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2017-09-16

提言 日米同盟を組み直す 東アジアリスクと安全保障改革

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田中 明彦、日本経済研究センター編『提言 日米同盟を組み直す 東アジアリスクと安全保障改革』日本経済新聞出版社、2017年。

 月末に発売です。私は「第7章 サイバー安全保障と日米インテリジェンス連携」を担当しています。あまり部数を刷らない上に、某会合でたくさん配布してしまうらしいので、あまり市中には出回らないかもしれません。

目次

  • 提言 より強固な同盟を目指して
  • 1. 21世紀における同盟の課題と使命(国際情勢と世界秩序):田中明彦・政策研究大学院学長
  • 2. アジア旋回と同盟の役割(ASEANインド):白石隆アジア経済研究所長
  • 3. 「切れ目のない同盟」の連携体制(日米NSCの統合運用):細谷雄一・慶應義塾大学教授
  • 4. 世界秩序の再構成と日米同盟の役割(ロシア中東欧州):中西寛・京都大学教授
  • 5. 習近平体制の中国と同盟の対中政策中国朝鮮):高原明生・東京大学教授
  • 6. 同盟の軍事オペレーションと懸案(SOFA、基地運用):森本敏・拓殖大学総長
  • 7. サイバー安全保障と日米インテリジェンス連携:土屋大洋・慶應義塾大学教授
  • 8. 新しい日米経済関係の構築:竹中平蔵・東洋大学教授
  • 9. 世界経済と日米経済・貿易ビジョン:岩田一政・日本経済研究センター理事長

2017-09-01

特別研究プロジェクト@台湾

 わがSFCには特別研究プロジェクトという制度があり、夏休みや春休みに国内外で集中授業を行うと単位が付く。私は今までやってことがなかったが、たまたま日程がうまく空いたので、初めて8月上旬に実施した。10人の学部学生とともに台湾を訪問し、安全保障と文化における日台協力について学んだ。

 田中靖人・産経新聞台北支局長(SFC出身)にレクチャーをお願いしたり、台湾師範大学でもレクチャーをお願いしたりした。

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 有名な誠品書店を訪問すると確かに日本の本や雑誌が置いてある。写真は子供用のセット。台湾の子供もこういうのを買うのだろうか。それとも現地在住の日本人向け?

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 私の個人的な調査対象としては淡水という街にある海底ケーブル陸揚局。

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 中国語(繁体字)で海底ケーブルは「海底電纜」、陸揚局は「海纜站」というらしい。

 最終日の午後に国立政治大学で成果報告会を開き、コメントをいただいた。日台協力というのは簡単だけど、具体的に何ができるかと考えるととても難しい。お互いの文化が気に入って旅行しているだけではほとんど何も改善しない。それをひとまずは学生たちが認識してくれたようなので、ひとまず良かったことにしよう。

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 もちろん、合間にはおいしい料理もいただいた。写真は学部の時の同級生に連れて行ってもらった居酒屋での宴会料理。シジミの醤油漬け老酔蜆子がどこでもおいしい。

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サイバーセキュリティの地政学

土屋大洋サイバーセキュリティ地政学」『ITUジャーナル』2017年9月号、21〜23頁。

 期間限定で全文読めるそうです。

 大学院生の頃は、どうやったらこの雑誌に書かせてもらえるのだろうと思っていたのに、突然あっさりと執筆依頼が来て、その割に書くのに苦労してしまいました。3ページ目に大きな空白が空いているのは、たぶん私が図を入れなかったからです。

2017-08-31

EWCで小さなシンポジウム

 2014年から15年にかけてハワイイーストウエストセンター(EWC)に客員研究員として置いてもらい、それはそれで充実した研究の時間をもらえて良かったのだけど、新しい研究テーマとして太平洋軍(PACOM)を見つけて来た。

 それから年に一、二度、ハワイに通い、太平洋軍の研究プロジェクトを行ってきた。その一環として、8月22日に小さなシンポジウムをEWCで実施させてもらった。

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 キーノートは元太平洋艦隊司令官のAdm. R.J. ”Zap” Zlatoperで、率直にPACOMについて教えてくださった。日本からは元海上自衛隊の中村進さん、日本国際問題研究所小谷哲男さん、慶應法学部の西野純也さんに来てもらった。

 アメリカ側からは他におなじみのBrad Glossermanさん(もうすぐ日本で仕事を始めるそうだ)、朝鮮半島の専門家のKevin Shepardさん、プロジェクトのメンバーのEWCDenny Royさんが参加してくれた。

 三澤康ホノルル総領事とRichard Vuylsteke EWC所長もご挨拶をしてくださった。

 PACOMの現役の軍人も参加してくれて、小さいながらも良いシンポジウムだった。アジェンダはこちら

 ところで、この翌日、PACOMを訪問して意見交換をする機会をいただいたのだが、帰り道、高速道路でタイヤがパンクするというアクシデント。運転中に何か変な音がするなと思ったら急にガタガタガターと音がして慌てて路肩に止める。右前輪のゴムの部分が完全に外れて、高速道路の後ろのほうに転がっている。後続の車がよけながら走っていて危ない。初めての経験でオロオロしてしまったが、ハイウェイパトロールのおじさんがやってきて、あっという間に直してくれた。誰もけがをしなかったので良かった。

 2014年の滞在中、パリ・ハイウェイを走っていたら2台前の車が、対向車と正面衝突し、炎上するという事故も見たことがある。ハワイの運転はよくよく気をつけないと。

2017-08-21

クロスドメイン(領域横断)攻撃は、戦闘を第二次世界大戦時に立ち戻らせる

土屋大洋クロスドメイン(領域横断)攻撃は、戦闘を第二次世界大戦時に立ち戻らせる」『Newsweek日本版』2017年8月18日。

 書いておいて無責任ですが、本当にそうなるんですかね。米軍の動きを見ているとそうなることを見越しているようなんですが。

2017-07-21

大規模サイバー攻撃は本当に北朝鮮によるものか

土屋大洋「大規模サイバー攻撃は本当に北朝鮮によるものか」『東亜』2017年7月号、6〜7頁。

 世の中では北朝鮮の第180部隊やラザルスによるものという見解が多いので、まちがっているかもしれませんが……

2017-07-02

護衛艦いずも

 海上自衛隊護衛艦いずもに体験乗艦する機会をいただいた。研究者5人、プレス10人、それにASEAN諸国の若手士官10人がシンガポールから乗り込み、南シナ海で訓練を行いながら4泊5日を過ごし、再びシンガポールに戻った。シンガポールまでの渡航費は自己負担、艦内での食事代も自己負担だが、こうした機会はめったにいただけることではない。

 ASEAN諸国の若手士官は防衛省ビエンチャン・ビジョンに基づいて、艦内でセミナーを受講したり、訓練に参加したりしていた。

 プレスの皆さんはASEANの若手士官たちの様子や艦内の様子を取材していた。すでにいくつか動画がYouTubeに載っている。

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 私たち研究者は自衛隊の皆さんにレクチャーしたり、訓練を見学させてもらったり、ASEANの若手軍人たちと懇談したりして過ごした。ゲスト用の個室をそれぞれ提供され、快適に過ごすことができた。

 朝5時55分に「総員起こし5分前」という号令が放送でかかるとみんな身支度(会場自衛隊では「身辺整理」と呼ぶ)を始め、6時に「総員起こし」の号令がかかる。6時15分から朝食、11時15分から昼食、17時15分から夕食と規則正しく動く。海上では携帯電話インターネットもつながらない。時々、艦橋で海図を見せていただきながら、位置を確認していく。

 朝晩は天気が崩れることが多いが、一晩だけ、南シナ海の満天の星空を見ることができた。赤道近くの星座はよく分からなかったが、あれだけの星を見たのはハワイマウイ島ハレアカラ山頂で見て以来だった。しかし、デジカメで星空は写せない。

 今回の私のベストショットは、夕暮れの海に飛び立つヘリコプターSH-60Kである。

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 艦内をいろいろ見学させてもらって改めて感じたのは、こうした大きな艦艇はチームワークで動かすしかないということ。艦橋で「おもーかーじ(右旋回)」と号令がかかると、その後ろにいる操舵手が実際に舵を切る。しかし、エンジンのスピードはずっと下の機械室で操作している。機械室では艦橋からの指示がジリンジリンと鳴るベルで伝えられ、操作盤のボタンを押してエンジンのスピードを調整する。機械室にいる人たちは窓もなく、外の様子が全く分からない。艦橋からの指示がおかしいと思ってもそれに絶対に服従する。そこに信頼関係がなければ操艦はできない。

 さまざまな人たちが役割分担をしながら護衛艦いずもは動いている。乗員だけで400人以上。いずもはすでに熊本の被災地支援に出動しているが、東日本大震災時のような大規模な災害も想定して数百人を収容できるようになっている。三食を確実に用意することに専念をする人、見張りに徹する人、ヘリコプターの整備に専心する人、たくさんの職種と階級に別れてチームワークは成り立っている。甲板より上にいて、常に外の様子が分かる人は半分もいないのではないか。船の下のほうに何層も降りていったところにあるエンジンルームは、常に轟音と熱がある。そこで何時間も過ごす乗員の皆さんのご苦労は計り知れない。

 ちょうど伊豆半島沖で米イージス艦フィッツジェラルドの事故があった直後で、艦艇を安全に動かすことの難しさが再認識されていたときだっただけに、非常に良い体験だった。海上自衛隊の皆さんの努力に敬意を表したい。そして、第1護衛隊群の伍賀群司令、いずもの甲斐艦長、大勢の乗組員の皆さんに感謝したい。

 一緒に乗艦した研究者たちの多くは、シンガポール港に帰港した際、「もっと乗っていたい」と言っていた。facebook中毒の同僚Hさんまでそう言っていたので驚いた。私は正直、「もう十分」という感じだった。私の名前は海上自衛隊向きだとよくからかわれるのだが、私に船乗りは務まらない。シンガポールから飛行機で帰国した後も体がユラユラしている感覚がなかなか抜けなかった。

2017-05-22

東京五輪をサイバーリスクから守る

川口貴久、土屋大洋東京五輪サイバーリスクから守る」『リスクマネジメントTODAY』第102号、2017年5月、4〜9頁。

 「サイバー攻撃時代を行く」という特集の一環です。

2017-04-26

デジタルメディアの奔流を誰が残しておくか

土屋大洋「デジタルメディアの奔流を誰が残しておくか」『MediaNet』第23号、2016年12月27日。

 湘南藤沢メディアセンター(簡単に言えばSFC図書館)の所長を拝命している関係で書かせてもらった原稿。年末に出たのを忘れていた。

 秋から続いていた仕事の波が一段落して、今週は比較的平穏だ。明日のテレビ出演がやや頭の痛いところだが、それが終われば連休だ。今週中に原稿の修正2本と論文査読1本やれば良い。連休が明けて5月末まで短い原稿を1本書くだけで良いみたいだ。講演や国際会議はいくつかあるが、なんとか乗り切れる気がしてきた。

2017-03-04

サイバーセキュリティにおける制裁のメニューの検討を

土屋大洋サイバーセキュリティにおける制裁のメニューの検討を」国際社会経済研究所、2017年3月。

 客員研究員をしている国際社会経済研究所にコラムを載せていただきました。

2017-02-14

Improving Cybersecurity Cooperation between the Governments of the United States and Japan

Linton Wells II, Motohiro Tsuchiya, and Riley Repko, "Improving Cybersecurity Cooperation between the Governments of the United States and Japan," SPFUSA, February 9, 2017.

 SPFUSAからの依頼で、共著で日米のサイバーセキュリティについて報告書を書きました。なかなか大変でした。

著者が語る

土屋大洋「著者が語る 『暴露の世紀 国家を揺るがすサイバーテロリズム』」『月刊公明』2017年3月号、79頁。

 自著について紹介する記事を書かせていただきました。オンラインでの閲覧はできないようです。言うまでもないことですが、寄稿によって支持政党を示すものではありません。

2017-02-05

タリン・マニュアル2.0

 長く待たれていたタリン・マニュアル2.0がリリースされた。amazonでも入手可能になっている。私はKindle版を入手した。この2.0は1.0の改訂版ではなく、1.0が戦時での国際法サイバースペースへの適用を扱っていたのに対し、2.0は平時の適用を扱っている。まだ読めていないが、読むのが楽しみだ。

 ワシントンDCでは今週8日にAtlantic Councilで出版記念イベントが開かれる。ワシントンにおられる方は是非参加してください。元気があったらネット中継を見よう。

2017-02-03

ハイブリッド戦争の到来

土屋大洋「ハイブリッド戦争の到来——サイバー攻撃が社会を混乱させる」『三田評論』2017年2月号、33〜36頁。

 『三田評論』は慶應の機関誌で、一般書店では手に入りにくいかもしれませんが、慶應義塾大学出版会ウェブで注文できます。2月号は「サイバーセキュリティの展望」という特集で、大塚海夫/三角育生/小宮山功一朗/村井純の各氏による座談会や、同僚の新保さんの寄稿もあります。

 他には国分良成防衛大学校校長の「防衛大学校と慶應義塾」という講演録が注目ですね。

2017-01-17

日中韓サイバーセキュリティ・トラック2協議

土屋大洋日中韓サイバーセキュリティ・トラック2協議」『東亜』2017年1月号、6〜7頁。

 11月にソウルで行った協議のことを書きました。オンラインでも読めます。

 そのソウルでお目にかかった毎日新聞の米村耕一ソウル支局長も書いておられます。米村支局長は慶應SFC(総合政策学部)の卒業生です。

2017-01-14

暴露が続くアメリカ政治――ロシアが仕掛ける「情報攻撃」

土屋大洋暴露が続くアメリカ政治――ロシアが仕掛ける『情報攻撃』」『Newsweek日本版』2017年1月14日。

 そして、これが先ほど公開されました。ちょっと似たような内容ですが、新しい動きが出てきたので。

 ついでに本日(2017年1月14日)の読売新聞の若江雅子編集員による「解説スペシャル 偽ニュース 『SNS謀略』」でもコメントを載せていただいています。オンラインで読むにはログインが必要なようです。

サイバー戦場の霧を晴らす

土屋大洋サイバー戦場の霧を晴らす」日本国際問題研究所編『国際問題』2017年1・2月合併号。

「安全保障と技術の新展開」という特集号で、以下の皆さんの原稿もセットです。

安全保障の空間的変容 / 鈴木一人

無人化システム・ロボティクスと安全保障 / 神保 謙

技術と安全保障 米国の国防イノベーションにおけるオートノミー導入構想 / 森  聡

ウクライナ危機にみるロシアの介入戦略 ハイブリッド戦略とは何か / 小泉 悠

2016-12-02

暴露の世紀

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土屋大洋暴露の世紀 国家を揺るがすサイバーテロリズム角川新書、2016年。

 4月の末にお話をいただいて、夏と秋を使って書き、まとめてきた本が出版された。本当に年内に出るとは思わなかった。

 この間、ほとんどブログを更新できなかったが、8月にはハワイのイースト・ウエスト・センターに戻り、原稿のとりまとめと加筆・修正を行う時間がとれた。9月は北京シンガポールベルリン、パリ、ビリニュスリトアニア)を回ってきた。10月はロンドンのキングス・カレッジ・ロンドンでワークショップに参加した。

 この頃から疲れが出て体調が悪くなった。ロンドン行きは、夜遅くに羽田空港まで初校ゲラを届けていただいたが、ひどい風邪を引きながら香港経由で20時間かけてロンドンまで行き、現地で風邪薬が切れてしまい、ひどい状態になった。帰路の香港で、たまらず空港の足裏マッサージに入ってみたら、これが劇的に効いて少し体調が良くなった。

 しかし、ロンドンの往復時にチェックするはずだった初校ゲラが進まず、秋学期になって始まった英語の授業の準備にも追われ、11月初めにソウルに行った後にぎっくり腰になった。ここでも再校ゲラのチェックが進まず、どんどん他の仕事が遅れ、今は二つ、締切に遅れている仕事がある。次の出張が来る前に、その二つをどうしても終えておかなくてはいけないが、できる見通しが立たない。

 訪問してきた各地でいろいろおもしろいこともあったが、ここで書けなかったのが残念だ。

 この本は、これまで出してきた本と少し路線が違う(と本人は思っている)。あまり学問的な裏付けは意識せず、現場重視で書いている。主要参考文献は少し挙げてあるが、脚注は全くない。写真がたくさん入っているが、すべて自前で撮った写真である。水中カメラで撮った海底ケーブルの写真もある。コントラストが弱いので印刷は無理かと思ったが、見事に処理していただいた。

 担当してくださったKADOKAWAの皆さんに感謝したい。

政府はサイバー空間を守れるか

 めずらしく、たぶん初めて、対談が活字になりました。相手をしてくださったのは、外務省サイバー安全保障政策室の室長の齋藤敦さんです。

土屋大洋、齋藤敦「政府サイバー空間を守れるか」『外交』第40号、2016年11月、49〜60頁。