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「表現の自由」を守るためのアウェアネス・リボン運動 「うぐいすリボン」

2012-11-09

コンビニから成年向けコーナーが消える日。コンビニでの出版物凋落の背景にあるもの。

こんなまとめを作ったら思いのほか反響があった。

コンビニから18禁コーナーが消えるかも? コンビニ業界内を駆け巡る #表現規制 の波』
http://togetter.com/li/403393

アメーバニュースなどにも紹介された。
コンビニから成人コーナー無くなる可能性が指摘される』
http://yukan-news.ameba.jp/20121108-584/

コンビニから「成人コーナー」が無くなる可能性

http://zinger-hole.net/entry/601/

内容をかいつまんで言えば、現在コンビニから成年向けコーナーを撤去させようという二つの動きがあって、
(1)「将来的に成年向けコーナーを撤去するために、コンビニ大手が実写系アダルト雑誌を中心に、表現介入とも言うべき圧力をかけている」というもの。
(2)「コンビニが生鮮食品などを取り扱い始めた結果、販売スペースの不足のために、成年向けコーナーを縮小した。そのため5誌入荷していた出版社は2〜3誌に減らされ、編集が大量解雇された」
というものだ。

ネット上の反応を見ると、ほぼ全てが成年向けコーナーの撤去に賛成している模様だ。昨今ゾーニングが進んだ今では、立ち読みできないようにシール留めしてあるとはいえ、特に女性や親子連れの不快感を招くという状況になっているのは間違いないだろう。

(1)は流通側からの表現規制といえるが、(2)は経営上の判断としての結果だ。ここでは特に(2)に注目したい。
(2)の指摘が意味するところは、顧客層の変化だ。
つまり従来の学生や独身者、サラリーマン中心の客層から、中高年や老人、ファミリー層に移ってきたことを示している。
もうひとつは、消費者の移動領域、消費傾向の変化だ。

90〜2000年頃はまだネットも十分に発達しておらず、最も大きな消費世代である団塊世代の多くが現役であったため、仕事や学校の帰りにコンビニに寄って、酒と弁当とエロ本を買うという生活モデルが息づいていた。
また地方においては車で郊外店に行き、そこで買い物をしてくるという生活モデルがあった。
ところが高齢化によって車での移動も困難になると、身近な店で生活必需品を手に入れる必要性が出てくる。また長引く不況によって可処分所得が大幅に減少した反面、ネットの発達によって無料のアダルトコンテンツが充実し、またネット通販も発達してくると、わざわざ高い金を払ってコンビニのエロ本を買う必要性もなくなる。
こうした事情がコンビニにおける顧客層の変化、需要の変化を大きくもたらし、当然の事ながら成年向けコーナーの商品価値を著しく消尽させる結果となった。

こうした事情を裏付ける一つの資料がある。
販売ルート別推定出版物販売額(億円)のグラフだ

f:id:taka_take:20121109104808g:image
出典:Garbagenews.com『2010年12月06日 出版物の売り場毎の販売額推移をグラフ化してみる』
http://www.garbagenews.net/archives/1612561.html

特に2006年以降のコンビニでの書籍売上げの下落は激しく、2001年に対し2009年は比率-12%にまで落ち込んでいる。
同記事によれば、この理由は以下のものと分析している。

インターネット携帯電話の本格的普及時期と重なるため、ハードルの低い時間つぶしが「コンビニでの雑誌(特にファッション誌や週刊誌、コミック廉価版など)」からネットやケータイに奪われた結果
・家計単位での雑誌販売額の減退によるもの(【新聞や雑誌の買われ方はこの10年でどのように変化したのか......週刊誌や雑誌、書籍の支出額をグラフ化してみる(追補編)】)
コンビニで販売されている機会が多い雑誌、ビジネスやマネー誌、HowTo関連などは売上が急降下状態
コンビニでしか買えない雑誌の類があまり無い
コンビニで販売されるタイプの雑誌における、付加価値や情報そのものの陳腐化
コンビニにおける利用客の消費性向の低迷(お弁当などと一緒の「ついで買い」をする余裕がなくなってきた)

これはそのまま、コンビニ売りのエロ本にもそっくりそのまま当てはめることができるだろう。
逆に生鮮食品の需要が高まった背景は、高齢化に伴う生活圏の縮小があり、スーパーなどが望めない地方では生鮮食品(特に肉や魚)の需要が大きくなる。特に今後、少子高齢化が進む日本では、この傾向はますます強くなるだろう。
また可処分所得の大幅な減少は、独身者やサラリーマンの外食や購入弁当中心の生活形態から、自炊手弁当というよりローコストな生活形態への移行を促す。これもまた生鮮食品の需要拡大を促した。

参照:『古本じゃなく新刊を買って欲しいなぁと呟かれても、それはなかなか難しいよね。何故なら世帯所得が昭和62年並だから。』
http://d.hatena.ne.jp/taka_take/20120721/1342880290

さらにエロに関しては極めて安価な、あるいは無料のアダルトサイトで欲求を満たせばよく、これもコンビニでエロ本を買う必然性を失わせている。
この様な必要なものは極力無料か自作、あるいは安価なもので済ますという嫌消費志向が広まれば、生活に不必要な消費物であるエロ本を含めたコンビニ雑誌が買われなくなるのは当然といえよう。

かつて時代の最先端をリードし数々の流行を作ってきた出版業界が、時代の流れに抗する事ができずに、今コンビニから次々に排除されているが、コンビニ売りのエロ本はまさにその消え行く出版物の先頭を走っているのかもしれない。

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