はくしょん

 大阪に住んでいたとき、近所の駅前商店街が結構好きでした。こじんまりとした商店街に、いつもおばちゃんたちが井戸端会議をしていて、細々とお店もしめることなく続いていた商店街でした。新しいタイプの店が進出してきたり、古くからあるお店が繁盛していたりしていました。雑貨屋もあれば、パンや、銭湯、魚屋、肉屋に八百屋、そういえば肉屋も八百屋は何軒もありました。面白かったのは、洋服の病院という店(正確な店名は忘れたけど)洋服の仕立て直しをしていました。和菓子屋さんもあったし、あとはさつま揚げの専門店もありました。

 そのさつま揚げ専門店は、おじさんと、おじいさんでやっている店で、いつも一人が店頭でネタを練って、もう一人が奥のほうで作業していました。お店のそばを通ると、おじいさんがネタを練っていることが多かったんですが、あるときでかいくしゃみをしていました。練っていた材料に。。。。”ハクショーィ!”って。くしゃみが収まった後も引き続き練っていましたよ。それ以降そのお店の名前は自分の中では”はくしょん”になりました。でもそこのさつま揚げはどれも美味しかったので時々買っていました。さすがにくしゃみをしていた様子を間近で見た日には買いませんでしたが。。。いまでも、懐かしく思い出します。「はくしょん」

相撲が好き

 Tkが家に帰ると、よくハッケヨイノコッタをしよう!と誘われます。数ヶ月前、Tkが訳の分っていないYuを相手に相撲をとって遊びはじめたのですが、今ではYu自身がルールをある程度理解してきたようです。しこを踏んで、ハッケヨイノコッタ!と突っ込んでくるのですが、最近はこの当たりがかなり強くなってきている気がします。なにしろ腰が入っていますから、容赦なくTkの股間の辺りに突っ込んできます。その後は必死にTkを投げ飛ばそうとつかんで捻って、、、途中から合気道の投げのようになったりすることも。数ヶ月前はただじゃれているだけだったのが、今では結構様になってきています。段々と体力も力も出てくるのが良く分ります。

アメリカでスピード違反で捕まったら

 身近な知り合いが、最近スピード違反の切符を切られたんですが、違反切符を切られたれた後のプロセスが日本と違うことがわかりました。

 日本では、警察に違反切符を切られると、それをもって郵便局に行って、罰金を振り込んで基本的にそれでおしまいですよね。点数が沢山引かれて、免停、もしくは免許取り消しまでいくと、運転免許センターに行って講習を受けて免停期間を免除してもらったりすることはありますが、裁判所まで行く例は余程悪質でない限りありません。しかし、アメリカで切符を切られると、結構簡単に裁判所送りになるようです。裁判所で無罪を主張したり、罪を軽くしてもらうこともできます。ただし、それにはドライバー自身が検察官と交渉する必要があります。このプロセスはかなり複雑で、アメリカ人でも面倒なようです。ましてや外国から来た人にとってはどうしたらいいのか途方もくれてしまうような状況になるでしょう。

捕まった状況
 違反切符を切られたのはState Thruwayという州間連絡高速道路だったそうです。その日は雪が降り始めていて、スリップ事故やスピード違反を警察も警戒していたようです。制限速度と同程度のスピードで普通に走行車線を走っていたところ、後ろからきたトラックに煽られたので車線変更したのですが、トラックも車線を変えて追いかけてきたため、再度車線変更。それでも追いかけてきたためにこりゃまずいとスピードアップして車間距離を離そうとしたところで、橋の陰に隠れていたパトカーのスピードガンに計測されて御用。パトカーがサイレンを鳴らして追いかけてきたようです。65マイル制限のところ、85マイルまで出てしまっていたので20マイルオーバーとなりました。アメリカの警察から追いかけられるのは結構怖かったでしょう。

警察官がきたら動いてはいけない
 ちなみに、アメリカでは警察に捕まっても車の外に出ることは出来ません。手はハンドルの上に乗せておき、警察の指示があるまで微動だにしてはいけないのです。もし外に出たら???警察は反撃してきたとみなして発砲してきます。手をハンドルにおかずに財布でも出そうとポケットに手を入れたり、ダッシュボードから何か出そうとしたりしたら??それも同じように銃を向けられるでしょう。何もせず、微動だにせず、前を向いて手はハンドルに。決して警察に警戒されないようにおとなしくしていないといけません。

 サイレンを鳴らしたパトカーに路肩に停車させられると、後ろに停車したパトカーから出てきた警察官(State trooper、州警察官)から、違反切符を切られます。この警察官は、市警とは違って、州警察なので、ちょっと管轄が違うようです。主に主要な高速道路の警備をしたり、州内の町をまたがるような事件のときに活躍するようです。違反切符は、感熱紙に印刷された紙切れ一枚。Speeding violation 20Mile, と言う記載と、チケットをチャージされた場所、警察官の名前などが明記されていています。違反切符とともに同じ内容の書類がもう一枚ついてきます。そこには捕まった状況と、違反の詳細、そしてその脇にはGuilty,Not Guiltyの2択の選択をする欄があります。どちらかにチェックを入れて、この違反切符の書類を自分で裁判所に送る必要があります。

Guilty? Not Guilty?
 この違反切符とともに着いてきた書類にGuilty? Not Guilty?の2択を選択して裁判所に自分で郵送しなくてはなりません。ちなみにguiltyは罪といういみ。Not Guiltyは無罪になります。自分で、罪を認める場合は、Guiltyにチェックを要れ、違反を認めたくない場合はNot Guiltyにチェックを入れます。Guiltyにしるしをつけて裁判所に送ったら、20マイルオーバーのスピード違反の場合、150ドルの罰金が加算され(NY州の場合)、さらに5ポイント減点。そしてその後2回に渡って150ドルを課金されて合計450ドルを支払うことになるようです。免許証に減点ポイントがつくと、翌年の自動車保険にも影響が出ます。いい事は一つもありません。
 状況によっては、ここまで罰金を払わなくても良くなるケースもあります。どうすればいいか。まずNot guiltyを選択して裁判所に書類を送ります。無罪を主張するわけです(plead not guilty)。裁判所は、無罪を主張してきた場合、本人を裁判所まで呼び出します。そこで、検察官と裁判官同席の元で、本人から事情を聞くわけです。ただし、呼び出されて裁判所まで出向いた場合、もう裁判官も検察官もそろっている状況ですから、有無を言わさず処理される可能性があります。おそらく、スピード違反でつかまった状況が余程無罪を主張できるような理由がなければ、認められないと思われます。

罪の減免が出来るシステム、Plea Not Guilty

 じゃあどうすればいいかというと、裁判所からの召喚状が来たら、面接予約の日を待たずに出来るだけ早く検察官(District attorney)に嘆願をします。裁判所からの召喚状に、担当の検察官の連絡先が書いてありますから、そこに連絡をして、どうすれば検察官と話が出来るかを聞きます。検察官に電話、もしくは手紙で事情を説明して、スピード違反をしようと思っていたわけではなく、これこれこういう事情だった。申し訳なく思っている。というようなsincere apologyを伝えます。嘆願(Plea)するわけです。電話で嘆願できる場合もあれば、手紙を送らなくてはならない場合もあります。この嘆願書には、絶対に自分自身がオーバースピードであることを自覚していたと書いてはいけません。確信犯が減免されるはずはありませんから。

 検察によっては、ホームページ上にPleaをするためのフォームがダウンロードできるようになっていて、それに嘆願理由をできるだけかいて送れば、たいていの場合受け入れてくれます。検察官が嘆願を受け入れた場合、切符を切られた罪から、比較的軽い別な罪状に罪が減免されます。減免されるだけでこの場合は無罪にはならないようです。ただし、人身事故、動物をはねた場合、物損事故には嘆願をすることは出来ないようです。

Speed violation からParking violationへ

 今回の場合、Speeding violatiohn(スピード違反、20マイル)から、Parking violation(駐車違反)に減免されました。減免は検察官から裁判所に申し出なくてはいけません。検察官が嘆願を受け入れて減免してくれた場合、その書類が検察から郵送されてきます。その書類には、チャージされた罪から、別な罪への減免を申し出る旨が記載されているので、同意のサインをして、裁判所へ転送します。

 その後、裁判所から、減免を許可する通知とともに、新しい罪状に対する罰金が科せられます。駐車違反の罰金は150ドルで、これを裁判所へ支払えばおしまいです。150ドルの小切手を作って郵送します。もう裁判所に出向く必要はありません。

運転免許のポイント
 駐車違反に罪が変わっても、無罪になったわけではないので運転免許の減点されたポイントはその分残ります。これをチャラにするためには、自動車学校へいき、5時間講習を受けてこなくてはならないようです。講習を受ければ、ポイントはチャラになります。晴れて元の状態に戻ることが出来ます。

システムがわかっていないと、何をしていいか分らない
 はじめの書類にもしもGuiltyをチェックして裁判所に郵送してしまっていたら??嘆願の方法がわからなかったら?もし嘆願できることすら知らなかったら?きっと450ドルチャージされた上に、保険料も上がり、ポイントも減点されたままでしょう。もしも何も分らない場合、弁護士を雇うという手もあります。その料金と、罰金とどちらが高いかは知りませんが。システムを理解していないと、本人が損をするし、何をしていいか分らないのがアメリカのシステムかもしれません。だから弁護士も流行るんでしょうね。その点、嘆願は出来ないけれど日本のシステムは実に明解です。