身心感悟とは

 みなさん、『身心感悟』という四文字熟語をご存知でしょうか?え、こんな素晴らしい言葉を知らないの?なんてこったい、せっかく僕が考えたのに。
 というわけで、勝手に作ったオレ四文字熟語『身心感悟』について解説です。まず、感悟という言葉を辞書で引くと「感じること、思いいたること」とありますが偶然かぶっただけで特に関係ありません。みなさん、日頃使われる表現として「身心ともに−」「身心を一体にして−」というものがありますよね。そういった表現に対して、僕はほんとに身体と心の2つだけで全部なのかなーと疑問に思い、勝手に『感』と『悟』を付けて4つにしちゃったわけです。
 では四つの文字についてそれぞれ解説。まずは『身』。これは分かりやすいですね、自分で動かすことができる身体です。つぎに『心』。これはいわゆる意識、思考、無意識、記憶など、自分から見える自分の心です。そして『感』。見る、聞く、臭う、触れる、味わうの五感と感情のことです。ここで、感覚は目、耳、鼻とか肉体なんだから『身』でいいだろうとか、感情はそのまんま『心』じゃないかとツッコミが頂くかと思います。そうなんです、順当にいけば身心に振り分けられるはずのものをあえて分けて考えるところがこの四文字熟語のミソなんです。『感』とは『心』のインプット側になるもの(次にでてくる『悟』を除く)をまとめて別のモノとしています。なぜ別にするかというと、五感と感情は自分から見える自分とは距離が離れた所にあるものだと捉えるためです。最後に『悟』。たぶん、この考え方が一番伝えることが難しいのだけれど、一言で説明すると思い付きやひらめき、直感のこと。これも自然に考えれば意識や無意識の作用であるわけだからまるまる『心』に入るところです。しかし、直感などに代表される『悟』は意識による論理的な思考、推測や無意識による反射に近い判断とはまったく異なり、またある意味最も重要なものです。頭の上に電球がピコンと光るような、答えが空から降ってきたような、そんな表現が似合う体験は誰でもしたことがあると思いますが、そのようなひらめきの体験を『心』に対して外側にある何か=『悟』が作用したと捉えるわけです。
 さて、こうやって解説した『身』『心』『感』『悟』。もちろん、人体を解剖してこれが『心』ですね、これが『感』ですねと取り分けることが出来るわけではありません。すべて人間のメカニズムの表れであり、結局はひとつです。ひとつのものを4つに分けて、4つに分けたもをひとつにできたら良いことあるかもね、という話しです。
 良いこととは何か。それは思い通りに動けることです。朝起きられないこと、ネタを集めたのにアイデアがまとまらないこと、ちょっとした聞き違いや判断ミス、腹が立って仕方がないなどなど、思い通りにいかないことは身心感悟の働きが上手くいっていない所為であるとします。この4つは乱れれば互いに悪影響を及ぼしあい、逆に整い連携すれば驚くほどの好循環を生み出す。身心感悟という言葉は、『身』『心』『感』『悟』4つの働きを自覚、調和させ一体として、自分で自分を思ったとおりに動かそう、自由自在になったらいいなという考え方です。
 以上、なんちゃってオレ四文字熟語とオレ身体観の解説に最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。


 おまけ。身心感悟を実践するためには。

  • 食事、歯磨き、風呂など毎日繰り返しの動作一つ一つについて考えてから動くようにする。(ハシでごはんをつかむ。口に入れる。ハシを下ろす。噛む。味わう。といった手順で)
  • 毎日少しの時間でもいいので、風呂や散歩、音楽鑑賞などリラックスできる状態で手ひらや足の裏など身体の各部に神経を集中させ細かな感覚に対して耳を澄ます。
  • 感情の揺れ動きを感じたら少し時間を取り、頭の中で感情の固まりを手でつまみ上げる場面を想像する。慣れてきたら良くない感情を対象や方向を変えることで生産的な感情に作り変える。
  • 思いついたら即実行する。くだらない思いつきなどでも必ず実行に移す。どうしても実行するとまずい場合は思いついた内容をメモに書くだけでもやっておく。

 まとめると実践のやりかたはすべて、『心』を中心とした視点で『身』『感』『悟』を自覚して、出来るだけそれらの働きを阻害せず良い方向に沿わせることとなります。