【映画】ロスト・ボディ【感想】

【あらすじ】
―― 死体失踪 ―― ある男が、恐怖のためにパニックに陥り、トラックに轢かれてしまう。警察が現場に到着し、轢かれた男性は近くの死体安置所の警備員であることが判明する。死体安置所では、3号室からマイカという女性の死体が忽然と姿を消していた・・・。ハイメ警部は、死体失踪事件の調査を開始するが、死体安置所では、次々と恐ろしい出来事が起こり始める。果たして失踪した死体の行方とは・・・・・・??


【感想】
死体失踪とか犯人とかより生前のマイカが怖すぎる。
ホラーなのかなと思ったけどミステリーとして最後まで楽しく没頭できました。

あれだけの恨みを持って殺害を計画していたのなら
あんな回りくどいやり方ではなくもっと苦しめて殺すだろうとか
腑に落ちない点もあるのだが、綺麗な伏線回収とラストシーンが美しかったので良し。

【映画】Mr.ノーバディ【感想】

【あらすじ】
ハッチは、郊外にある自宅と職場の金型工場を路線バスで往復する、ルーティンで退屈な毎日を送っている。妻には距離を置かれ、息子からもリスペクトされず、この世の理不尽なことすべてを全身で受け止め、歯向かうことなど決してない、地味で目立った特徴のない男だ。ある日、バスに乗り込んできたチンピラたちに、ハッチは遂にブチ切れて大乱闘、相手をことごとくぶちのめす。やがてこの事件はロシアンマフィアの逆鱗に触れ、ド派手な銃撃戦、カーチェイスへと一気にエスカレートしていく。一体この男は「何者」なのか?


【感想】
隠居して家族と静かに暮らしていた殺し屋が復讐のために大暴れするという
最近こういうのよく見るのですが流行なんですかね。

ジョン・ウィックみたいなスタイリッシュな殺し屋ではなく
かなり泥臭い戦い方なんですがどんなにやられても立ち上がってくる
タフさがやべー奴感出てて格好良いです。
一見被保護者の老人が実はメチャクチャ強いとかも大好きですね。
演出も中々凝っており90分でサクッとみられておススメです。

【映画】呪詛【感想】

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【あらすじ】

かつてある宗教施設で禁忌を破り、呪いを受けたリー・ルオナン。そして6年後、あの時の呪いが今度は自分の娘に降りかかったと知り、必死で我が子を守ろうとするが…。

 

【感想】

話題になっていたのでNetflixで視聴
ホラー耐性は割とある方だと思うけどかなり怖かったです。
怖いというか何か邪悪なものを詰め合わせたって感じ。
主人公の母親も娘を想う善人という訳でもなくこの人自体も怖いよね。

絶対に入っちゃいけない地下道やご本尊の顔をしっかり映像で見せてくれて
ちゃんと怖い出来になってるのは良かった。
たまに視聴者の想像にお任せしますみたいに逃げる作品あるけどあれは醒めます。

オチについては日本のホラーをよく見てる人は予想できると思います。
祈りと呪いは表意一体というのも我々日本人には理解しやすいかと。
人に勧めると怒られそうだけど観た人同士でかなり語れる映画だと思うので誰かと一緒に見ると良いかも。

【映画】アメリカン・スナイパー【感想】

【あらすじ】

米軍史上最多、160人を狙撃したひとりの優しい父親。観る者の心を撃ち抜く、衝撃の実話。 国を愛し、家族を愛し、戦場を愛した男――。描かれるのは伝説のスナイパー、クリス・カイルの半生。

 

【感想】

ドキュメンタリーということも知らずに見たのでラストは衝撃でした。
あの退役兵が最初からクリスを殺すつもりだったのか、
何らかの会話の末に悲劇が起こってしまったのか興味がありますね。
生きて逮捕されたようなので裁判の記録など見ればわかるのだろうか。

本編としては、クリス・カイルの半生を描く物語。
「伝説の英雄」と呼ばれ、心も体も鍛えた強い人間でも
戦争でボロボロに壊れていってしまう様が良く描かれています。
アメリカ賛美だとかプロパガンダとも言われているようですが
全くの中立で戦争映画を作るのは不可能だと思うんですよね。
分かり合えないからこそ戦争が起きてしまっているわけで。
今作はアメリカ軍のクリス視点で観た戦争を描いているので
これに違和感を覚える人も共感する人も居て当然だと思います。

面白いとか面白くないとか単純に言える作品ではないけど
見てよかったなと思える作品でした。

 

【映画】ザ・ハント【感想】

ザ・ハント (字幕版)

ザ・ハント (字幕版)

  • アイク・バリンホルツ
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【あらすじ】

広大な森の中で目覚めた12人の男女。ここがどこなのか、どうやって来たのかも分からない。あるのは巨大な木箱に納められた一匹の豚と武器の数々。すると突然銃声が鳴り響き、何者かに狙われる。武器を取り、逃げまどいながら、やがて彼らは気がつく。ネット上にはびこる噂、「人間狩り計画」―セレブが娯楽目的で一般市民を狩る“マナーゲート“が実在することを。

 

【感想】

陰謀論に踊らされた豚を集めて、富裕層がハンティングを楽しもうとしたら
冷酷な蛇が1匹紛れ込んでて返り討ちにあう話。
設定とか動機とかくだらないんだけど
ベティ・ギルピン演じる主人公が魅力的で楽しめました。
冷静ではあるけど感情は豊かで、特にサディスティックな表情が良かった。

 

【映画】グエムル-漢江の怪物-【感想】

【あらすじ】

ソウルの中心を南北に分けて流れる雄大な河、漢江(ハンガン)。休日を、河岸でくつろいで過ごす人々が集まっていたある日、突然正体不明の巨大怪物<グエムル>が現れた!河川敷の売店で店番をしていたカンドゥの目の前で、次々と人が襲われていく。気付いた時には遅かった!カンドゥの愛娘、中学生のヒョンソがグエムルにさらわれたのだ!さらに、カンドゥの父ヒボン、弟ナミル、妹ナムジュのパク一家4人は、グエムル保有するウィルスに感染していると疑われ政府に隔離されてしまう。しかし、カンドゥは携帯電話にヒョンソからの着信を受け、家族と共に病院を脱出、漢江へと向かう。果たして彼らはヒョンソを救えるのか?そしてグエムルを倒すことはできるのか!?

 

【感想】

怪獣映画を楽しみたい人は最初の30分と最後の30分だけ見れば良いです。
怪物の造形と動きは一見の価値はありますが、それ以外は時間の無駄です。
ポン・ジュノ監督は「パラサイト」でも貧困家族と社会批判を訴えてましたが
今回の怪物・パニックといった要素とはすこぶる相性が悪いです。
無能な警察や軍部に振り回されて話が全く進まない中盤はさすがにイライラしました。
巨悪(政府、米軍)に見立てた怪物に家族が立ち向かう姿も
怪物がそこまで大きくも強くもないので集団で囲んで倒すラストは怪物側に同情してしまった。

 

【映画】ヒメアノ~ル【感想】

【あらすじ】

「なにも起こらない日々」に焦りを感じながら、ビル清掃会社のパートタイマーとして働く岡田(濱田岳)。同僚の安藤(ムロツヨシ)が想いを寄せるユカ(佐津川愛美)が働くカフェに向かうと、そこで高校時代の同級生・森田正一(森田剛)と出会うが、その後ユカから森田にストーキングされていると知らされる…。

 

【感想】

結論から言うと私はこの映画を好きになれなかったのだけど
その理由の9割は原作との違いに納得できなかったという
厄介オタク極まりないものなのでそれを理解した上で続きをお読みください。

 

ちなみに私は原作コミック大好きですが、原作を絶対に変えるなと言いたい訳ではないです。
むしろ原作のラストシーンはもっといい落し所があったのではないかと
ずっと思っていたので、映画版でそれが見れるのではないかと期待していました。
原作のテーマは、生まれつき異常者として生を受けた森田の圧倒的な孤独と苦悩だと思っています。
いじめがきっかけで殺人を犯すところは同じですが、原作版の森田は例えいじめが無かったとしてもいずれその衝動を抑えられなかったでしょう。先天性であるが故に誰のせいにも出来ず、治すことも期待出来ず森田は絶望の底に落ちていきます。
映画版ではその前提そのものが変わっているのです。
細かい違いなどはどうでも良いのですが、この点だけは許容できませんでした。
映画版の森田は元々は普通の優しい少年でした。
いじめ事件により精神分裂を起こし殺人を犯すようになりますが、これでは全く意味が変わってきます。
あまつさえラストには主人公と心が通じ優しかった昔の人格を取り戻します。
エンディングで静かで美しい曲が流れますが、そんなんで同情も感動もできるはずもなく唯々空しく響きます。