。

 

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さて、1976年のリメイク版キングコングの続編があるんですね。
およそ10年の時を経て公開された「キングコング2」(1986年)です。
存在自体の記憶もなかったですし、観たこともなかったので、この映画は息子とともに視聴しました。
コングの恋人は美しい女性というのが相場なのですが、この映画ではコングの恋人はやはりコングという展開が待っていました。
キャスティングにはターミネーターで一躍有名になったリンダ・ハミルトンです。
彼女の役柄は科学者であり、前作で死んだはずのコングを蘇生させることに成功するのです。
10年という長い年月をどうやって腐らせずにその肉体を保持していたのか?
脳はどうなっているのか?なんていう疑問はこの映画では完全にスルーです。
そしてレディコングの登場と新たなるコングの恋。
さらにはレディコングの妊娠、出産という展開が待っている作品です。
見方によればそれはそれでありなのかもしれませんが、どうにもご都合主義が強すぎますし、全体にチープな感じが漂い、観ていられない映画でした。
ジョン・ギラーミンは前作の監督であり、この作品でもメガホンを取っている正式な続編なのですが、脚本が悪いのか演出が悪いのか、面白みがなかったです。
息子はこちらのほうがずっと良かったみたいです。


ともあれ、「ゴジラVSコング 新たなる帝国」も息子と一緒に劇場に足を運ぶつもりです。

ケープ・フィアー(恐怖の岬) ロバート・デ・ニーロ怪演

画像はU-NEXTより

恐怖の岬という古い映画のリメイクで、この映画自体も30年も前のものです。
いつかは見ようと思っていましたが、見る機会がなかったのですね。
郵便配達は二度ベルを鳴らす」のジェシカ・ラングつながりでU-NEXTに表示されたので見てみることにしました。

 

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映画の概要

監督:マーティン・スコセッシ

脚本:ウェズリー・ストリック

製作:バーバラ・デ・フィーナ

製作総指揮:キャスリーン・ケネディ/フランク・マーシャル/スティーブン・スピルバーグ

製作国:アメリカ合衆国

公開:1991年

上映時間:127分

製作費:35,000,000ドル

興行収入:182,292,000ドル

キャスト

マックス・ケイディロバート・デ・ニーロ

サム・ボーデン:ニック・ノルティ

リー・ボーデン:ジェシカ・ラング

ダニエル・ボーデン:ジュリエット・ルイス

ローリー・デイヴィス:イリーナ・ダグラス

クロード・カーセク:ジョー・ドン・ベイカー

リー・ヘラー:グレゴリー・ペック

エルガード:ロバート・ミッチャム

トム・ブロードベント:フレッド・トンプソン

裁判長:マーティン・バルサム

あらすじ

マックスは刑務所で14年という長い期間服役しました。
彼の体にはいたるところに入れ墨があります。
「真実」「正義」「復讐」といった意味深な言葉がそこにはありました。
彼は出所後、自分を有罪に貶めた国選弁護士のサムへの復讐を始めます。
彼は刑務所で体を鍛え上げ、文字にも疎かったのを改め、本を読み、学習してきました。
サム・ボーデンはマックス・ケイディの弁護人でした。
しかし、マックスの起こした犯罪はレイプ犯であり、その犯罪を憎むあまり彼に有利になる証言を握りつぶしたのです。
それは14年も前のことです。
すっかり忘れていたサムですが、服役していたマックスは刑務所で文字を学び、本を読み、そして体を鍛えまくりながら、出所してからの復讐のために彼の中にある刃を研ぎ澄ましていたのです。

サムは家族を付け回すマックスを不気味に感じ、なんとか排除しようとします。
マックスは以前の粗暴一辺倒な人物ではなく、悪事を働くための知恵も身につけているのです。
嫌がらせはサムの過剰な反応もあってエスカレートしていきます。
そしてついに本性を見せていきます。

感想

ロバート・デ・ニーロが悪役で登場。
彼は本当に役柄に溶け込むために自分自身をどこまでも追い込んでいきますね。
この映画も鍛えまくった素晴らしい肉体を披露。
そしてその表情は不気味を通り超えて気持ち悪さも感じます。
まさに怪演ですね。
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」のときのギャングのヌードルスとはまた違いますし、もちろん「マイ・インターン」のベンのような優しそうな老紳士とは正反対ですね。

 

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冒頭でも述べましたが、これには古い映画があって、「恐怖の岬」というものだそうです。
見たことはありませんが、リメイクで作られるくらいですからきっと素晴らしい映画でしょう。
4度も映画化された「郵便配達は二度ベルを鳴らす」ほどではないですが、ロバート・ミッチャムがマックス役でサムを演じるのがグレゴリー・ペック
ちなみにロバート・ミッチャムはサムと親しい警官役で、グレゴリー・ペックはマックスの弁護士役として登場しています。
このあたりも映画ファンには見どころなのでしょうね。

オリジナルのモノクロ映画は見ていませんが、見てみたくなりますね。
そしてこの作品の静かな序盤、中盤からどんどん気味悪くなってくるのですが、ラストに近づくとその狂気はエスカレート。
失うものがないマックスは、”無敵の人”となってサム一家に襲いかかりますが、本当にその当たりに凄みがある映画ですね。
見ていてテンションが上りますね。

 


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ミレニアム2 火と戯れる女 スティーグ・ラーソン

画像はKindle本より

ミレニアム・シリーズの2作目です。
長い小説ですね。
文庫本なら500ページくらいのやや厚めのものが上下巻2冊です。
電子書籍なので上下巻合本です。

映画は先に見てしまっているので、読みやすいというのはあるのでしょう。
「ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女」は映画も何度か見直すなどこの2作目よりはより理解しているつもりでも、少し読むのに時間がかかりました。
この2作目も1作目に負けず劣らず多くの登場人物が入り乱れて、シンプルな物語ではありません。
映画を見ていなかったらこんなにスラスラと読めなかっただろうと思いますね。

 

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映画を見てからある程度時間が経過し、記憶が少し薄れてきたタイミングで、この本を読み始めました。
実は、3部作を観た後、AmazonKindle本を購入しました。
1作目も映画はもちろん良かったのですが、本を読むとものすごくよく分かるんですね。

 

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映画もかなり長いのですが、それでも3時間もあれば見れます。
ところが本を読むとなると普通の人は3時間とかで読むのは無理でしょう。
それこそこの物語に登場するリスベット・サランデルのように映像記憶能力の持ち主でもない限り、映画よりも長い時間が必要です。
通常、小説というものを読むと、文字という情報を脳でいったん処理して映像や音声という形で浮かび上がらせていると思います。
映画で見てもやもやしていた(ハッキリ理解できなかった)部分が文字を通して理解を深めるということがあります。
登場人物が多くて、人間関係も非常に複雑な物語になると、文字情報はありがたいです。
1作目も映画はダニエル・クレイグ主演のデヴィッド・フィンチャー版もオリジナル版もどちらも観たのですが、本を読んだ後に一番スッキリしました。
1作目の映画を見ていたこともあって2作目の映画はとてもわかり易かったのですが、この本を読んでみると更にこの2作目の作品がくっきりとわかるようになりますね。

 

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1作目の話とは全く異なりますが、人間関係や今回の物語の背景になる事柄がたくさん出てきますので、この作品は1作目を知っておく必要がありますね。
この2作目を知るうえでの登場人物を簡単に紹介します。

ミカエル・ブルムクヴィスト
雑誌社ミレニアムの経営者であり、メインのライター。
若い頃に連続銀行強盗犯のアジトを突き止め一躍時の人となり、「名探偵カッレ君」というニックネームがあります。
正義感が強く、集中力が半端ない人物ですが、そうでもないときは凡庸なタイプ。
前回の事件ではリスベットとは深からぬ仲になり、また命の恩人でもあるわけです。
リスベットのことは謎だらけなのですが、彼女がどんな不利な状況になってもなんとかしてあげたいと思っています。
彼は常にリスベットの味方です。


エリカ・ベルジェ
雑誌社ミレニアムの共同経営者であり、編集長。
上流階級出身で見た目もよくテレビ局にいたこともあって人脈も広い才色兼備の女性。
既婚者だが、ミカエルとは長い間肉体関係があり、その点については、芸術家である夫グレーゲル・ベックマン公認。
リスベットとは面識があるものの、ミカエルほど彼女のことを知っているわけではありません。
ただ、ミカエルを信頼しているので、彼の言葉を信じて今回の事件に対応します。
彼女自身の今後の身の振り方にまつわる話題もあります。

ダグ・スヴェンソン
若手のジャーナリストで特ダネを引っ提げてミレニアムにやってきた人物。
そのネタとは「少女売春組織」に関することであり、実名での公表と書籍の出版も予定しています。
ミカエルは彼を見て若い頃の自分を思い出すようです。
ジャーナリストとして大きく飛躍するチャンスの到来でしたが・・・。

 

ミア・ベイルマン
ダグ・スヴェンソンとは同棲中の学者。
犯罪学、特にジェンダーに関することで博士号の取得を目指して作成した論文はダグと同じく「少女売春組織」に関する内容を含んでいます。
ダグとの子供を妊娠しており、博士号もほぼ手中にある状態なので、まさに公私ともに幸せの絶頂期だったのですが・・・。

 

アニカ・ジャンニーニ
ミカエル・ブルムクヴィストの実の妹で弁護士。
既婚者でイタリア系の夫との間に二人の子供がいます。
女性の権利に詳しい人物。

リスベット・サランデル
映像記憶能力とともに凄腕のハッカーとしての知識もあり、調査員としてはずば抜けた能力を持っています。
ミルトン・セキュリティと言う会社でフリーで働いていましたが、1年以上消息を絶っていました。
人間関係を構築することが圧倒的に苦手な人物ですが、その理由もわかってきます。
150センチ台で40キロほどの非常に華奢な体であるため、パワーはありませんが、すばしこく運動神経も抜群です。
こんな有能な人物なのですが、法的には無能力者とされており、後見人がついています。
それらの事情も今回明らかになります。

ミリアム・ウー
リスベットの数少ない友人。
レズビアンでリスベットとも関係があります。
リスベットと違い170センチほどの体格で肉付きもよく、ボクシングなどの格闘技もやっています。
リスベットが住んでいたストックホルムのアパートに住むことになります。

パオロ・ロベルト
元ボクシングのチャンピオンで、リスベット、ミリアム・ウーともに知っている人物。
今回の事件に協力することになりますが、腕っぷしの強い彼もとても叶わない相手に出会います。

ホルゲル・パルムグレン
リスベットの最初の後見人。
当初は数多くいる患者のうちの一人だったリスベットですが、彼女を深く知るに連れなんとかしてあげたいと心から思ってくれた数少ない人物。
しかし、突然倒れたため、リスベットによって病院に担ぎ込まれます。

ドラガン・アルマンスキー
ミルトン・セキュリティーという会社の社長でリスベットの能力を高く勝っている人物。
ところが全く連絡が途絶えていることに気をもんでいます。
ホルゲル・パルムグレンとは旧知の仲

プレイグ
リスベットいわく世界で指折りのハッカーの一人で、信頼しています。
プレイグも「スズメバチ(リスベット)」の能力は高く買っているようです。
リスベットと同じく社会的不適合者です。

ヤン・ブブランスキー
今回の事件の操作を担当する刑事。
感情に流されず、緻密な捜査をする有能な刑事です。
おまわりさんのブブラさんというニックネームがあります。

ソーニャ・ムーディグ
既婚の女性刑事。
男性社会でもある警察組織にあっては納得できないことも多数あります。
上司のブブランスキーは彼女の能力を非常に評価しています。
非常に勤勉で有能な刑事です。

ハンス・ファステ
旧来の刑事そのままです。
無能ではなく勇敢な刑事の一人ですが、ソーニャとは全く馬が合いません。
女性蔑視の姿勢は変わらない人物です。

リカルド・エクストレム
今回の事件の担当検事。
出世欲の強い人物です。

ニルス・ビュルマン
リスベットの後見人。
弁護士ですが、凡庸な人物です。
前作から登場しているので、彼がどれくらいの「悪」なのかはわかると思います。

ベーテル・テレボリアン
精神科の医療の世界にあってはスウェーデンきっての人物で、彼の言葉は非常に説得力があります。

グンナル・ビョルク
少女買春において実名を出されることになりそうな人物。
公安の人物でもあり、かれはキーマンとなるザラを知る人物です。

ザラ
この物語の「悪」そのものです。
そしてリスベットの不幸の根源でもあります。
ザラは本名ではありません。
謎の多い人物ですが、徐々に明かされていきます。

ロナルド・ニーダーマン
金髪の巨人です。
彼も謎の人物ですが、ラストシーンにも登場する実質この作品のラスボス的な扱いとなります。

 

映画では描ききれなかったリスベットの外国での滞在時のことなどが書かれています。
そこではフェルマーの最終定理にのめり込み、高等数学の本を読む得体のしれない女性。
そして体が小さくて胸も小さく、女性としてのコンプレックスが強かったため、豊胸手術を受けるまでの流れなども書かれています。
彼女の等身大の姿がこの本で明らかにされ、彼女の魅力にどっぷりとハマってしまうでしょう。
映画で見るタトゥーだらけのぶっ飛んだ女性。
私はファッションとはいえ、タトゥーに対しては肯定的に捉えられず、偏見でどうしても見てしまいますが、私のように考える人はまだまだ多いと思っています。
そんな彼女もミカエルとの出会いを通じて精神的な成長も果たしたのでしょうか、数多くあったタトゥーですが、背中のドラゴンのタトゥーはともかくスズメバチのタトゥーなどは消してしまいます。
とてつもない能力を持つ個性的なキャラクター、リスベット・サランデルの本当の過去が描かれたこの作品は、前作「ドラゴン・タトゥーの女」を読んだ人、映画を見た人は必読、必見です。
最強の女性キャラクターですが、最悪の運命を背負った女性です。
ネタバレは支度はありませんのであらすじはあえて書きません。
キーマンは「ザラ」です。
そして物語を引っ掻き回してくれるのは謎の巨人「ニーダーマン」です。

3作目の「眠れる女と狂卓の騎士」も購入済みですが、読んでいません。
映画は見たので大体わかっているつもりですが、多分読み始めるとやめられなくなりそうです。

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